物欲と断捨離の狭間で

50歳を迎えたあたりから、自分の「今後」を考える機会が多くなったような気がする。

その中にあって最近特に気になっていることが、「自分の所有物」に関してだ。

家人らからは「お前はとにかくモノが多い」と言われるぐらい、色んなモノが周りにある。

読み終えた書籍、着ることのなくなった衣類、二度と聴かないであろうCD、同じく二度と観ることがないと思われるDVD、型落ちしたバッグ、更には出場したマラソン大会のTシャツ、履き潰したランニングシューズ、何でそんなの買った?一体いつ使うんだ?といったガジェットの数々…。

恐らく一つ一つリストアップすればキリがないぐらいの物、モノ、もの。

幼い頃、決して満足にモノを買い与えて貰えなかった反動、というわけではないが、自分の稼ぎが得られるようになってからは、自分の思うままに色んなものを買い続けていた、そんな気がする。

人間の三大欲求とは、「睡眠欲」「食欲」「性欲」。これに「集団欲」「排泄欲」が加わった三大欲求もあると言われているが、「物欲」もその中に加えてもいいんじゃないかと思ってしまう。

しかし考えてみると、これまで購入した数々の商品によって僕自身の欲求(物欲)は満たされても、そしてそれが僕自身にとって何らかの価値があるものであっても、家人にとっては何の変哲もない普遍的なもの。価値すらも感じられないであろう、所詮は「余計なもの」なのだ。

なので、仮に僕がこの世を去ってしまうと、これらの物は単なる「邪魔なもの」や「ゴミ」扱いをされることは必至。

ここ最近も、何を思ったのか急にアナログ熱に魘されることとなり、Princeをはじめとするさまざまなアーティストのアナログ盤を買い始めている。がしかし、思えばこれも単なる僕の蒐集癖によるもので、それを手に入れたことによって得られる満足感(優越感)を求めているだけなのかも知れない。

既に収まり切れなくなったCD、レコード。プラケースを外し、ビニールケースに入れ替えたものも数々。

さて、少々話が脱線したので元に戻そう。

数か月前、弘前市内にかつてあったレコード店が、再び営業を再開した、というネタを投稿した。店主のヒロシさんは、「自分の所有物を本当に欲しいと思った人に受け渡す。終活みたいなものだ。」とおっしゃっていたが、これから自分自身にもやってくる晩年に向け、「身軽にする」作業を行うという点は、大いに見倣わなければならないと思った次第。

実際のところ、衣類についてはそれなりに断捨離を始めているが、そこに詰まった「思い出」であるとか「頂き物だった」という付加情報を考えはじめると、なかなか捨てられないものがあるのも事実だ。まあ、こういったことこそが断捨離を妨げる最大の要因なのだろうけれど…。

少なくとも1年以上着ていない服にもう一度袖を通すことはないはずなので、ここが線引きのラインになりそうな気がするが、これに着手するまでなかなか踏ん切りがつかないのがダメなところ。でも、一度本腰で着手すれば、タンスには相当な空きができそうな気配。

書籍に関しては、一度読んだきりで何となく手元に置いているものが大半を占め、ほとんど読み返していないものも相当数ある。新書や文庫本もあるが、どちらかといえば役人向けの教養本が多く、家人たちにしてみれば全く何の興味も引かないものばかり。これらについては、いずれ古本屋に持ち込むしかないのかな。

ちなみにこれから列挙する音楽アイテム、僕からすればそこそこ価値のあるものだと思っているけれど、他人からしてみたら、どうでもいいものと思われても仕方ないかも。

○Prince関連
・Maceo ParkerとEric Leeds(この時点で「誰だそれ?」と反応する人が大半かと)の直筆サインが入った「Days Of Wild」のシングルCD
・ジュエルケースに入った5枚組のCD「Crystal Ball」
・オンライン通販で購入することができたNew Power Generationの1stアルバム「Gold Nigga(セカンド・プレス)」と「2gether」のシングルCD
・レーベルに「見本盤」「非売品」と打たれた「LOVESEXY」のアナログ盤
・2019年のレコード・ストア・デイに合わせ、2000枚(14000枚?)のみプレスされ再発された「His Majesty’s Pop Life」の2枚組12インチシングル
・缶ケースに入った「Batman」のサントラ盤CD
・「Not 4 Sale」の文字が打たれたカセットテープ2本

His Majesty’s Pop Lifeと「Not 4 Sale」と書かれたカセット

○岡村靖幸
・中古市場では30,000円を超える額で取引されているらしい「岡村ちゃん大百科~愛蔵盤」(19,800円・廃盤)

岡村ちゃん大百科はCD8枚DVD2枚のボックスセット。19800円ながらあっという間に完売した。

・CDに収録されているものとはまるで歌い方が異なる「Dog Days」のドーナッツ盤

1987年7月22日発売の岡村靖幸4枚目のシングル。

○佐野元春
・過去のアルバムのリイシュー盤の数々(デラックス盤など、装丁が重厚)

○エレファントカシマシ
・アルバム「Wake Up」の完全受注生産5枚組デラックス盤

○山下達郎
・直筆のサイン

…とまあ、思いつくままにリストアップしてみたが、だから何だ、と言われそうなものも多数あり、これも将来に向けて「身軽」にするという意味で、徐々に処分等していかないとダメですね、ハイ。

ちなみに今後、Princeのアルバム「Welcome 2 America」のデラックス盤、The Timeの赤白アナログ盤、岡村靖幸「どぉなっちゃってんだよ」のドーナッツ盤など、既に予約済みの商品も複数あり、さてどうしようか。いずれはこれらも手放す必要が出てくることになるのだろうけれど。

さすがに墓場までは持っていけないからなあ…物欲の思うままに買い漁るという行動も、いい加減そろそろ抑制していかないと。