Lenny Kravitz。
日本ではすっかりドタキャン王子となってしまったため、今後恐らく日本でパフォーマンスに勤しむ彼の姿を拝むことはないのではないかと勝手に思っております。
クオリティの高い作品を生み出していたのに、もったいない!と思いつつも、ある意味彼の頂点というのは洋楽ファンでなくても知っている「Are You Gonna Go My Way」に帰着するのかもしれません。ベスト盤を出す頃には半分「過去の人」になりかけていたような気がするし、その後も作品を出すたびになんかもったいない逸材だなぁ、とついつい思ってしまっていたのです。
さて、そんな彼のデビュー作「Let Love Rule」の20周年記念盤が登場。最近結構この手法でリマスター盤を発表する人は多いですが、果たしてどんな仕上がりに…。
と思い早速聴いてみましたが、期待していなかった分、なかなかv(・∀・)イイッ!
ちょうど彼の全盛期が80年代から90年代の過渡期ということもあって、どうも時代の谷間に埋もれてしまったといえばいいのか、結局彼が時代を追い越し、やがて時代が彼を追い越したといえばいいのか…。
個人的には、彼を取り巻くレコード会社の販売戦略にものすごく解せないところがあって、後出しじゃんけんのような特典付き作品を、通常盤の売り上げが落ち着いた頃に販売し始めるというやり方には怒りにも似た腹立たしさを覚えておりまして、そういう点についても、たぶん彼の才能を飼い殺ししてしまっているところがあるのではないか、と思うのです。決定的だったのは00年に発表された「Greatest Hits」で、その後発表された2枚のアルバムから1曲ずつ追加したあげく、おまけにPVを収録したDVDを同梱して再発した06年の「Greatest Hits」。って、そこまでするなら別作品にして販売しろよ!って感じなんですけどEMIさん。
その点今回のように、アニバーサリー盤として最初から当時のライブ音源やリマスター音源を同梱するというやりかたはOKではないでしょうか。
これでまた後出しじゃんけんでDVDを追加同梱します、なんてことをやったら、それは明らかに彼の才能を評価云々ではなく、「売れてナンボ」というレコード会社の策略だということがバレバレで、ますますファンが離れていくだけですから、間違えてもそんなことはしないように。
しかし、僕が彼の名前を初めて聞いたのはこのアルバムの発売よりも後にマドンナのプロデュース(「Justify My Love」)を務めた時だったのですが、もうあれから20年経ったということに、ただ驚嘆。
今もちょこちょこ作品を出しているのですが、強いていえば松山ケンイチが主演した映画「L Change The World」で主題歌として使われたことがちょっと話題になったぐらいで、あとはあまり名前を聞く機会がなくなってしまいました。プリンスと共演した時の模様がプリンスのDVDに収録されていて、今観るとあの頃はまだ華があったなぁ…って感じで。
今のところは国内盤の発売予定はないようです。
というかこの作品に限っては、「後出しおまけ付き商売」は勘弁してほしいです。
個人的には、91年に発表され、彼の出世作となった「Mama Said」のアニバーサリー盤に早くも期待を寄せたいと思います。