日別アーカイブ: 2015-08-03

メロンより、水。 -第29回日本海メロンマラソン


日本海メロンマラソンは、毎年この時期に秋田県男鹿市若美地区で行われる大会。秋田有数のメロンの産地である若美地区で収穫される「若美メロン」と「宮沢海水浴場」を県内外にPRするために、この時期に開催される。何でこの時期かというと答えは簡単、メロンの収穫時期だから。別にマラソンじゃなくても、例えばビーチバレーとかサッカーとかそういう競技でもいいと思うんだけど、なぜかマラソン。それも既に29回も開催されているというのだから、歴史は長い…というか秋田県内は、大館市の山田記念然り田沢湖マラソン然りで、結構歴史あるマラソン大会が多いのである。

昨年初めてエントリーしたものの、大会直前に右足裏の種子骨炎を発症し、スタートラインに立てなかった。結局参加賞である若美メロン2玉を抱えて帰ってきたが、不完全燃焼に終わったことが心に引っかかっていた。

真夏の大会、そんなにあるもんじゃない。これからのことを考えたら、ここで一つレースを積んでみれば、今後の糧にはなるかな、と。まあ、メロン2玉貰えるし…。(ちなみに僕は、メロンがそんなに好きじゃありません。笑)
ということで、昨年走ることのできなかったリベンジマッチ、というわけではないけれど、今年走ってみようじゃないか!とハーフにエントリー。

…で、エントリーしてしばらくしてから思い出した。昨年はスタートの時点から汗が噴き出すような暑さで、陽射しが強かったことを。ハーフマラソンを完走し終えた仲間たちが、ゴール直後にまるで息も絶え絶えのような形相で「二度と走るか!」と口々に言っていたことを。

そうだ、この大会は10キロでよかったんだ。しまった、うっかりしてた…。
しかし後悔先に立たず。エントリーしてしまったものはしょうがない。腹をくくって走ろうじゃありませんか。
事前に、昨年このコースを走った仲間から色んな情報を集め、分析。走る上でいくつかの課題を課すこととした。
・公認レースではないので、記録を出すことを考えず、確実に完走すること。
・給水と補給をちゃんとこなすこと。
・余裕を持って、笑ってゴールすること。
・そのためにも、暑さ対策を万全にすること。

昨年はたくさんの仲間が走ったこのコースも、今回蓋を開けてみると、仲間でエントリーしていたのは、知っている限りでは僕を含めて7人のみ。(うち、ハーフは5人)
前日、東京から秋田入りしたYさんと一緒に、ゆっくり走ることにした。
スタート時刻は8時10分だが、昨年と比べると遥かに陽射しが弱く、むしろ走りやすいかも?…と油断したら絶対にやられてしまうので、暑さ対策や水分補給など、スタート前の準備を怠らなかった。

コースの全容は、スタートから10キロほどまでは、細かなアップダウンが続く。その後ほぼ平坦な道となり、残り1キロ手前で激坂が待ち受ける、といった感じ。
前半のアップダウンで飛ばしてしまうと後半にそのダメージがやってくる、ということのようなので(NAHAマラソンを思い出した)、前半はYさんとおしゃべりできる程度のペースで、後半、様子を見ながらペースアップという展開を思い描いていた。

スタート前、主催者側から何か注意が呼びかけられているのだが、中段辺りで待機をしていると、何を言っているのかまるで聞こえない。拡声器じゃ後ろまで届かないっすよ…。

事前に準備したものは、イオンサプライ飲料を凍らせたもの、塩飴、そして、アミノ系サプリメント。これをウェストポーチに忍ばせている。走っている途中でどんどん軽くなっていく…予定。

いよいよ8時10分、スタート。と同時に、花火がうるさいぐらい何発も打ち上げられる。
スタートのごちゃごちゃがあったため、最初はペースが上がらなかったが、大体キロ5分ぐらいで落ち着き、Yさんと並走しながらのおしゃべりランがスタート。
走り始めてみるとやはり暑い。早速持参した水分を補給し、飴で口を潤す。
1キロを過ぎた辺りに、いきなり給水ポイントが出現!そりゃそうだよな、この暑さじゃこまめに水分補給をしないと、ぶっ倒れるよね。…と近づくと、何と水がない!ボランティアの女子中学生か高校生がいるにはいるのだが、ニコニコしながら「頑張って下さい」と言うだけで、まだ用意するつもりもないらしい…。

Yさん、「水欲しいんだけどな…。」と早くもぼやき始める。
3キロ過ぎ。再び給水ポイントが出現。…が、ここにも水がない。
「えー?何で?」と声を荒げるYさん。「何で給水ポイントなのに水ないの?」と。周囲のランナーも小さく頷く。
この間も、細かなアップダウンが続く。たけのこマラソンを考えると、さほど苦痛ではない。
遠くに1基の風車が見える。「あれー?去年もあったんだろうね。全く記憶がない。」と笑うYさん。
程なく4キロ過ぎ(ただしこの時点で距離表示は全くといっていいほどない。どこに給水ポイントがあるかを頭に入れていただけ。)の給水ポイント。「Yさん、今度は水があるよ!」
よく見ると水とスポンジがある。スポンジを手に取り、給水しようと思ったら、テーブルが一つしかなく、紙コップの水を取り損ねた。給水所、狭過ぎるんだけどっ!!
…ここは持参していた命の水で場をしのぎ、スポンジで首筋や脇の下を冷やす。
確かに水を口にすることも大事だけれど、外から身体を冷やすことも必要。これで熱中症は回避できるはずだと、歩を進める。ちょうど陽射しが出て暑くなり始めた5キロ付近だろうか、民家の庭先に突然シャワーが出現!このコース、その後もこの簡易シャワーが何基も現れる。思わず吸い寄せられるように頭から水を浴びて通り過ぎる。
…がしかし、これが思わぬ事態を招くことに。

暑い。暑いけれど気持ちいい。「どうせメロン貰いに走りに来たようなもんだからさ。」というYさんの言葉に、周囲のランナーから笑いと同意が起こる。
細かなアップダウンの途中に突如現れた給水所。どうやら7キロを過ぎたらしい。Yさん「一旦止まる。」という声に、僕も足を止めた。しっかりと給水を行った先には、ちょっと勾配のきつそうな上り坂。この辺りで既に歩き始めている人も出始める。裏を返せば、それだけ過酷だということなのだろう。僕自身はまだ余力がある。というか、今日は最後まで余力を残してゴールすると決めた。この先何が起こるかわからないし、レースが終わったあとは、100キロ以上のドライブも待っているのだ。

まだコースの半分も過ぎていないし、ここから先が多分暑さとの戦いになるのだろう。やがて左手に日本海が見え始める。「あー、全く記憶にない。」と、昨年も同じコースを走っているはずのYさん。
程なく左折すると、一気に坂を下る。この下りが結構足に来る。
とにかく無理をせず、慎重に足を運ぶ。
「あれ?去年こんなコース、走ったかなあ…。」
いやいやYさん、昨年も走ってるはずじゃないですか!
坂を下り終えると宮沢海水浴場の入り口を通過、海岸線に進む。道路にも砂が入り込んでいるほどの至近距離に海が広がる。願わくば、そのまま海に飛び込んでしまいたい。が、この辺りから、何か奇妙な音がすることに気づいた。さて、何だろう。給水ついでにサプリを投入。ここからちょっとだけペースを上げる。ここでYさんとちょっと離れた。…でも後で聞くとYさん、僕に追いつこうとペースを上げていたらしく、ちょっと無理をさせてしまった。「ちょっと上げます」とちゃんと伝えるべきだった。
11キロでの右折以降はほぼ平坦になることがわかっていたので、しっかりペース走をやってみようじゃないの。

でも、ここでも時計にはほとんど目をやらなかった。時計に目をやった時点で、ペースを上げてしまいそうな気がしたからだ。
そして、民家からぶら下がっているシャワーを浴びた時に、奇妙な音の正体に気づいた。
なんてことはない、シューズがシャワーの水をたっぷり含んでいたのだ。きっと足も相当ふやけていることだろう。
ただ、気にし始めたらキリがないので、気にしないことにした。こんなこともあろうかと、今日は足裏にワセリンを塗ってきたのだ。
「残り5キロ」の看板が見えた。え?もう?かなりペース上がってる?一瞬時計に目をやろうとしたが、我慢我慢。
確かにペースは少しだけ上がっているはずだ。その証拠に、11キロ以降の直線に入って僕を追い抜いた人は、一人としていないんだから。ただ、想定よりも少し早めのペースになっていたらしい。
暑さはそれほどでもないが、風が徐々に向かい風になり始める。遮るほどではないものの、その影響からかペースが若干落ちているのがわかる。でも、疲労感は全くない。遠くから聞こえる救急車のサイレン。歩き始める人、足を止めてストレッチに勤しむ人、突然横を向いて嘔吐する人など、いよいよ過酷さが増してくる。その中にあっても、淡々と、黙々と足を運ぶ。
…が、しかし。ここで魔が差した。思わず時計に目をやってしまったのだ。

「16.1km」

あれ~?まだ5キロあるじゃない。
さっき残り5キロって出てたよね?やっぱり違っていたんだ?テンションが少し下がり、ペースも下がる。再び現れた給水所で足を止めて給水。さっき追い抜いた人達が、僕の横をすっと走って行く。さあ、でもあともう少し、頑張りますかい!
もう一度気合いを入れ直し、再び走り始める。朝方通った農協の建物が左手に見え始める。ということは、ゴールは近い。最後の給水で水を口に運び、いよいよ激坂へ。ふと見上げると、坂を上り終えて右折したランナーが走っている姿が、相当高い位置に見える。うわぁ、あそこまで走らなきゃならないのか…。
これまで走った上り坂のことを考える。あの坂に比べたらまだ…まだ…まだ…でも、最後は歩くようなスピードでようやく坂を上り終える。スタートした場所から更に600メートルほど奥にゴール地点がある。ふと時計を見た。1時間38分30秒。まあ、今日はこんなものだろう。倒れなかっただけ、ヨシとしよう。

…間もなくスタートする、3.3キロペアの皆さんの横を駆け抜ける。色々試したかったこともできたし、勉強にもなった。うん、今日はこれでいいんだ。そう言い聞かせながら、最後は流すようにゴール。

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1時間41分48秒。ベストより10分も遅く、たけのこマラソンよりも3分遅いタイム。しかもこのコース、ハーフマラソンという割には500m程距離が短い、といわれていることでも有名なので、そう考えると、距離をハーフコースに換算するともっとタイムは遅いことになる。もっとも、最初から今日は飛ばさない、記録は関係なしと決めていたので、別に10分遅かろうが関係ねえっす。ただ、もうちょっとだけ頑張れば100分は切れてたのかなという欲が少し出てきたのも事実…って、どっちだんずや。

ま、要するに次に繋げられればいいのだ。今回はそれが目的なのだから。

噂には色々聞いていたけれど、実際に走ってみて気付いた点あれこれ。まあ、これはあくまで走っているランナー目線からでしかないので、ワガママと言われればそれまでなんだけど…。

・前述のとおり、給水ポイントがバラバラに設置されているのが辛い。しかも贅沢は言えないが水しかない。コースの起伏を考慮すると、致し方ないのかな。
・距離表示がホント少ない。そして、「残り5キロ」の表示場所がおかしい。多分残り6キロ地点に設置されていたのでは。
・そして、距離が短い。スタート地点をもっとゴール寄りにすればいいだけなのに。
・車の往来が何気に怖い。もちろん運転手さんも気を遣って走行しているのがわかる。でも、車道の規制をしていないため、車が前後からガンガン走ってくる。
・あ、でも終わったあとの食べ放題のメロンは確かに美味しかったです。メロンあんまり好きじゃないけど。ただ、今回はファミリーの参加が多かったようで、途中で足りなくしたらしく。
・ちなみに赤い果肉より緑の果肉のメロンの方が美味しかった。
・民家のシャワーは本当にありがたい。自発的に設置されているのかな?

まあ、次どうしようかといわれると、ねぇ。もう一回ハーフ走ってみたい気もするし、10キロでいいような気もするし。…ともう、走り終えたばかりなのに既に来年のことを考え始めている時点で、ビョーキですなこりゃ。

最後に一つだけ。言い訳にはしないが、正直ちょっと身体が重すぎた。これから徐々に体重を落としていこうと思います。さあ、これからいよいよ秋のシーズンがやってくる。オラもヤテマルよ!

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