【今日の投稿は、今年フルマラソンに初めて挑戦することを決意したKさん、そしてフルマラソンを走ってみたいけれど悩んでいる皆さんに捧げます。】
2016年夏。いよいよ北海道マラソンの開催まで33日となりました。今年のフルマラソン初戦です。
この大会は今回が第30回の記念大会となるそうですが、僕にとってもフルマラソン10レース目という節目の大会になります。だからといって何が何でも必死で頑張る!というわけではなく、脚の具合や体調を見ながら、まずは3時間30分台で完走することを目的としたいと思います。
僕は今から3年前の2013年、42歳の時にフルマラソンに初挑戦しました。それまでは、フルマラソンなんていうのは僕とは無縁の別世界で生きる人達がやるものだ、と思っていました。小学校時代は常に運動会の徒競走でビリ、体育の成績は万年「3」でしたが、本当であれば「2」でも全く不思議ではありませんでした。とにかく運動の類は一切苦手、走るなんてもってのほか。ハッキリ言って大嫌いでした。
30歳になる時に一度、「30歳という節目の記念に」と、小中学校からの友達数名と一緒に10キロマラソンに出場したことがあります。今の「弘前・白神アップルマラソン」の前身で、「NEWあっぷるマラソン」という大会。弘前市運動公園が舞台でした。あの時は47分弱でゴールしましたが、9キロで脚が止まり、ヘロヘロになりながらゴール、直後に両脚が攣って歩けなくなるなど、辛い思いばかりすることとなり、ちっとも楽しいと思えませんでしたし、二度と走るものか!と思っていました。
そんな僕が何でフルマラソンを走るまでに至ったのかという経緯は、今回は省略しますが、こんな運動大嫌いだった僕でも走れるぐらいなのですから、皆さんもちょっと努力すればきっと完走できると思います。(そして多分、小中学生の頃の僕を知っている人であれば、僕がフルマラソンを走るということは、恐らくツチノコが発見されるぐらいの衝撃、受け入れがたい事実として捉えられることでしょう。)
ただし、どれどれ、ちょっと走ってみるか…という軽い気持ちでフルマラソンを制限時間内に完走するのは、よほどの地力や体力の持ち主か、用意周到に準備をしていなければ無理だと思います。そのためには当然綿密な計画が必要になるわけですが、実際のところ何をどうやって準備をすればいいのか、となると、僕自身も答えに窮するところがあります。
ちなみに僕の場合、フルマラソンを初完走するちょうど1年前に、初めてハーフマラソンに挑戦しました。そして、ハーフマラソンに挑戦する以前は、10キロマラソンに4度ほど挑戦していました。フル挑戦までの4年間、時系列に出場レースを並べると、こんな感じです。徐々にレースの距離を伸ばしているのが、一目瞭然かと。
【2010】10キロ、10キロ 【2011】10キロ 【2012】ハーフ 【2013】ハーフ、ハーフ、ハーフ、20km、フル
別にフルマラソンを走るために短い距離から始めたというわけではありません。ただ、30歳の時とは違った思いを抱きながら、ランニングという趣味を受け入れることができるようになった背景があった、といえばいいのでしょうか。2015年以降は、春先からハーフマラソンの大会に幾つか出て、夏場から秋にかけてフルマラソンの大会に出る、といった感じです。マラソンの季節は秋からだと言われていますが、基本的に秋冬は大会に出ないことの方が多いです。冬は雪が多いという場所柄、みっちりと練習を積むのが難しくなってくるから、という言い訳がましい理由からです。
不思議なことに、一度フルマラソンで完走できたことが自信となり、今は仕事の進行管理と懐具合を見ながら、各地の大会にエントリーするようになりました。北は北海道、南は沖縄、出場してみたい大会は幾つかありますが、大体年間で3~4レースといったところでしょうか。
でも、ケガや病気などでレースそのものに出場することができなかったこともあり、更にその回数は年を追う毎に増えているような気がしています。ちょっと悔しいです。
さて、今でこそフルマラソンを完走することは自分にとっては「当たり前」のようになっていますが、最初にフルマラソンに挑戦することを決断するまでには、相当な葛藤がありました。僕が「弘前公園ランニングクラブ」の練習に初めて参加したのは2012年の8月第1週、あの頃はまだ10名も練習に参加しておらず、練習後の撮影も通りすがりの人にお願いするといった状況でした。
初めて練習に参加したその時に一緒に走った方々から、単独で練習していた時(といってもちょっとその辺をジョギングしていた程度ですが…)には絶対に気づくことのなかった、目から鱗が落ちるようなアドバイスをいろいろ頂き、「大丈夫だよ!ハーフマラソンに出ればいいじゃん!」と背中を押されました。もう10キロはいいかなあ、と思っていたところ、弘前・白神アップルマラソンのエントリー期限が間近に迫っていたこともあり、衝動的にエントリーしてしまった、というのが実のところ。しかし、結果としてこれがフルマラソン挑戦への布石となったのです。
それまでは、毎回出場していた10キロマラソンの大会で30秒~1分ずつタイムを縮めていましたが、ではいきなり2倍以上のハーフマラソンを完走できるのか?といわれると、正直自信はありませんでした。
それでも、一緒に大会に参加した仲間の声援を受けて無事に完走、その日の夜の懇談会で「来年はフルだな!」とまたしても背中を押されたのです。
10キロからハーフマラソンならまだしも、ハーフを2回も走ることになるフルマラソン?10キロの4倍以上?絶対に無理!と、その時は即答を避けましたが、徐々に包囲網は固められ、翌年のフルマラソン出場へと繋がっていきました。
そういう布石があってフルマラソンには「満を持して」挑戦することとなりましたが、出場するからには絶対に歩くことなく、ちゃんと走ろうと心に決め、かなり用意周到に下準備をしていたことは、今だから明かしましょう。
初めてのフルマラソンで完走するためのアドバイスは、僕よりマラソンのことを熟知されている方々が既にたくさんされていますので、ここでは僕自身がフルマラソンに臨む際に毎回心掛けている幾つかのことを記しておきたいと思います。
【コースの特徴を熟知する】
大会の公式HPやパンフレットには、どこをスタートして、どういった道を辿り、ゴールするか、そしてその高低差はどうなのか、といったことが記載されています。一番良いのは実際にそのコースを走ってみることですが、遠方だとなかなか叶いません。特に初めて出場する大会の前には事前にそれを熟読し、地図やコースの特徴等を頭に叩き込むようにしています。
【週間天気と天気図をこまめにチェックする】
マラソン大会に出場するに当たり一喜一憂するのが、当日の気象状況です。暑過ぎず寒過ぎず、走りやすい気象状況になるのが一番良いこととはいえ、天気で気持ちが左右されるのは、本意ではありません。晴れなのか曇りなのか、それとも雨なのか、気温はどうだ、いろいろあると思いますが、僕は大会5日前から週間天気をこまめにチェックするとともに、大会3日ぐらい前からは、日本気象協会の天気図をチェックして、当日の気圧配置がどうなのかを把握するようにしています。気圧配置や等圧線の間隔などで、概ねの天気のほか、風向きや強さを把握しておくためです。そして、前述の【コースの特徴】と複合的に判断し、どういった格好で大会に臨めばいいかを思案するようにしています。まあ、外れることの方が圧倒的に多いんですけどね。
【飲む食べるは自己責任で】
とある大会に出場する前日の夜、盛り上がって缶ビール350缶を3本も空けてしまいました。翌日の結果は推して知るべし。ちょっとフルマラソンを完走できるようになったからと、調子に乗った結果だと猛省しました。
走るということは、筋肉だけではなく内臓にも相当負担がかかっていることは周知の通り。県外の大会に出向くと、つい気持ちが大きくなり、地元のグルメや特産品など食指が動きがち。走る前はもちろん、走った後の飲む食べるは、あくまで自己責任で。ちなみにフルマラソン当日の朝における僕のルーティンは、切り餅を7個食べることです。
【経験者の話をたくさん見聞きする】
今はマラソンに関する書籍(特に新書)が多数発刊されているほか、大会に関する記事がブログなどでたくさん紹介されています。全てを読みあさるのは現実的に難しいことですし、それが参考になるかどうかは、個人個人によって違うと思います。
しかし、絶対これは参考になる!というバイブルのような書籍や記事を一つ持っておくことは、きっと励みになるはずだと僕は信じています。
【レースの結果は必ず分析】
走り終えて完走証を頂いておしまい、ではなく、その日のレース展開がどうだったのか、後日必ず分析するようにしています。
5キロ毎のラップがどうだったのか、後半どのタイミングで、どれぐらいペースが落ちたのか、補給はどうしたのか、給水所で口にしたのは何か、といったことを細かく分析して、次のレースに繋げるようにしています。
もちろん全ての大会において同じ条件で走るわけではありませんので、内容は異なりますが、積み重ねによってウィークポイントも見えてくるものです。
特に今は、毎シーズン新しい補給用の食品やドリンクが出現していますから、レースで試してみるのも一つの方法かも知れません。ちなみに今回の北海道マラソンでは、それをやってみるつもりです。
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僕自身、次の大会でフルマラソン出場10回目となる、とはいいながらも、百戦錬磨のランナーからしてみれば、僕は駆け出しのひよっこみたいなものです。
フルマラソンへの挑戦を躊躇している皆さん、僕もそうでしたが、やる前から無理だ、と決めつけるぐらいなら、一度やってみて納得した方がスッキリすると思いませんか?
走っている時はひとりぼっちかも知れませんが、きっと周りには同じゴールを目指して頑張る仲間、同志がいるはずです。大丈夫、フルマラソンに挑戦する貴方の背中を、ゴールまで後押してくれる人はたくさんいますから!
思い切って一歩を踏み出してみると、世界観が変わりますよ。
さあて、今年はどんなドラマが待っているのかなあ。
・・・あ、10回目の記念というわけではありませんが、注文してしまいました!(予定通り、ではないですから。)