日別アーカイブ: 2011-12-01

残り2年となった。


極力仕事の話はこの場では避けようと思っていたのだが、ちょうど節目の時期だったので、今日は久しぶりに仕事の話をしようと思う。

新公益法人制度改革が平成20年12月1日から施行されてから、昨日で丸3年が過ぎた。

これまでの公益法人のあり方、優遇されていた税制が大幅に見直され、社団法人・財団法人(いわゆる「特例民法法人」)は、平成25年11月末までに公益法人へ移行するか、一般法人へ移行するか、いずれかの選択をしなければならず、更に、行政庁に対して移行認定、認可の申請を行わなければ、平成25年12月1日、つまり2年後の今日をもって「みなし解散」扱いとされてしまう。

この公益法人の制度改革については、財団法人日本相撲協会が公益法人への移行を目指すということで話題性も十分あるのだが、法人の動きは思った以上に鈍く、現在のところ国所管の法人においても申請件数は5割に届いていない。

公益法人改革、半数超が未申請 新制度移行残り2年

 2008年に施行された新公益法人制度をめぐり、旧制度からの移行対象となった国所管の約5千の社団法人と財団法人のうち、新制度への移行が済むか、移行申請中の法人は半数以下の約2400にとどまっていることが29日、内閣府の調べで分かった。

 13年11月末の移行期限内に手続きを完了しない場合は解散とみなされるため、内閣府は手続きを急ぐよう呼び掛けている。八百長など不祥事が相次いだ日本相撲協会や、多額の利益計上が問題となった日本漢字能力検定協会なども対象だが、両組織とも移行を済ませていない。

  【共同通信】平成23年11月29日付

では、青森県の状況はどうかというと、申請を予定している約350法人のうち、11月末現在で申請があったのは、90件超。5割どころか3割にも届いておらず、残り240件が、これから一気に申請に向けて動き出すということになる。

公益法人制度改革関連3法が施行され、誰もが踏み入れたことのない未知の領域に突如放り出された法人側にしてみれば、一体何をどう始めればよいのかわからず、混乱、困惑するのは当然の話。

しかし、法人側も混乱、困惑していれば、審査する行政側も混乱、困惑していたのも事実。

僕がこの業務に携わってから、昨日で1年8か月が経過したことになるが、実際この業務に就いた頃は、何が何だかワケがわからず、法人への応対はするものの、質問には答えられないわ、助言もできないわで、正直言ってボロボロだった。
そりゃそうだ、何せ行政庁がお得意とする「前例」がないのだ。グループそのものが昨年4月に新設されたばかり、そのグループにお呼ばれして着任したまではよかったが、法律だ税務だ会計だと、ちんぷんかんぷんなことばかり。

僕が異動した時は、法律の施行前後からこの業務に携わっていたエキスパートのSさんがいたので一年間を何とかしのいだが、そのSさんも今年4月の異動でいなくなってしまった。

前例がないなら前例を作るしかないんだ、と割り切って早1年8か月。まだまだ知識は浅く、正直言って適時適切な指導ができているというところまでは行かないが、それでも審査を重ねるうちに、ある程度の対応・助言をすることは何とかなっているのかな、と自負している。

また、当初懸念されていた審議会の運営も何とか軌道に乗り始めた先日、とある重大な事案が勃発し、こちらはこの期に及んでの軌道修正を迫られることになりそうだ。

がしかし、時間は待ってくれないし、法人側にしてみればそんなことは知った事ではない。

なので、僕たちは少しでも早期申請に向けたお手伝い(後押し)をしつつ、申請案件を早く審議会に諮り、法人の方々を安堵させなければならない。そういう役割なんだと思っている。

その一方で、この1年8か月の間に経験した苦悩や舐めさせられた辛酸、苦渋は数知れず。
前にもちょっとこぼしたのだが、一言に法人といってもその態様は種々様々である。

何度も聞き取りや打合せを行い、ようやく申請にこぎ着けたまではよかったのだが、移行後のビジョンをきちんと描けぬまま申請したため、申請の取り下げを余儀なくされる、という法人があった。

公益法人に移行した後は、認定基準そのものが移行後の遵守事項になるほか、会計基準についても20年基準を適用しなければならず、しかも事業報告のみならず事業計画も毎年度提出しなければならない。

公益法人への移行後は、税制面では大きな恩恵を受ける反面、法人の運営(ガバナンス)については、これまで同様あるいはそれ以上の内容を求められることとなる。事業報告はもとより、事業計画も提出しなければならないし、事業報告に至っては申請書みたいな内容をずーっと作成し続けなければならない。

そういうことからも、「公益法人に移行するより一般法人に移行した方が楽だ」という法人もあるようだが、一般法人に移行する際に作成しなければならない「公益目的支出計画」の内容を理解できず、苦慮している法人も多いと聞く。

また、申請前後における打合せにおいて、こちらからの「こうした方がいいんじゃないですか?ここを修正した方がいいと思いますよ。」という老婆心丸出しの助言・指導に対し、「何でそこまでする必要があるんだ?」と反論されたり、修正を拒まれるというケースもなきにしもあらず。

こういった事情から、法人側とコミュニケーションを取るはずが、険悪になったことも実際あった。

しかし、こちらも法人担当者も思いは一つのはず。
「審議会に諮りたい、諮って欲しい。答申決定したい、して欲しい。」

大体最後は双方の思いが通じて、無事審議会を通過した暁には、過去の軋轢なんてお互い水に流しましょう、ということになるのが普通だ。

審査するこちらとしては月末に行われる審議会に諮り、何とか答申決定して欲しいという一心で作業をしているのだが、ここで非常に重要なのが法人側とのコミュニケーションである。

こちらとしては別に法人に対して意地悪をしてやろう、なんていうつもりは毛頭無く(当たり前か)、審議会に諮りたい、答申決定して欲しい、という一心だけで申請書類の審査を行っている。

何せ審議会の答申決定がされなければ、いくら内容が素晴らしい申請書であっても認定・認可できない、というのが現状。しかも、いかにも行政にありがちな「てにをは」や申請内容の体裁にまでケチがつくことがある。(まぁ、これは電子申請のフォーマットが悪いんだと僕は思っている