日別アーカイブ: 2009-05-15

ETCはCO2削減に有用!?

お盆休みの平日、休日扱いのETC割引検討…国交相(読売新聞)

金子国土交通相は14日、土日・祝日に上限1000円に下げた高速道路の普通車料金について、「お盆休み期間中を休日扱いとすることも考えなければならない」と述べ、お盆休み期間の平日への適用を検討する考えを示した。

適用日を増やすのは、今年は8月15、16日が土日で、この2日間に高速道路の利用が集中すれば、ゴールデンウイーク以上の大渋滞が予想されるからだ。

この取組に向け、今年のGWの状況を分析するそうだが、8月までに間に合うのだろうか。
そもそも高速道の通行料金1000円均一は経済対策をメインとしたもので、ETCの助成制度はETCの普及を目的としたものであり、別物だったはず。ちなみにETCの助成について、財団法人高速道路交流推進財団が発表した大義名分はこうだ。

有識者で構成された「サービスエリア等資産譲渡代金の還元策に関する検討委員会」の報告、及び国土交通省からの「保有資産の還元策」についての要請に基づき、検討した結果、ETCの普及促進は渋滞を解消し、CO2の削減に非常に有効な手段であり、公益的な要素が大きいと判断し、当財団の保有資産を活用して、ETC車載器新規導入助成事業を行うことにしたものです。

しかし結果として、全く有効な手段ではなかった。
とりわけGWの高速道は、10キロ以上の渋滞が昨年比で倍増した他、スムーズに流れるはずのETCの料金所までもが混雑した結果、一般料金所の方がスムーズに流れるという皮肉を招いた。
渋滞を解消するはずのETCが大渋滞を招き、結果CO2の排出量も相当増えているはずだ。

金子国交相は「お盆の時期の混雑を緩和するために」高速料金1000円均一の期間を広げる、ということらしいが、だったらいっそのこと、この間はせめて1000円均一の通行料をとりやめ、電車等の輸送手段を利用するように仕向けることができないのかねぇ?
というか、盆や正月、GWといった時期に、どこの交通手段も一切割引なしの通常料金になるのが当たり前のご時世で、なぜ高速道路だけ1000円乗り放題が可能になるのか。
答えは多分、通常料金との差額は埋蔵金をはじめとする国の財源をぶつけることができるため。JRや航空各社には、こういったことで国の財源を投入することはまず考えられないことだし。

数値に表れていないので何ともいえないのだが、おそらくGW期間中のCO2排出量は、かなり増加したはずだ。
だったら、エコポイントの範囲を拡大して、「高速道の渋滞する時期に鉄道会社を利用して帰省や旅行をされる場合は、特別にエコポイントを付与します。」と銘打った方が、何となく聞こえがいいように思いませんか?

結局、そこまでしてでも高速道路を利用させたいのは、1000円均一の通行料により生じる不足財源を、民営化された道路会社に拠出するための方策なんじゃないのかな?

省エネ家電の購入に際してのエコポイントや、低燃費車などの減税など、一見環境にも配慮しているようだが、おそらく経済対策の各省庁の意思統一はちっとも行われていないはずだ。その中でも、いわゆる縦割り行政の最たるものが、環境にまるで優しくない高速料金1000円均一だろう。

しかもこのETC割引の制度が2年間限定だということは、意外と知られていないような気が…。そう考えると、結局目先のニンジンに踊らされてませんか?

まぁ、かたやエコだ何だと誇っている一方で、CO2の排出を助長するような1000円乗り放題って、やっぱりなんか国の施策が矛盾しているように思えるのは、僕だけだろうか。