日別アーカイブ: 2015-12-03

万年筆のこと


突然だが、僕は万年筆が好きだ。
初めて万年筆を手にしてみたのは、多分小学校に入学するかしないかの頃だったと思う。たまたま父が机上に置いていた奇妙な形をしたそのペンに手を触れ、何を思ったか僕は覚えたばかりの字を書き始めた。上手く書けず四苦八苦していたところに父が登場、こっぴどく叱られたことを朧気ながら覚えている。
あの日以来、「万年筆=持ったら叱られるペン」という印象をしばらく拭えなかったのだが…。

大学に入学した頃、初めて自分のお金で万年筆を購入した。確かパイロットの安物ではあったが、初めて「自分のもの」として手にした万年筆に優越感を覚え、その後も色んな場面で万年筆を走らせる機会が増えた。初めて購入した万年筆は、いよいよインク漏れが激しくなり数年前にさよならしたけれど、ひょっとしたら修理でもう少し長く使うことができたかも知れない、と回顧している。

最近では雑誌の付録として万年筆が登場することも多くなり、ついつい色んな雑誌の付録に食指を伸ばした結果、気がついたら手元には5本以上の万年筆がある。
とはいえ、そのうち実際に使っているものは2~3本のみ。なので、うっかりするとインクカートリッジのインクが蒸発又は固形化してしまい、何も書けなくなった、ということも少なくない。まあ、そうなってしまった場合はインクカートリッジを取り出した上で、ペン先をぬるま湯に浸すという作業を行えば、再び使用可能になるのであまり気にはしていないのだけれど、ぬるま湯に何度も浸す作業は万年筆そのものの劣化、つまり耐用年数の短縮を招いていることだろう。

ちなみに実際に使っている中でも使用頻度が高いのは、LAMYのサファリ(2015年限定色のネオンライム)と、無印良品のポケットアルミ万年筆。というか、この2本があれば他の万年筆は正直言っていらないぐらいなのだけど。

LAMYの万年筆については、胴体の一部が空いていて、中のインクの量が確認できるのがいい。手にしてみるととても軽いし、とてもチープに見える。それに、若干太めに見えるので日本人の手には馴染まないのかな?と思ってキャップを外すと、指がかかる部分2か所が窪んでいて、長時間使ってもあまり疲れない。インクの量も安定していて、何よりも、ペン先の太さを選べるのが嬉しい。ちなみに私、一番細いペン先を使っております、ハイ。

一方、無印良品のポケットアルミ万年筆(以下敬意を込めて「ポケ万」と呼ばせていただく。)は、メモ帳やスケジュール帳でもペン先を走らせる機会が多く、元々小物に偏りがちな僕の嗜好とも相まって、重宝するアイテムの一つとなっている。(実のところこちらを使う機会はLAMYと比べてもかなり多い。)

そもそも比較すること自体がナンセンス、と怒られそうだが、やはり雑誌の付録についている万年筆とこれら2本、根本的に書き味が違うのである。ペン先を走らせるときに引っかかりがないというか、なめらかな書き味ってきっとこういうことなんだろうね、みたいな。そういう点からすると、書き味に関して僕の中では、

LAMY >>> ポケ万 >>>>>>>>>>>> 雑誌の付録万年筆

ぐらいの差があると思っている。

元をたどるとこのポケ万は「OHTO Tasche」のOEMらしく、OHTOのそれと比較検証しているサイトも幾つかあるようだ。そこでも書かれているけれど税抜き1,500円という価格設定は、この手の代物にしては「ん?」ということのようだが(要するに高い)、そもそもこういった万年筆がないことを考えると、まあまあ妥当な価格なのではないかと僕は割り切っている(ちなみにOHTO Tascheは、税抜き1,000円だったらしい。)

ただ、当たり前のことだけれど、アルミの質感をそのまま残しているため、キャップを本体軸の反対側に装着するとき(装着することで、普通の万年筆と同等の長さとなる)などは、アルミ独特の感触が手にも耳にも伝わってくる。そして、使用しているうちに、アルミキャップを反対側に挿入した際に、ペン先の反対側(胴体の頭となる部分のみ)がキャップと一緒に取れる、という惨めな事態に陥ることもある。(ちなみに私のポケ万は、胴体側の頭の部分が取れます。)

使用可能なインクカートリッジについては、雑誌の付録万年筆は欧州共通規格のショートタイプ、主なものとしてモンブランのインクカートリッジあたりが適合する模様。LAMYは完全に独自路線だけれども、カラーが豊富。

ポケ万も、一見すると欧州共通規格なので、モンブランのインクカートリッジも大丈夫…と思ったら、何と合わない。
本当にコンマ数ミリ単位の差だと思うのだが、胴体の頭部分のねじが収まらないという悲劇。
色もデザインも自分にピッタリだと思って購入した衣装が、サイズが小さくて入らない、ぐらいの衝撃。

ちなみに、日本製の万年筆は全て独自路線。パイロット、プラチナ、セーラー、いずれも互換性はないみたい。まあ、今となって共通規格を期待するのは無理だろうね。

前述のとおりポケ万のインクカートリッジは、欧州共通規格が微妙に適合しないことから、一番いいのは無印良品で販売されている2本100円(税抜)のアルミ丸軸万年筆用のインクカートリッジ、ということになるのだけれど、正直言って割高感は否めない。(というか、無印良品という名のブランド化が進んだことで、割高な商品も決して少なくないと感じるのは、僕だけではないと思うんだけど。)
だったら、最初からOHTOのインクカートリッジを買えばいいのだ。6本200円(税抜)。こちらの方がはるかにお買い得。(裏を返せばこれ、雑誌付録の万年筆のインクカートリッジとしても使えるということに。)

さてこのポケ万、一時期店頭から姿が見えなくなっていたのだけれど、最近パッケージも新たに無印良品の店頭に並んでいるのを見かけた。
留意しなければならないのは、同じ規格、サイズ、パッケージで、シャープペンシルとボールペンも販売を開始しているということだ。
4934761849706_400

4934761849713_400

4934761849720_400
パッケージの裏に商品名が書かれているので、万年筆だろうとシャープペンシルだろうとボールペンだろうと、そこはしっかり確認して購入した方がいいし、キャップを装着したままこの3つを並べると、どれが何だかわからなくなるので要注意。

ということで、ここ最近のイチオシ万年筆のご紹介でした。では。