月別アーカイブ: 2016年1月

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#私ヲ構成スル9枚 #俺ヲ構成スル9枚
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●初めて自分のお金で買ったレコード
渡辺美里「Lovin’ You」
中学生の頃に聴いたラジオで渡辺美里という名前を知り、その歌声に惚れました。eyesというアルバムが発売されたことを知りました。お金がありませんでした。レンタルレコードで初めて彼女の音楽に触れました。直後に「My Revolution」が大ヒット。そして発表されたアルバムは、なんと2枚組。なんか、ブレイクしたからこのアルバムを買いました!みたいに思われるのは本意じゃないなあ、と思いましたが、居てもたってもいられず初めて自分のお金で買ったアルバムです。

●初めて衝撃を受けたCD
岡村靖幸「DATE」
山下達郎がプロデュースした鈴木雅之のアルバムが発売されるというので、浩さんのお店へ。しかし、店から出てきた時に手にしていたのは、なぜかこのCDでした。岡村靖幸なんて別に好きじゃないのにな…。このアルバムを購入した伏線は、先の渡辺美里に提供した「19才の秘かな欲望」のカバーが収録されているという、それだけのこと。ちょうどこの前にプリンスで度肝を抜かれ、「和製プリンス」を自称する彼がどんなものなのだろう、と買ってしまった、というのが実のところ。家に帰って正座して聴きました。高校で、拡散しまくりましたよ。「このアルバム、凄い!」ってね。

●初めて自分のお金で買ったCD
TM NETWORK「humansystem」
これも渡辺美里つながり、そして同じEpicレコードの所属というつながりで聴き始めたTM NETWORK。お金を貯めてDENONのCDプレーヤーを購入、それに合わせて購入したCD、というかたまたまそのタイミングで発売されたアルバムがTMのアルバムだったんですね。「KISS YOU」の別アレンジが衝撃的でした。

●初めて買った輸入レコード
Anita Baker「Rapture」
高校生の頃、浩さんのお店にはお金もないのにホントによく足を運んでいて、レコードのジャケットを見るのが楽しくて仕方ありませんでした。ちょうどその頃お店には輸入盤も並んでいて、欲しいなあ、と思ったレコードが何枚かありました。その中で手にしたのがAnita Baker。普通ならね、ロックンロールだなんだとはしゃぐお年頃のはずなのに、初めて買った輸入レコードがこれですよ。
おませなクソガキだったことを匂わせる片鱗です。

●初めて聴いたプリンス
Prince and the Revorution「Parade」
中学~高校の頃はFMのタイムスケジュールが載った雑誌が普通に販売されていて、僕もFM Stationという雑誌を毎号購入してエアチェックしていました。大嫌いだったプリンスを初めて聴いたのは、クロスオーバーイレブンというNHKFMで23時から放送されていた番組で流れた、「America」という曲の22分を超える音源。単なるループなんですが、こいつ、面白いことする奴だなあ、と。そして「Kiss」が発表され、衝撃を受けました。何?これ!と。この曲が収録されたアルバムを貸してくれたのは盟友ダッチ。これも部屋で正座して聴いたなあ。ここから僕のプリンスはスタートしています。実は遅まきなのです。

●初めてエロいと思ったCD
George Michael「FAITH」
Wham!を解散してソロ活動を本格化させたGeorge Michael。この頃は飛ぶ鳥を落とす勢いでした。「I WANT YOUR SEX」という楽曲のタイトル、そしてPV。エロくておしゃれなアルバム、今でも古さを感じさせないアルバム。同名タイトルのVHSビデオ(PV集)も購入しましたが、なんといってもこのアルバムに収録されていた「Monkey」がシングルカットされる際に、Jam & Lewisの手によってメッチャクチャ恰好いいサウンドにアレンジされたことに、感動しました。

●初めて涙が出た音楽
Luther Vandross「Best of」
これもクロスオーバーイレブンで初めて聴いたのですが、Luther Vandrossの「Here and Now」という曲を聴いたとき、琴線に触れてしまったのかなぜかポロポロと涙が…。音楽聴いて泣くなんて…と思いましたが、ちょうど大人になりかけたころに聴いたこの曲に、深い感銘を覚えました。この曲が収録されているアルバムは、なんだ?と血眼で探しました。またしても2枚組でした。でも、買ってよかったです。この後も、彼のベストアルバムは何枚発売になったかわかりませんが…。
しかし今となっては本当に惜しい人を早くに失いましたね。

●初めてオシャレだと思った音楽
佐野元春「Cafe Bohemia」
これは畏友ザワ先生の家で聴いたのが初めてだったかな。佐野元春はVISITORSとこのCafe Bohemiaで、アルバムに収録された曲から12インチシングルをリカットするということもやっていて、いろんな意味で聴きごたえがありました。
全体的に統率が取れていて、最初から最後までオシャレだな、と思ったアルバム。
このアルバムと角松敏生の「T’s 12inches」は今でも本当に好き。

●初めてハマったBabyface
Babyface「Ternder Lover」
秋田にTower Recordsがあって、当時輸入盤をなかなか手にすることのできなかった僕は、従姉に購入をお願いするということまでやっていました。その従姉にお願いをして購入してもらったこのアルバム、先に開封して聴いた従姉が絶賛。このアルバムは確か先にNHKFMで全曲オンエアされたのを聴いたんだったかな?これも初めて聴いて一目ぼれならぬ一聴ぼれしたアルバムでした。

岡村靖幸「幸福」

覚せい剤取締法違反による3度の逮捕歴。ファンであれば、この事実を受け入れざるを得ません。普通の社会であれば、完全に「アウト」。社会的地位も名誉も失い、路頭に迷った挙げ句、再犯を繰り返す…。
さすがに3度目の逮捕の知らせを耳にしたときは、そんな暗澹とした青写真を想像したファンの方も、多かったのではないかと思います。いや、少なくとも僕はそうでした。心底呆れ、こんなファンを「不幸」にするヤツなんて、見限ってやる!ってね。

でも…結局見限ることができませんでした。

そして、刑期を終えて出所した2010年以降、彼の名前を再び目にするようになりました。
まるで何事もなかったかのようにライブハウスでのツアーを再開、ネット上で「パラシュート★ガール」のデモ音源や「ぶーしゃかLoop」なる過去に発表した楽曲の歌詞を繋ぎ合わせたサンプリングのような音源を発表するなど、じわりじわりと活動のペースを上げはじめ、2枚のリアレンジアルバム「エチケット」の発売、更にはシングル曲の発表と続いていきました。

シングル曲は、どちらかといえばポップでキャッチーなナンバーで、他のアーティストともコラボレーションするなど、最初から最後までセルフワークで作品を生み出すという独創的なイメージを払拭するような取組が続きました。
やがてライブハウスでのツアーだけではなく全国ツアーも始まり、かくいう僕も2014年に行われた全国ツアー「むこうみずで いじらしくて」の最終公演を観る機会を得ました。
こうなると否応なしにアルバムへの期待が高まっていたわけですが、それはそれは本当に突然の発表でした。
2015年11月15日付け朝日新聞の全面広告で、1月27日に「幸福」というタイトルのアルバムが、何と11年ぶりに発表されること、そして、オフィシャル通販の限定商品として、完全受注生産のデラックスエディションが発売されるという内容、更には春から全国ツアーが始まることが掲載されました。

しかし、それ以降アルバムに関する情報は一切なし。昨年12月に公式サイト上でツアーチケットの先行販売が行われ、いよいよ2016年1月となっても、全く情報が出てきません。
私事ながら自分の誕生日の2日前が発売予定日なので、勝手に自分自身への誕生日プレゼントと決めていたのですが、さては発売延期か?と半ば諦めていたら、1月25日に「発送のお知らせ」メールを受信。
それでもなお、一切情報はなし。アルバムに収録される楽曲のタイトルはもちろん、何曲収録されるのかも不明。それは、実際に作品を手にしてみなければ分からない、ということに。
しかも、今回のアルバムに関しては今のところデジタル音源での発売を予定していないとのことで、もしもiTunesをはじめとするデジタル音源の発売を待っている人がいるのならば、しばらくは待っても無駄みたいよ、ということだけ一応お知らせしておこうと思います。

さて、配達日厳守で届けられたそれほど大きくないダンボール箱に収められていたのは、白いボックスに赤字で「幸福」と書かれた限定ボックス。当然の話ですが11月15日の新聞広告に掲載されていたものと全く同じものに、CDと写真集(台北日記)とDVD(平熱大陸)が収められていました。(完全受注生産なので、当然のことながら一般の販売はされていません。オークションでは既に3万円超もあるらしく…)

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写真集とDVDの内容は敢えて割愛し(そのうちレビューするかも知れませんが)、ここではCDに特化したお話しを。
まあ、シングルが既に4枚も発売されている状況下でのアルバムだし、これまで発売されたアルバムのことを考えても、収録曲数、時間はそれほど期待はできないんだろうな、と思っていました。
事実、蓋を開けてみたら収録曲は9曲、うち何と6曲が既に発表されている曲(シングル4曲、カップリング1曲、そしてなぜか「ぶーしゃかLoop」まで収録されているという…)で、ホントの意味での新曲は3曲のみ。
正直言って、あちゃあ…これはきっと評価下げるなあ、と思って聴いてみたところ、これがまたどうしてどうして、といった感じでして、一枚のアルバムとしてちゃんと仕上がっているんですね。というかむしろ、かなり好きかも知れません。
デビューして数作続いたちょっとエロ路線の楽曲は鳴りを潜めてしまったものの、全体的に統率感があるといえばいいんでしょうか、かなりオシャレな感じです。まさに、このアルバム一枚だけでかなりの幸福感を味わうことができます。

シングル曲が明るくポップな曲調だったので、アルバムの最初を飾る新曲「できるだけ純情でいたい」のミディアムスローな切なさが、妙に響きます。この1曲を聴けただけでも、ああ、アルバムが発売されて本当に良かったな、と思ってしまいました。続く新曲「新時代思想」は、岡村節炸裂と言えばいいのでしょうか、前作(というか個人的にはものすごく忌々しい記憶しか残っていない)「Me-imi」に収録された「ア・チ・チ・チ」にも似たラップ調で、相変わらず独特な歌詞が面白いです。シングルで発売された「ラブメッセージ」を挟んだ4曲目の「揺れるお年頃」も新曲。もうね、タイトルだけで相変わらず青春しているんだなあ、と。でも、今年51歳なんですよ岡村ちゃんも。51歳のオッサンが「揺れるお年頃」って、出るところ間違えれば捕まりますよ…いや、もう捕まることだけは勘弁して欲しいんですが。
で、新曲は1,2,4曲目のみで、5曲目以降は既にシングルとして発売された曲などが続きます…が、なぜか飽きない。全く飽きない。多分、これからもずーっと飽きない。
最後に収録された「ぶーしゃかLoop」、確かにライブでも披露していましたが、ハッキリ言ってこれはアルバムに収録する楽曲じゃないでしょ…と思ったら、何と手を加えていました。それも、かなりのアレンジ。これは聴いてみてのお楽しみ、ということで。まあ、岡村ちゃんファンなら皆さん御存知なので敢えて触れる必要はないのかも知れませんが、公式サイトからはオリジナルのバージョンと言いましょうか、フルとショートの二種類の「ぶーしゃかLoop」をダウンロードすることができます。

岡村靖幸 | YASUYUKI OKAMURA

1 できるだけ純情でいたい
2 新時代思想
3 ラブメッセージ
4 揺れるお年頃
5 愛はおしゃれじゃない
6 ヘアー
7 ビバナミダ
8 彼氏になって優しくなって
9 ぶーしゃかLOOP

途中色々あったとはいえ、この20年間で発表されたオリジナルアルバムが2枚。これはこれである意味凄いと思うし、もうデビューから25年以上経ってもなお色褪せない「純情で青春しちゃう讃歌」は、彼にしかできない芸当のような気がします。
5月の全国ツアーでは、このアルバムを引っさげて再び青森にやって来ます。僕にとっては2年越しとなる岡村ちゃんとのDATE、今から5月が待ち遠しいです。

45歳、初日。

不惑といわれる世代に突入して早5年。45歳の誕生日。四捨五入すると50歳。
正直、自分が45歳の誕生日を迎えることを想像したことがなかった。

他人事のように、客観的に見た45歳のイメージ。
中年。オヤジ。オジさん。オッさん。
…まだオジーさんじゃないだけヨシとするか。

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(オジーさんといえばこの人、オジー・オズボーン)

昭和46年1月29日、僕はこの世に逆子で生まれてきた。どうやら生まれた時からひねくれていたらしい。
母によると、臍の緒が首に絡まっていたため、全身真っ黒の仮死状態で生まれ、尻を叩かれてようやく堰を切ったように泣いたそうだ。
程なく、母方の祖父が僕の斜頸を見抜いた。治療のため、しばらく病院通いが続いた。無理繰り首を引っ張られて泣き叫ぶ姿を、母は見ていられなかったという。ちなみに、写真を撮影すると、今でも多少その名残があることを、今だから明かそう。

生まれてこれまで、何か大きな足跡を残したことはないし、記録に残るような大層なこともしていない。でも、それでいいと思う。日本人はやたらと平均とかを気にして自分と周りを比較したがるけど、そんな枠ばかり気にするつまらない生き方だけはしたくない。

記録より記憶に残るような人間、それが僕の目指す理想の人物像。
最後は、みんなから感謝されながら、ありがとうと言われながら黄泉へと旅立つのが、最大の夢。
だから、自尊心だけではなく、他尊心も大事にしたい。

幸いにして僕は、本当に家族や友人、仲間に恵まれた。
僕を生み、育ててくれた親に、ありがとう。
色々苦楽を一緒に見てきた妹に、ありがとう。
気がついたら20年、付き合い始めてから4半世紀以上も側にいる妻にも、ありがとう。
見守ってくれた爺ちゃん婆ちゃん親戚の皆さんにも、ありがとう。
これまで切磋琢磨してきた友だちに、ありがとう。
骨を拾い上げるまで心友で居続けるであろういつものメンバーに、ありがとう。
それぞれの目標のために高みを目指す仲間に、ありがとう。
それぞれの地域のために頑張り続ける同志に、ありがとう。

45歳。さすがにもう人生は折り返しちゃったかな。

他人から後ろ指を指されるようなことをしないよう、謙虚に生きていこうと思います。
でも、どうせなら他人が羨むような、格好いい年の取り方をしたいと思います。

皆さん本当にありがとうございます。
45歳になっても少年マカナエの心持ちは何も変わりません。

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TPM第2回写真展「記憶録」に出展して

大皿に盛られた刺身。真鯛やヒラメ、海老に本マグロなどが並ぶその底に敷き詰められた大根のツマと、刺身の間に挟まった、緑色の「ばらん」。そして、花形に切り取られた人参の上に添えられた、ワサビ…。

TSUGARU PHOTO MEETING(TPM)という写真(カメラ)好きの同好会があり、昨年からそちらに参加させてもらっています。
僕がそもそもデジイチ(一眼レフのデジタルカメラ)を手にしたのは約4年前。妹が結婚披露宴を行うことになり、その際、せっかくの晴れ姿なんだから少しいいカメラで撮影してやろうじゃないの、と思い立ったのがきっかけでした。
とはいえカメラに対する知識なんぞまるでなく、「Canon EOS kiss X50」という初心者・入門者向けの廉価版カメラの更にB級品(中古品ではなく、あくまで初期不良の整備品)を発見し、何とレンズ込み約3万円で購入。しかし、結局披露宴ではほぼ全て「オート」モードで撮影するという有様で、全く機能を使いこなすことができませんでした。
程なく、デジイチよりスマホの方が画素数が高いという逆転現象が始まりましたが、それでもなおこの4年間、ずっとX50だけで撮影してきました。僕の知識や技量では、これぐらいのカメラがちょうどいいのだと思います。
この間、ランニングクラブでの撮影頻度がどんどん増えることとなり、やがて標準装備のレンズを売却し、新しいレンズを3本購入。今のところは「沼」に足を踏み入れることなく、ここでとどまっているという状況です。

その後も、スマホで撮影した画像をInstagramに投稿してみたり、通勤途中で色んな被写体を撮影してみたりと、片手間で撮影をする機会を作っていました。

何かを伝えたいというよりも、その時その時ハッと目に留まったものを「切り取る」。そしてそれをFacebook等にアップし、反応を見る。こうして、「ただ漫然と撮る」から「構図を考えて撮る」ことを意識するようになり、撮影を楽しんでいたのですが…。

昨年の9月頃でしょうか、今回の写真展のディレクターを務めたHさんから直々にメッセージがあり、「ところで今度、写真展に出展してみない?」というお誘いを受けました。
カメラの性能もさることながら、大した技量も持たない僕が写真展に出展?いやいや、最初は軽い冗談なんだろうと聞き流していたのですが、どうやらHさんが本気で出展を求めていることに気づくまで、それほど時間はかかりませんでした。

「テーマはあってないようなものだから、何でも自由でいい」とはいうものの、さて…何をどうしたらいいんだろう。頭を悩ませつつカメラ片手に庭へと出てみます。

あ…。
雨上がりの庭は、まだ濡れていました。その中で見つけたワンシーン、何枚か撮影する中で「これは!」というのを一枚「切り取る」ことができました。いや、実は焦点を合わせるという練習をしている中で撮影されたものなんですけどね。
「黄葉の滴」

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当初は「黄葉の泪」という仮のタイトルを付したこの作品、滴の位置が中心ではなかったのですが、周りの紅葉のおかげで、たまたま引っかかっていた黄葉が光っているような感じに見えたため、出展決定第一号となりました。そしてこの作品、今だから明かしますが実はコントラストを際立たせたくて、少し赤みを強くして出展しました。

もう一枚何かないかな…と思ったときに、ハッと思いついたのが今回の作品展のタイトル「記憶録」でした。
そうか!僕だけじゃなくてみんなの「記憶」として残しておきたいものを投稿すればいいんだ!
…ふと浮かんだのは、昨年曳屋をした弘前城、弘前公園のさくら、ねぷたまつり、そして、建物の中に移動した「Memorial Dog」。
弘前城やさくらのネタは、誰か投稿しそうな気がするし(しかし実際のところ弘前城そのもののネタは皆無でした)、僕の手元には何の面白みもない画像ばかり。それに、ねぷたまつりは当たり障りのない画像しかない….。さて困ったぞ、と路頭に迷いかけたとき、春先にチョコ(ミニチュアダックスフント・♀9歳)を引き連れて、吉野町緑地公園で遊んだことを思い出しました。

チョコが車椅子のお世話になってからちょうど8年が経ちます。僕がカメラを構え、妻が僕の背後から呼ぶという作戦で撮影された一枚。多少ボケているのですが、それも僕の技量なのだと割り切るようにしました。背景にいるMemorial Dogがこの場所に戻ってくることはないようです。そういう意味でも、上半分の光景をみんなの「記憶」にとどめていただきたいという思いから出展を決意しました。(この時点で僕のテーマは、「記憶の共有」に固まりつつありました。)

チョコが元気に走ってくる姿から、タイトルは「躍動」に決定。

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ちなみにチョコが車椅子のお世話になる伏線として、とにかく飛び跳ねることが好きだった、ということが挙げられます。同じ犬種を飼われている皆さんはもちろん、他の犬種を飼われている皆さんも、飼い犬のジャンプには本当に気をつけた方がいいです。

第2回の写真展が開催されるに当たり、今回お手軽なスマホ部門も新設されたというので、そちらにも出展してみることにしました。お手軽といっても、最近のスマホの性能は侮れません。画素数でいえば、イチデジよりスマホの方が能力は上ですから。ということでスマホからの一枚は、こちらもMemorial Dogと一緒に撮影されたハナ(雑種・♀16歳)の写真。朝の散歩の時に、スマホ片手、散歩紐片手に撮影したもの。

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同じ方向を見ていて、まるで何か指示を受けてその方向を向いたようにも見えたので、「先輩と私」というタイトルにしました。これも今となっては撮影することのできない一枚です。いや、ハナがいなくなったんじゃなくて、Memorial Dogがここにいない、ということで。そういう意味ではご覧になられた皆さんの「記憶」にとどめていただくことができるのではないか、と。

もう一枚スマホ画像を出展しようと思っていたのですが、実は悩みました。「黄葉の滴」を撮影した同じ日に撮影した「落葉サラダ」という作品を出展しようと思い、ずっとそのつもりでいたところ、実際に印刷してみてふと気づきました。

地味すぎて画に華がない!
だったらもう少し奇をてらった作品の方が面白いな…と考えたところで思いついたのが、ランニングクラブのみんなで岩木山神社までの長距離ランを行った際に撮影した、シューズの輪。これならクラブの皆さんに対する写真展の宣伝にもうまく使えそうだし、何よりもこの時岩木山神社まで走ったことがみんなの「記憶」として蘇ります。そしてきっと、会場に足を運んでくれる仲間も喜ぶはず!と考え、差し替えることにしました。タイトルは「The Circle of Friendship」、要するに「友だちの輪」ですね。

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出すと決めた以上は腹をくくろう。ということで、一般部門2枚とスマホ部門2枚に出展。
…そしていよいよ、1月21日から4日間、弘前市百石町展示館での展示が始まりました。

TSUGARU PHOTO MEETING 第2回写真展「記憶録」

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平日の日中は青森市での勤務、土曜日午前は違うカメラのお世話にならなければならないというやむを得ない事情(ピロリ菌と胃がん検診のため、胃カメラを挿入していました)で、結局会場に足を運ぶことができたのは23日の夕方でした。玄関をくぐると、TPM代表のNさんが出迎えてくれました。そしてまず目に飛び込んできたのは、スマホ部門の写真。おっ!あるじゃないですか、それも2枚並んでる!

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しかし、スマホ部門を過ぎて現れる1階に飾られた一般部門の写真の一つ一つがとてつもなく美しくかつ荘厳で、未だに見ることのできない自分の作品(その時点で2階にあることだけは確信しました)が、どれだけショボいかは想像に難くない状況に…。穴があったら入りたい、とはまさにこのことをいうのでしょうか。
恐る恐る階段を登り2階へと進むと、僕を誘ってくれたHさんがいました。自分の作品がどこにあるかは別として、まずは皆さんの作品を一つ一つゆっくり眺めていきます。
何なんだ、この圧倒的な迫力は…。

そして左手に進み、壁伝いに作品を眺めていたところで、見つけましたよ僕の作品を…。

が、柱の角に頭を打ち付けた直後にテーブルの脚に脛をぶつける、みたいな衝撃。
ああっ!ホント恥ずかしい!今すぐここから自分の画像だけ剥がして「ごめんなさい!」って叫んで持ち帰りたいぐらいの気分でした。

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冒頭での刺身の大皿の話、例えていうならば僕の作品は「ばらん」。ヒラメと本マグロの間に挟まれた、言わば喰うに値しないワンクッション、みたいな…。

他のブースでは皆さん足を止めて真剣に画像に見入っているのですが、我々のブース(弘前公園RCのメンバーの画像が3人×2作品並んでいたのです)では、ほとんど誰も足を止めることもなく、ほぼ素通り….。

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まあ、それだけ皆さんの心には響かなかった、ということなのでしょうか。妙に虚しかったけれど、それを打ち消すほどの技量があるわけでもないし。(でも、それは僕の大いなる勘違いだったんですよね。そしてそのことに、翌日気づくことに…。)

やりきれない気持ちを抱えたまま再び1階に足を運び、気になった画像をじっくりと眺めていると、撮影されたSさん(初対面でした)が話しかけて下さいました。どういう撮影シチュエーションだったのか、どんな加工を施したのか、色々お話を聞きながら、なるほどただそのシーンを切り取るだけでもダメなのだな、と思ったのでした。

その後TPMのメンバーによる懇談会にも参加しましたが、「人見知りと変態の集まり」を標榜するだけあって、まあ個性的な方が多いこと多いこと。
でも、色んな話を聞くことができたし、何よりも、思わず落涙してしまうような本当に凄い出会いがあり(この話はまた日を改めて投稿します)、懇親会に行って良かったなあ、何だかんだ言っても出展して良かったなあ、と心の底から思ったのでした。

最終日は自分の用事を諸々済ませ、16時前に展示館に足を運びました。この日は、出展した仲間3人で集合写真を撮影してもらおうという話になっていて、会場を訪れたところ、日曜日の午後とあってか前日とはお客さんの数が全然違っていました。

しかし、相変わらず我々のブースは「通過点」になっていました。

…が、よく見ていると何人かの方が足を止めて僕の撮影した画像を凝視しています。それも、圧倒的に女性が多い。さて、何を見ているんだろうと思ったら気づきました。チョコの車椅子をじーっと見ているんですね。

「その車椅子、2万円ちょっとしたんですよ…。」

居ても立ってもいられなくなり思わずそう話しかけると、振り返った女性の方が僕の話に乗ってきました。
「このワンちゃん、今も車椅子なんですか?」「ええ、もう8年ぐらい車椅子ですけどね。」
で、車椅子のお世話になることとなった経緯をお話しすると、ハッと目を見開き、「あっ!うちの子も…」と驚きます。
「ワンちゃんのジャンプするクセ、気をつけた方がいいと思いますよ、本当に。この子みたいにならないようにするためにも、是非気をつけてください。」

「ありがとうございます。」

…そうか、皆さんが素通りするのは、この画像から伝えたいと思った背景が、撮影者本人の口からちゃんと伝わっていないからなのか。今回全く在廊せずに、他のメンバーの方々のお世話になりっぱなしだったのですが、少しでも在廊して撮影の経緯等をお話しするだけでも、きっと足を運んでくださった皆さんの心のどこかに、この画像を記憶として留めてもらえたのかも知れないなあ、と反省したのでした。

親子連れ
(実際、ご覧になっている方もおられたわけで。Fさんから頂きました。一部加工)

その後、同世代3人(というかランの仲間)揃い踏みで、集合写真を撮影。(「アスリート横綱三人衆」として紹介して頂きましたが、私はせいぜい露払いといったところです、ハイ。しかも、妙に腰が浮いています。)

ちなみに、各人の頭上にある2作品が、それぞれ出展した作品です。ディレクターのHさんには「新しい風を吹き込んだ」とお褒めの言葉を頂きましたが、本人たちの心中やいかに?(3人ともに「勉強になりました…」という言葉が出てきました。)

そろい踏み

そしてこの日、スタッフとしてお手伝いされていた他のメンバーの方々から、撮影に係る裏話や撮影のテクニックなどを色々聞かせていただきました。本当は18時までいたかったところでしたが、別件があったためスタッフの皆さんにお礼を伝えながら、17時過ぎに会場を後にしました。
これが今回初めて写真展に出展した経緯と経過と結果です。

さて、ボツになった(ボツにした)画像が何枚かありまして、せっかくなのでそちらもご紹介したいと思います。いずれもFacebookでは既出のものばかりですが。

(1)碧いタナバタ

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7月の沖縄で撮影した一枚。青い海が眺望できるホテルのロビーに、七夕の笹の葉と短冊が飾られていました。
でも、時期や場所のことを考慮したときに、ここから振り返ることができる「記憶」は僕にしかないな、と思いボツに。

(2)落葉サラダ

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自宅の庭でスマホで撮影した一枚です。画像を一見するとカラフルで面白いなあ、と思っていたのですが、実際に印刷してみたらまあ、地味なこと地味なこと…。多分、下地の緑の色が深すぎたんでしょうね。残念。

(3)鏡

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こちらもスマホで撮影。青森ベイブリッジの橋脚が水たまりに映っていたところを捉えた一枚です。が、何かこれもありきたりというか、響くものがなかった。もう少し水たまりが大きければ…と思いましたが、ボツ。

(4)さくら色の朝

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独り朝練の際に撮影した、弘前公園での一コマ。これを撮影したくて早朝4時に起床、4時30分に練習がてら弘前公園まで走っていったことを「記憶」しています。さくらの写真は前の展示会でのネタだったなあ、と思い、出展をやめました。

(5)Dive into The Sky

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深さ10センチの水遊び場に「NO DIVING(ダイビング禁止)」の文字。でも、水面に映る雲を見ていたら、空にでも飛び込みたくなるよね?と思った一枚は、7月の沖縄で撮影しました。最後まで候補にしていましたが、悩んだ挙げ句こちらも旗を降ろしました。

僕が持っているカメラは、前述のとおり古いし全然大したことのないカメラです。レンズも安物です。いいレンズや高性能の本体、装備があれば、それはそれで素晴らしい作品を生み出すことができることでしょう。(ハッキリ言ってこれ、半分嫉みです。)

…でも、本当にそうなのだろうか、という疑問も湧いてきました。

安価で性能が劣るようなカメラから、思わず息を飲むような画像、色んな人の心を揺さぶるような画像を撮影することができたら、それはそれでどんなに嬉しいことだろう…。今回出展してみて思ったこと、感じたことは、そんなところです。
今回、初めてお目にかかったメンバーの方々から色々なお話しを聞かせていただく中で、機材に頼らなくともいろんな技があることも知りました。今のところカメラに没頭するつもりはありませんが、もっともっと技量を高めないと、次の出展は恥ずかしくてできないと思いました。

ということで次の機会があれば、大皿に盛られた刺身のヒラメや本マグロを目指すのではなく、敢えて「刺身醤油」を狙いたいと思います。その心は、「うまい刺身の引き立て役」。ちなみに大皿は、今回の写真展そのものです。…って、写真展の皿から外れてるじゃん。ダメじゃん。

今回の出展に当たり、懇切丁寧にアドバイスをくださったHさんをはじめTPMのメンバーの皆さん、そして御来場いただいた皆さんに重ねてお礼申し上げます。

こういうきっかけを与えてくださって、本当に本当にありがとうございました。

最後に、「冗談かと思いました」という僕の言葉に対する、Hディレクターからの一言が胸に響いたので紹介します。

本気でやってる人はいつでも本気で言っている。」

(E)na

弘前公園RC新年会の動画制作裏話

弘前公園ランニングクラブに参加してから4度目の新年を迎え、気がついたら恒例の新年会も「参加する方」ではなくて「盛り上げる方」に回ることに。
2015年を迎えるに当たっての年末年始は9連休ということで、かなり自由なことをすることができたのですが、その中で一つ取り組んだのが、ランニングクラブの新年会で流すスライド(動画)の作成。Facebookに投稿された土曜朝の練習後の集合写真や、メンバーが撮影した大会の画像、そして飲み会の画像など、「朝練」「大会」「オフタイム」のジャンルに分けて3本の「動画」を作成しました。
誰に頼まれたワケでもなく、何の気なしに作成してみたのですが、これが我ながら結構いい出来に仕上がりました。
音量の問題とか色々課題はありましたが、いざ新年会で流してみると、比較的好評を博した感があり、ああ、作ってみてよかったな…と思ったわけです。

あれから1年。
2016年を迎えた年末年始は6日間しか休みがなく、しかもそれなりに忙しかった!今年も新年会があることは知っていましたが、新年会の代表幹事であるNさんからの「マカナエさん、スライドお待ちしています」の声には極力耳を塞ぎ、2016年は「参加する側」に回るぞ!と思っていたのですが…。
8日の夜にふと思い立ってPCを立ち上げ、Facebookページに投稿された画像を眺めます。年間を通して500枚を優に超える画像の中から、絶対に外せない画像をチョイスしてダウンロードし、順番にナンバリング。あとは、自分で撮影した画像と、タイトルのテロップやマラソンランナーの名言などを加工して画像化したものを間に挟み、繋ぎ合わせていくというだけの単純作業なのですが、例えば1枚の画像を何秒間映し出すのが適当かといった調整や、BGMの長さも考慮しながら編集しなければならないということで、ひとまず全体像を作り上げてから加工することにしました。

で、全ての画像を繋ぎ合わせてプレビューしてみたところ、何と20分を超える「大作」に。長い!…さすがにこれは長すぎる。ということで断腸の思いで画像を削除していった結果、何とか4分ちょっと縮めることができました。使った画像の枚数は、150枚を超えていました。
これにBGMを乗せて微調整。昨年のノウハウが活かされた結果、昨年作成した3本のスライド動画を1本にまとめることができました。作業日数約2日で全体像が完成。慣れって、恐ろしい…。あとは、微調整に微調整を加えてデータ変換を行い、無事当日の準備が整いました。

ところが前日になって当日持参する予定のノートPCで動画を流してみたところ、まずあまりに旧型過ぎて、変換したmp4の再生ができない、と。そこでWindows Media Player用に変換して再生したら、今度はメモリが少な過ぎて動作がカクカク状態に。結局、動画の画質を少し下げて容量を圧縮し、事なきを得たのですが、実はここまでの作業が結構大変でした。

新年会当日、既にサポートが終わってしまった前述の旧型ノートPCを持参、プロジェクターに接続。
会場には30名を超える方々が集まり、乾杯の後でいよいよ上映が開始されました。
僕はといえば、皆さんの反応が怖くて、スクリ-ンから一番後ろの方でビクビクしながらスクリーンを眺めていました。
1年間を通した朝練終了後の画像では、驚嘆の声と歓喜の声、「あ、私映ってる!」といった声が飛び交い、更には狙っていたところで笑いも飛び出すなど、かなりの好反応。ホッと胸をなで下ろしつつ、なぜか目からあふれ出そうな汁を拭いていました。
エンドロールが流れ、無事15分40秒の上映が終了すると、拍手まで頂く始末。ああ、やっつけ仕事みたいに取り掛かってみたけれど、やっぱり作成して良かった、と心の底から思ったのでした。
早くも「来年もよろしく!」という声がありましたが、こればかりはどうなることやら。
まあ、PCもいつどうなってもおかしくないですし、ハイ。

スクリーンに目を凝らす皆さんの表情を見ながら、僕は本当にいい趣味を見つけたな、としみじみ思ったわけです。多分、走ることを続けていなければ、ここにいる皆さんとこうやって会することもなかっただろうし、そもそも接することすらなかったことでしょう。

そしてそのご縁というか絆みたいなものは、僕が引き寄せたのではなく、僕が引き寄せられたといった感じです。でも、その引き寄せたものが何なのかは、「弘前公園ランニングクラブ」だけではないという気がしています。

2012年にキャプテンから練習参加の誘いを受けた後も、この運動音痴なオレが「ランニングクラブ」になんて、参加できるわけがないだろ!としばらく躊躇、ようやく8月になって初めて練習に参加したとき、参加者は10名もいませんでした(それも男性ばかり)。その時に、フォームや身体のぎこちなさを指摘され、そして、「10キロではなくハーフを走りなさい。」と言われたことを覚えています。
あれよあれよのうちにフルマラソンを完走するまで至りましたが、まさかこの自分が喜び勇んでフルマラソンを走るなんて、思ってもいないことでした。まあ、この間クラブもどんどん大きくなり、大きくなると人と人との繋がりというか色んなことがあったわけですが、それでも未だに走り続けているというのは、多分走ることが好きだというよりも、走る仲間と苦しみ喜びを共有できることが楽しいからなんだと思います。
今年の8月、いよいよ練習に参加して5年目突入となりますが、これからもみんなと仲良くブレることなく走り続けようと思った次第でした。

皆さん、これからも長く緩くお付き合いの程よろしくお願いします。
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画像は、一番反応が良かった練習風景のものです。