日別アーカイブ: 2004-04-28

死の壁

お久しぶりです。つい最近立て続けにネクタイが短いということを指摘されてカッとなり、ネクタイの長さと気の短さの相関関係について調査研究を進めようかと考えているnonveyです(嘘)。
最近、一冊の本を手にしました。養老孟司の「死の壁」。タイトル通り「壁」シリーズ第2弾です。実は冒頭しか読んでいないのですが(爆)、電車の中ですっかりはまってしまったのでご報告。
文芸書然り音楽然りで、作品が大きく売れると、二匹目のドジョウを狙って同じようなモノを求めてみたりするのが人の性。ところが、二番煎じとばかりに似たようなモノが出てきて、結果「一発屋」と称されるのが多いのですが、今回養老先生(敢えて先生と呼ばせて頂きます)は、人間にとって避けては通ることのできない、どちらかと言えばこれまでタブーとされてきた「死」という難しいテーマを取り上げています。
前作「バカの壁」を読んだ時は、結局何がどうなるのだろうという疑問を抱くという、どうも後味の悪さが感想として残ったのですが、実はこの「死の壁」の冒頭では、その後味の悪さこそが「壁」であり、そこから考えることが必要なんだということを説いています。こうなると完全に、続編ですね。「『バカの壁』の向こう側」、「なぜ人を殺してはいけないのか」、「死と人事異動」、「テロ・戦争・大学紛争」など、章のタイトルを見ただけでくすぐられるモノがあるのですが、如何せんまだ読んでいません。でも、冒頭を読んだだけで何となくお勧めしたくなりました。「なぜ人を殺してはいけないのか」という章を読んだ時、目から鱗が落ちたというか溜飲を下げたというか、そうだよそういうことなんだよ、と頭の中では分かりきっていながらなかなか活字にできないことを簡潔に活字にしています。さすが先生恐るべし。
無邪気な子供なんかが「ねぇ、どうして人は死ぬの?」とか「ねぇ、どうして人を殺しちゃいけないの?」と聞かれた時に、ひょっとしたら的確に答えることができるかも知れません。いや、多分ですけど。立ち読みでも結構、是非書店で見かけたら手にしてみて下さい。
ひょっとしたら「何か」くすぐられるかも知れません。