先日、岩手県奥州市で初めて開催された「奥州きらめきマラソン」は、5月にも関わらず最高気温が32度に達し、単なる暑さとの戦いというより、阿鼻叫喚の地獄絵図に近いような凄まじい大会になったようです。
熱中症の症状で20人近くが救急車で搬送されたほか、搬送とまでは行かなくとも、頭痛や嘔吐といった明らかな熱中症の症状が見受けられた人も多数いたとのこと。
日よけのキャップを身につける、水分をこまめに取るなど、暑さ対策はいろいろ言われていますが、いくら対策を講じてもどうにもならないこともあります。だって、気温32度の中を走るって、ちょっと尋常ではないな、と。
もし今回の大会が初のフルマラソンだったという方々には、あまりにも酷すぎる大会だったかも知れません。
皆さん、本当にお疲れさまでした…。
閑話休題。
最近は日没の時間が遅くなってきていることもあり、仕事が終わった後でナイトランに勤しむ人も増えています。
弘前駅から自宅に車で戻るまでの間は距離にして2.5キロ程度しかないのですが、先日、20時30分頃に自宅まで車を走らせていたら、自宅に着くまでの間に7名ものランナーを見かけました。(知り合いはいませんでしたが。)
ところが、自分の身を守るための反射材(リフレクター)を身につけている人は、このうちたった1人しかいませんでした。
歩行者、ランナー、自転車問わず、反射材の重要性は以前から言われてきていることで、特に最近であればウェアやシューズにあらかじめリフレクターが埋め込まれているものも少なくありません。
しかし、先日私が見かけた多くのランナーのウェアやシューズにリフレクターは埋め込まれておらず、皆さんライトの類いも手にしていませんでした。かといって、決して街灯がたくさんあるような場所を走っているわけでもなく、中には片側に歩道があるにも関わらず、わざわざ街灯のない、反対側の車線をジョギングしている方もいました。
走っている本人からすると、自分から車両が見えるから大丈夫だろう、と思っているのかも知れません。しかし、車を運転している方ならおわかり頂けると思いますが、運転する側からすると、意外と近くまで行かないとランナーに気がつかないものなのです。
ましてそのランナーが、きっと大丈夫だろうという過信で脇道から突然飛び出してきたところに遭遇したら…。なんてことを考えただけでもゾッとします。実際、車の運転中にランナーに遭遇してヒヤリとした方、少なくないのではないでしょうか。(自転車の無灯火も然りではありますが。)
「自分は大丈夫」という勝手な思い込みほど怖いものはありません。自分の身を守る行動を取らずに事故に遭う、ということは、自身が被害者になりうるということである一方、関係のない人を加害者にしてしまう可能性がある、ということにもなります。
そして、仮に一人のランナーがこういうトラブルや事故に巻き込まれた時、昨今の世の中であれば決まってこういう方向に進んでいくものです。
「ライトも反射材もつけずに走るなんて言語道断。事故に遭って当然。全国津々浦々、夜のジョギングは禁止すべきだ!迷惑極まりないだけだ!」
…なんてね。
たがが反射材、されど反射材。
暗い中で自分の存在を明らかにする、相手に知らしめるという点で、夜に公道を走る方は、絶対に装着した方がいいです。
…というか、是非とも装着しましょうよ、反射材。
夜に走るあなたのファッションなんて、ハッキリ言ってどうでもいいんです。むしろ、あなたの存在そのものを気付かせることの方が大事なんです。この際、反射材の装着はナイトランに勤しむランナーの義務…というよりも当然の常識にしたいぐらい。LEDライトを持って走るよりも、視認性が高まるかも知れません。
個人的には、100円ショップで販売しているリフレクター(一番汎用性が高いと思ったのは、Se○iaで販売しているヤツ)で充分身を守れると思っています。ちなみに私、これを通勤用のカバンにも装着しています。
1,000円も2,000円もする高価なものじゃないんです。2個パックで税込108円なんです。2つ購入しても216円。350ミリリットルの缶ビール一本我慢すれば、買えるじゃないですか。足首に巻くのも良し、手首に巻くのも良し、ウェストポーチのベルトに巻き付けるのも良し。別にこれじゃなくてもいいんです。それこそオシャレなヤツを身につけても構わないんです。
重いものじゃないし、走る上ではそんなに支障になるものではないはず。
何を言うか、と思われるかも知れませんが、ランニングやジョギングを楽しむ同志が被害者になるのは、本意ではありません。更に、貰い事故のように全く関係ない人を加害者にしてしまうのは、もっと本意ではありません。
なのでしつこいようですが、もう一度言います。
自分が被害者とならないよう、そして、関係のない人を加害者に巻き込まないよう、ナイトランの際は、是非とも反射材の装着を絶対にお勧めします!というか、夜走りたいんだったら反射材付けろ!他人を巻き込むな!以上!