日別アーカイブ: 2012-11-01

点と点、線と線、そして…


10年ほど前、NPOや市民団体と行政との協働に関するセミナーに出席したことがある。
その時の出来事が、僕をセミナーの類から遠ざける一因になったのだが、先月27日に弘前市で行われたオフサイトミーティングの勉強会に出席したとき、ふとそのことを思い出していた。


…当時僕は県からの出向扱いで、弘前大学大学院人文社会科学研究科に在籍していた。当時の指導教官からの勧めもあって、そのセミナーに参加したのだが、これがまた自分にとって全く身にならなかったのだ。

最初からワークグループ形式で行われたこのセミナー、多種多様の人たちが40名ほど集まっていたのだろうか、男女比率で行くと女性の割合が圧倒的に多く、その中でも僕はちょっと浮いていたような気がする。

さて、ワークショップで何を語り合うかというと、「行政への市民参加のあり方」という漠然とした内容だった。
8名が車座になったテーブル。男性は僕だけで、周りは全て女性(それも皆さん母親みたいな年齢の方ばかり)だった。

「一番若い人から」ということで、僕が自己紹介することになった。弘大大学院に在籍しているが、実は県職員であること、協働や住民参加に興味を持っていることなどを話した。その後も、次から次へと順番に自己紹介が進む。小さな市民団体の代表者が多く、福祉関係や生活弱者支援をメインに活動している方が多かったように記憶している。

…と、ある方へ順番が回ったときのこと。
眼光鋭く、まるで僕を牽制するような目線を送りながら言い放った第一声に、僕は耳を疑った。

「私、公務員とか役所の人間が大嫌いなんです!」

静まりかえるテーブル。いや、正確には僕だけが萎縮しているだけだったのだが、なぜそんなことを突然言い出すのか、僕には理解できなかった。
僕に対するいきなりの拒絶反応。しかし、どうもその人は市内でもそれなりの活動をしているらしく、他の方々がみんな気を遣っているのがあからさま。

コーディネーターから振られて発言するも、それをやんわりと制し、そして僕の発言を否定するその方に辟易し、僕はその後一切の発言をやめた。

結局、好き勝手自分たちの活動内容を散々放言した挙げ句、まとまるものもまとまらず、「行政との良好な関係を保ちながら、もっと市民が参画できる機会を創出する」などと、机上の空論みたいな結論を出してセミナーは終了してしまった。

終わってから思ったことは、結局ここに集まった人たちは、何かを生み出すということを目的にして集まったのではなく、自己主張をしたかっただけなのだろう、ということだった。
市役所の職員も数名姿を見せていたが、端から見ているとその方々にもっと活動の機会を与えろ、といった主旨の要望や苦情ばかり。この調子では、協働なんて絵に描いた餅。
正直、ちっとも身にならないセミナーだったと思ったが、大学の教官から参加を勧められたという、言わば自発的ではなく他人からの後押しということも伏線としてあったのかも知れない。

それ以来、セミナーの類は「自己主張と空論ばかり」という既成概念が生まれ、まるで参加する気がなくなってしまった。

もう一つ。一昨年前の4月に行われたセミナー。
これは、僕が宮古市へ震災復興の支援(といっても僅か4日間、拠点における物資の搬入搬出だけだったけれど)に向かう直前に参加したものだ。こちらは自発的に参加したいと思い、馳せ参じたのだけれど…。

このセミナーの分科会においては、進行役と聴講者が殴り合い寸前の丁々発止のやりとりをするという場に遭遇。

基調講演が長引いた影響で時間が押していたため、進行役が発表者に対して少し短めに説明するよう求めたところ、それが良くないと怒り始めた聴講者は、その発表者の上司だった。

結局予定時間を超えて終了した分科会、終わった途端に進行役とその聴講者がお互い今にも殴りかからん勢いで対峙。

内容が震災復興にかかる発表だっただけに、実に後味の悪いセミナーとなった。

そういう意味では、「良質のセミナー」に参加する機会に恵まれず、僕にとってセミナーの類は苦手なものの一つになっていたのかも知れない。

もっとも、身の丈に合わないセミナーに参加した、ということもあっただろう。特に最初のセミナーにおいては、知識も見聞も持ち合わせぬまま、興味本位だけで出席したのも事実だ(その興味本位を次の行動に繋げなければならないのに)。セミナーに参加したというアリバイ作り。自己満足。何と言われようと反論のしようはない。だが、セミナーの参加者が好き勝手に理想論ばかりを振りかざすようでは、セミナーそのものが形骸化しているといっても過言ではないだろう。
こうなると、自分にとっても身にならないし、周囲にとっても迷惑な話だ。

先月27日の勉強会。
実は自分の身の丈に合ったものだったのか、僕みたいな輩がいてもいい場所だったのかはわからない。

ただ、あの勉強会は、これまで参加したセミナーとは異なり、間違いなく自分なりの意見、見解を述べることができたし、他の方々の意見も吸収することができた。そして、間違いなく自分の身になった、気づきに繋がったと確信している(だから自分なりに内容を整理して、翌日にはブログ記事として投稿できたんだと思う)。

何より、色んな地域でそれぞれの立場で活躍されている方々を見て、刺激になったことだけは間違いない。
だから、今回新たに生まれたご縁やいろんな繋がり…点と点が結びついた線を、新たな面(ステージ)にしていきたいと思っている。