日別アーカイブ: 2004-06-01

選択


月末になると、資金繰りの悪化から営業停止に追い込まれる企業がポツリポツリと出てきます。昨日も、県内外でフランチャイズを展開していた青森市内の酒類卸売店の事業廃止と、弘前市内にある住宅建築大手の営業停止が報じられました。いずれの会社も、自己破産申し立ての手続きに入る見込みとのこと。
どちらも一時期、もの凄い勢いで業績を伸ばしていたようですが、栄枯盛衰を地でいったと言いましょうか…。
実は後者の会社、よーく知っています。会社というよりも、社長さんを存じています。というのも、今もしもこの仕事をしていなければ、僕はこの会社に勤務していたかも知れないのです。
学生時代、といっても就職活動を行っている時でした。社長の話に感銘を受けた僕は、まだ内定を貰っていなかったということもあり、この会社に興味を持つようになりました。ところが逆に社長に見初められ、「是非我が社に!」と頼まれました。言われるがままに入社試験を受けましたが、大した成績も上げられず、「不真面目」と言われた履歴書を提出したにもかかわらず、面接では社長の一言で「内定」。
ところがその後、何となく受けた今の職場の試験に合格し、自分の将来を賭けてみることにしました。ということで、丁重に内定辞退を申し入れに行きました。社長からは「こんな丁寧に辞退を申し入れした人はいない。実にもったいない。」と恨み節を連発されました。
確かにあの頃、県内でも非常に勢いのある、ノリに乗った企業ではありましたが、明らかにトップダウンと思しき社長の経営手腕、一見無謀とも思える事業展開には、正直疑問を感じたことも事実でした。しかしその後も社長は、県の外郭審議会などの要職に就いたり、本を出版したりと、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。実は内定辞退を期に、ちょっとだけ個人的なお付き合いもあったのですが、いつの頃からか疎遠となっていきました。
県内の企業では珍しい、有名タレントを起用したCMもいつの間にか消え、会社として徐々にトーンダウンしているのは明らかでした。
そして、昨晩のニュース。
実は僕以上にショックを受けていたのは、父でした。社長とは、同胞として、同年代として、公私ともにお付き合いがあっただけに、相当ショックだった様子。
ただ、今から10年も前の話ではありますが、僕の選択は、間違いではなかったと自負しています。社長には申し訳ないけれど。
負債総額は30億円を超えるとのこと。社長という立場上、会社経営という部分では「失格」の烙印を押されるかも知れません。しかし、一人の人間として非常に素晴らしい方だけに、是非また頑張って頂きたいものです。