日別アーカイブ: 2014-11-28

「出るからには本気で走ってよね。」と妻が言った。


今年7月に沖縄を訪れたとき、たまたまホテルに備え付けてあった地元紙を見ていたときに、NAHAマラソンの開催案内の記事が目にとまった。
今年も12月に開催すること、更に今年が記念すべき第30回大会であること。そして、今回は3万人の参加者を予定しており、既に3万人を超える参加申込みがありそうなため、初の抽選となること。

12月の沖縄は未知の世界。なによりも30回の記念すべき大会。これは走ってみたいと思った。

沖縄から青森に戻った後、迷うことなくインターネットで開催案内の資料を請求した。
案内が届くとすぐ、何の躊躇もなく、そして妻に相談することなく、参加申込みをした。
そして、当落はともかくNAHAマラソンのことを色々調べていくうちに、幾つかわかってきたことがあった。

沿道の応援や私設エイドが途切れず、ホスピタリティに富む大会であること。
ワンウェイのコースは決して平坦ではなく、中間地点付近まで上り、後半が下り、30キロ過ぎからはダラダラと平坦が続くハードなコースであること。
そして、他の大会と比較しても完走率が低いこと。

本来であれば12月はマラソンシーズンの本番。しかし青森県内は雪が舞い始める季節となり、実質上のオフシーズン。
練習の量も格段に減り、ほとんど冬眠モードに突入、のはずなのだが、僕は敢えてその大会に申し込んでみた。

8月。仮申込みとなっていたNAHAマラソン当選の通知がメール送信されてきた。
妻には事前に「実は12月のNAHAマラソンに申し込んだ。」とだけ伝えたところ、「12月の沖縄って行ったことないね。」とまんざらでもない反応。いざ当選したとき、どうやってそのことを伝えるかを考えていたが、杞憂だった。
これで晴れて12月の沖縄行きが決まったわけだけど、そこからが大変だった。
大会は12月7日なので、前日の6日に沖縄入りし、大会エントリーをするという算段だった。
ところが、羽田から沖縄に向かう便は空いているのに、肝心の青森から羽田に向かう便が、1便の8:00発、2便の9:35発ともに、発売日前でありながら既にキャンセル待ちの状態になっていたのだ。
しばらく待ってみたものの一向に空きが出る気配がなかったので、これはきっと修学旅行か何かなのだろうと判断し、5日(金)の最終便で羽田に移動、羽田空港内のカプセルホテルに宿泊、翌朝沖縄に向かう1便で移動することにした。

実はこれは、前日早めに沖縄入りし、レンタカーでコースの下見をしたらいい、という妻の提案もあってのことだった。
普段全く僕のマラソンのことには興味を示さず、むしろ嫌悪感すら露骨にすることもあるのに、12月に沖縄に行けるというだけで、こんなことを考えてくれていたのが僕としてはちょっと嬉しかった。…いや、単に早く行って遊び惚けたいだけなのかも知れないが。

さてさてその後の僕はといえば、既にしつこいぐらいこのブログで自分が出場したマラソンの話を投稿していたので割愛するとして、結局10月のアップルマラソンを最後に、大会から足が遠のいた。
つまりNAHAマラソンでは、レース感覚をほとんど失った状態で出場する、ということになってしまう。

さらにアップルマラソン以降は、普段の練習もあまり身が入らず、キロ4分台で走る感覚さえも失いつつあるように思えてならない。ましてNAHAマラソンは、生やさしいコースでないということをしつこいほど聞かされているし、PBを狙えるような大会ではないということも色んな人から聞いた。
なので、今回は今年の締めくくりということで自分自身へのご褒美みたいな感じで、ファンランに興じようと考え始めるようになっていた。

そんな中、沖縄に移動してからの計画を妻といろいろ話していたときに、突然妻がポツリと言った。

「あのさ、出るからには本気で走ってよね。」

…本気で走れ!?

まさか、妻からこんなことを言われるとは思いもよらなかった。

去年フルマラソンを初めて完走したときのことを思い返した。

「世の中には、経験したくてもなかなか経験できないことがたくさんある。でもその中には、ちょっと頑張れば経験できることも、たくさんある。」

そう、今の僕なら、42.195キロは頑張れば走れる距離。でも頑張りが足りないと、単に苦しいだけの距離にもなる。

正直、9月の田沢湖マラソンで足を痙攣しながらもPBを更新したということに、満足しきっていた。
練習で苦しくなれば、「今年は田沢湖マラソンでサブ3.5達成したし…」と言い訳し、ずっとそのことに甘えていた。

しかし、その2週間後のアップルマラソンでは、他のメンバーが軒並みサブ3.5を達成し、僕の出した記録を軽々と抜いていった。ペースメーカーを務めたことに後悔など微塵もないが、正直、何となく「置いて行かれた」気分になった。

11月だけで見ると、月間走行距離は150キロと、全然練習量が足りていない。なおかつ、全くといっていいほど身の入らない練習内容で、29キロ走の時にはハンガーノックも初めて経験した。こんな調子で果たして12月の42.195キロを完走できるか、ちょっと不安なところもある。(完走率が低いという事前の情報が、僕の不安を煽っていることも事実だ。)

でも、大会まであと10日を切った状況の中、妻からの一言で何となく自分の何かに火がついたような、そんな感覚だ。
もしかしたら火がつくのが遅すぎたかも知れない。もっとモチベーションを高めた状態を維持すべきだったかも知れない。でも、今さら「ああしたら…こうすれば…」を口にしたところで、劇的に何かが変わるわけではないだろう。だから、普段の生活や練習、総合的な自己管理も含めてマラソンなんだな、と思った。

来年以降、僕自身NAHAマラソンを走れるかどうかはわからないワケだし、大体にしていつまでマラソンを続けられるのかだってわからない。そう考えると、出場する大会一つ一つを大事にしなければならない。
プラトー状態に陥っているとは思わないが、今一度マラソンという競技に足を突っ込んだときの原点を見つめ直す時期に差し掛かっているのかも知れない。

昨年、初めてフルマラソンを完走し終えた後に感じたことをもう一度振り返って見る。

・マラソンは、自分と対話を楽しむプチ旅行である。
・マラソンは、独りで走り続けなければならないが、決して孤独ではない。
・マラソンは、贅沢な自由時間である。
・マラソンを完走するために必要な要素は、塩分、水分、糖分、時間配分。
・速すぎると疲れる。遅すぎても、疲れる。
・失敗レースは引きずらず、成功レースはいつまでも記憶にとどめる。

気負うことなく、まずは楽しまなきゃ。大好きな沖縄の地で、4時間近くも贅沢な自由時間を得られることに感謝。でも、できることならばその自由時間は3時間30分ぐらいにとどめたい。
向き合うのは過去の自分じゃなく、これからの自分。まだまだ進化途中であると信じたい、自分自身を探す旅。

陸連登録の恩恵で、集合場所はかなり前の方になった。焦らず怒らず落ち着いて。いつも心穏やかに、やれば絶対できるという暗示。

でも、ハカメガねんで、ウヌウヌどハッケる。(はしゃぎ過ぎない程度に、がむしゃらに走る。)

皆さんからの応援を力にして、皆さんからの励ましをバネにして、今年最後の恩返し、ちょっと頑張ってみようと思います。

NAHA引換券 NAHA集合場所

別にこんなこと投稿しなくてもいいのでしょうけれど、僕自身を鼓舞する、気分を高めていくためにも、今の僕にとってとても必要なのです。

やってやるって!

越中

…長文駄文、大変失礼しました。