ちょうど「茶髪」が世間的に認められつつあった頃。
18歳の彼女の髪の毛は真っ茶色だった。彼女と初めて対面した時、僕は「うわー…この人バリバリのヤンキーかよ…」と勘違いしたものだ。
でも実際は、ヤンキーだとかいうわけではなく、単に髪の毛の色素が少ないだけだということは、後日知った。
しかも不幸なことに、彼女は当時から白髪も多かった。
いわゆる若白髪、というヤツだ。
不幸中の幸いは、髪の色素が薄いから白髪が目立たないということだった。
その彼女は、僕の妻となった。
結婚して10年が経過し、彼女の髪の色は相変わらず茶色いままだが、白髪はますます増えた。そして、そんな彼女の髪を染めるのは、実は他ならぬ僕の役目だ。
妻の髪を染めている時。
それは、いろいろ抱えている不満その他諸々をすっかり忘れ、妻が愛おしいと思う時でもある。
今日、彼女の髪を染めながら、久しぶりに妻のうなじを見た。
正直、ドキッとした。
それは、初めて彼女の髪に触れたあの時にも似たドキドキ感だった。
妻のうなじは、とても綺麗だ。
このうなじは、誰にも見せることは出来ないと思ったし、誰にも見せたくない。
僕だけの特権だと思った。
…と、このブログで初めて惚気てみた(笑)。