日別アーカイブ: 2009-06-11

朝5時の芝刈機

午前5時前、激しく屋根を叩きつける雨の音で目が覚めた。
「すごい雨だな…」

しかし、その雨の音の中に響き渡る重低音に気づくのに、時間は要さなかった。僕は雨の音ではなく、その重低音で目が覚めたのだ。

ウィーン…と鳴り響く低音。隣家の芝刈機の音だ。
しかし残念ながらその音は、庭に敷き詰められた綺麗な芝を揃えるために刈り取っている音ではなく、所々に生えた雑草を撫でる程度に刈り取っている音にしか聞こえない。
そして、時折刃が石を跳ね上げる音が混じる。

この音が気になり出すと、僕は全く眠ることができなくなる。
今日は雨が降っている分まだ音が緩和されているな、と思ったが、程なく雨脚は弱まり、けたたましいその重低音がますます耳障りになってきた。

隣家の方を見ると、わざわざオレンジ色の雨具に身を包んで作業をしている姿が見えた。

結局、僕が家を出る6時40分過ぎまで、間断なくその音は周囲に響き渡っていた。
その時間まで休みなく作業が続いているということは、その間、近所で苦情を言う人や苦言を呈する人は誰もいなかった、ということになる。
もっとも、音の一番近くにいる僕が苦情を言えば、恐らく作業は一時的に中断されることだろう。

閑静な住宅街とまではいわないが、この音が、どれだけの人たちの睡眠の妨げになったことだろう。
思い起こせば年に数度、必ずこの音で叩き起こされている。

少なくともこの作業は、平日の、朝5時から行う作業ではないはずだ。
それともこんなことに立腹する、僕の感覚がおかしいだけなのだろうか。

一つだけ言えることがある。
今、僕は物凄く眠い。そして、久方振りにあの音に叩き起こされたことで、非常に不快な思いに苛まれている。