日別アーカイブ: 2009-03-13

青森リンゴ 大量廃棄の危機

青森リンゴ 大量廃棄の危機 霜被害で加工処理追いつかず(毎日新聞)

霜とひょうによる過去最悪の被害を受けた08年産青森リンゴ。見た目の悪さなどから膨大な量が加工用に回され、処理しきれずに廃棄される危機に陥っている。県内分の約4割を生産する弘前市では加工業者が仕入れを制限。2月末現在、農家の在庫は約33万箱(1箱20キロ)に膨れ上がった。さらに世界的な不況が出荷調整の追い打ちをかけ、生産者は「常温保存のリンゴは1~2週間で腐り始める。捨てざるを得ない」と悲鳴を上げている。

被害は昨年4~9月にあった。暖冬で早く開花したことで霜にさらされ、9月は直径約5~7ミリのひょうが降り、収穫間際のリンゴが傷付けられた。県のまとめでは、被害面積約1万600ヘクタール、損失額は約103億円に上った。

大量の売れ残りを見込んだ関係団体は昨夏、味は変わらないとPRし、傷つきリンゴのジュースを開発。しかし、傷のないリンゴも需要が落ち込み、値段が前年の約8割にダウン。価格下落を防ぐため、生食リンゴの出荷を制限せざるを得なくなり、市場に回らない分がさらに加工用に回された。

契約農協からのリンゴすべてを受け入れ、ジュースなどにしている弘前市の県農村工業農協連合会では、ジュース用リンゴの在庫が夏に平年の約2.4倍になる見込み。1日の処理量を1.5倍に上げても、すべてをさばくには例年より約2カ月長くかかるという。100箱の在庫を抱える農家の男性(52)は「1箱の買値が50円とも聞く。完全な値崩れで捨てるしかない」と嘆く。県りんご協会(弘前市)の福士春男会長は「体力のない農家はもたない」と破綻(はたん)の連鎖を危惧(きぐ)している。

天候にも恵まれ、非常にメリハリの効いた美味しいリンゴに仕上がるはずだったに、霜と雹の被害により、価格が一気に下落してしまった青森リンゴ。

実際、傷物とはいえ本当に今年のリンゴは美味しいのですが、いくら今年のリンゴは美味いんだと吹聴してみても、いざ自分がスーパーで買い物するときに、傷物を好んで選ぶかといえば、残念ながらそうじゃないというが現実。
だったら、少しでも農家の苦労を分かち合おうと、普段は購入することのない(いろんなところを通じて貰うことの方が多いため)リンゴやリンゴジュースを購入してみましたが、どうやらそういうレベルの話ではないようです。

リンゴ栽培は、ある意味「賭け」です。開花、受粉そして着果、収穫まで、天候に大きく左右されるのが現実です。過去にも収穫間近のリンゴが台風被害により落果、農家が大打撃を受けたということが何度もありました。しかし、ここ数年言われ続けている異常気象の影響が農家をもろに直撃、これまでに類をみない霜害と2度に渡るひょう害は、りんご農家を絶望の淵に追い込みました。しかし、本当の絶望はその後待っていたわけで、報じられているとおり目も当てられないぐらいの価格下落となってしまいました。

今年になり、やや持ち直しの傾向にあるようですが、まだ低調にあるといいます。農家の気苦労は絶えないようです。

An apple a day keeps the doctor away.(1日1個のリンゴで医者いらず)

皆さん、是非青森りんごを助けてください。