日別アーカイブ: 2012-07-17

祖母の三十五日法要


海の日まで続いたこの三連休、我が家は慶事に法事と、文字通り東奔西走の大忙しだった。
とりわけ僕は、土曜日が妹の結婚式と披露宴、日曜日は妻の親戚の三十三回忌法要、更に月曜日は先月亡くなった祖母の忌明けの三十五日法要と、盆と正月が一緒に来たどころの騒ぎではないぐらい、ドタバタと駆けずり回った。
土曜日の結婚披露宴のお話しは昨日のブログでも紹介したとおり(皆さん、本当にありがとうございました。妹夫婦に代わり、私からも心から御礼申し上げます。)。

日曜日は、以前JR東日本のCMで吉永小百合さんが座禅を組むシーンが放映された際、撮影の舞台となった弘前市内の禅林街にある宗徳寺での法要。
これがまたいつ訪れても実に風情のある素晴らしいお寺で、本当にこのまま後世に残して欲しい、と思ってしまった。

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弘前市内のお寺、とりわけ33の寺院が建ち並ぶ禅林街では最近、改築ラッシュが続いており、古刹がどんどん姿を消しているのだ。
高齢化社会とともに、バリアフリーの名の下に機能重視を求めることもやむを得ないのかも知れないが、凛とした気持ちになれる昔からのお寺も、絶対に残さなければならないと、ふと思った。

さて、三連休最終日は、北秋田市で行われる祖母の法要。母は前日のうちに妹の結婚披露宴に参列した兄夫婦(僕にとっては伯父夫婦)とともに北秋田市入りしており、僕だけ翌朝一人で北秋田市へと向かった。
しかしこの日は、あいにく…という言葉からお釣りが来るぐらいの雨に見舞われた。

弘前市内も未明からかなり激しい雨が降っていたのだが、僕がちょうど出発した8時30分過ぎには小康状態に。

道中、時折激しい雨がフロントガラスを叩きつけるが、スコールのような降り方で、降っては止み、降っては止みを繰り返していた。道路情報を示す電光掲示板には、「大雨洪水警報発令中」の文字。取りあえず、青森と秋田の県境、矢立峠を越えたら雨が収束することを期待しよう。

矢立峠を越え秋田県内に入ると、国道7号は所々で改良工事が行われていて、片側通行になっている箇所もある。赤旗が振られ、車を停止させ、反対側からやってくる車を見ると、ライトを付けている車も多い。こっちも結構降っているんだろうか…と思ったその時。

まるでバケツをひっくり返したような雨が突然車体に打ち付けてきた。白い飛沫が飛び、路面との境がわからなくなっている。程なく緑の旗が振られ、ゆっくり進み出すも、あまりに凄い雨で前の車もスピードを上げるのを躊躇っている。
ようやく雨を抜け、大館市から北秋田市へと車を走らせたが、米代川に架かる橋上から川の様子を見ると、恐ろしいぐらいに川幅が広がり、茶色の濁流が中州をすっかり呑み込んでいた。

結局、予定より15分遅れで祖母の家に到着。
着くとすぐに、「お寺様を迎えに行って欲しい」とのお願い。これも想定の範囲内だった。車で約10分も離れていない菩提寺の「太平寺」に住職を迎えに行く。
このお寺もなかなかの古刹。別に僕は寺院マニアではないのだが、こういうお寺を見ると、何か心が落ち着く。

さて、忌明けまでは慶事は行わない方が良いという通説があるようだが、慶事は時間を掛けてゆっくりと準備を進める一方で、仏事は突然やってくるものだ。
祖母と同居していた伯父と従姉には躊躇いがあったようで、妹の結婚披露宴への出席を見合わせたが(曰く「線香のニオイを漂わせたまま慶事に出るわけには行かない」とのこと。これも一理ある。)、95歳の大往生を遂げた祖母が自分の不幸のために妹の披露宴を行うことを嫌がるはずもないだろう、という都合のいい解釈の下、予定どおり挙式を行った、というのが実のところだ。

そんな祖母の法要は11時から行われた。
僕が連れてきた副住職は、年齢の割には(40代後半だそうだ)読経が非常に上手で(今まで聞いた読経の中でも、僕は一番上手なんじゃないかと思っている)、歯切れに間合い、どれをとっても非の打ち所がなく、思わず聞き入ってしまう。特に、この副住職が上げる御詠歌は、本当にしみじみと心に沁みてくる。事実、僕の斜め前に座っていた母は、御詠歌を聞きながら祖母との思い出を蘇らせたらしく、何度も涙を拭っていた。

蒸し暑さの籠もる仏間で諸々約1時間、無事に法要が終わった。再び雨が降り始めていたが、(僕が立ち会えなかった)納骨を行った墓に出向き、祖母に花と水を手向け、手を合わせる。

帰宅すると、法要に参列した親戚が既に酒を酌み交わし始めていた。
葬儀後の会食ではほとんど話題にも上らなかった、祖母のあれこれの話に花が咲く。人の輪の中にいるのが大好きだった祖母。もしも妹の結婚披露宴に参列したならば、きっと亡父と同じぐらい喜んでいただろうな、とか思ったり…。

妹の披露宴の模様、取りあえず全ての衣装を着た写真をピックアップし、数枚持参。恐らくどこかで楽しみにしていただろう祖母の遺影の前に置き、しばらく妹の晴れ姿を祖母の目にも焼き付けてもらった。

その後親戚の人たちに写真を見せると、異口同音に「綺麗だ!可愛い!」といっていたが、何よりも驚いたのは、「育ちゃん(妹の愛称)、随分若いね!」と口々にしていたことだった。

…おい、妹よ。見た目より若いっていわれたの、いつ以来だ?(笑)

さて、これで慶弔ともに一区切りついたようだ。

そういえば、妹の結婚式の翌日に父方の兄妹が自宅に立ち寄ってくれたんだけど、その時に一番下の叔母さんが放った一言が凄く気になった。
「そういえばのんちゃん(僕のこと)さぁ、結婚式の時に思ったんだけどさ、今までひろちゃん(うちの亡父、宏のこと)に全然似てないと思ったけど、何か急に似てきててビックリしたわ…。」

何を指してのことなのかわからないので返事に困ったが、取りあえず「え?ガニ股になったってこと?」とだけ言っておいた。

似てきたのかな…。