Monthly Archives: 9月 2022

【共助を考える】共に支え合うのは、誰だ。

3つの観点から防災を考えようと思いついた第三回目。【共助】の今回が最終回。

防災分野と社会福祉分野では、「共助」の取扱、認識が異なるようだ。

社会福祉分野における「共助」は、制度化された相互扶助、社会保険制度などを指し、「互助」とは家族や友人などの助け合い、ボランティア活動、地域住民の活動を位置付けている。

防災分野では、社会福祉分野において「互助」として位置付けている内容を「共助」としており、防災分野で「互助」というワードが出てくることは、あまりない。

ところで。
「持続可能な社会づくり」とはいうが、人力でやれることには限りが出てくる。

これから先、国内各地で人口減少が加速化することで「自助」「共助」「公助」いずれの機能も低下の途を辿ることになるだろう。

人口減少社会において、防災対策そして危機管理対策として何ができるのか、何をすべきなのか、真剣に考えなければならない時期に差し掛かっているものと思われる。

そのような中にあって、恐らく今後の災害対応においては、「共助」が最も重要視されるのではないかと個人的には思っている。

理由は、以下のとおり自助、公助の取組が衰退化していくと思われるからだ。

・「自助」:人口減少や高齢化が進むにつれ、「自分で自分の身を守る」ことができなくなる人たちが増加。結果的に、「自助」に取り組める人と取り組めない人が二分化する。

・「公助」:自助同様に人口減少や高齢化の煽りを受けること必至。現在も定年延長が図られるなか、職員の減少(さらに追い打ちをかけるかのごとく、中途退職者が増えている気がする)により、災害時の対応能力が低下し、その役割を十二分に果たせなくなる可能性が極めて高い。

更に、新たな公の担い手として、NPOをはじめとする様々な機関が登場している昨今、公の行政機関が何でもしてくれるという時代は終焉を迎えつつある。住民や生命や財産を守るため、最大限の努力を払っていることは理解して欲しいが、そろそろ公としてやれること、やれないことは明らかにした方がいいと思うし、やれない部分は民間の力に頼るというのは、当たり前だと思うのだが、どうも公の立場に身を置くと、色々考えさせられる場面がある。

そして、恐らく今後は「共助」の取組が更にクローズアップされていくことだろう。

例えば東日本大震災以降、住民らで組織された自主防災組織の取組が注目されている。町内会での避難訓練や炊き出し訓練、防災資機材の整備など、自主防災組織の取組は枚挙に暇がない。

Continue reading