先日、青森中央学院大で開催された「公務員を語る。公務員と語る」という企画に参加した。
考えてみると、職場で学生のインターンシップ受入れは経験したことがあるが、外に出て、学生に対して自分の業務に関する話題を積極的に話す機会、場面はほとんどなかった。
そういう意味では、自分のこれまでの役人人生を振り返る、いい機会を与えてもらったと思った。そして、恐らく今回が初めましてとなる、他自治体の職員の声を生で聞くことができる、絶好の機会だと思った。ここから新たな繋がりが生まれるのであれば、なお結構なこと。
参加した学生さんは5名。三連休の中日ということもあり、お世辞にも多数ではないものの、こういう場に自ら希望してやってくるということは、それなりに公務員志望を持っているのだろう。
一方の自治体職員は、元職も含めて12名。国、県、市町村から幅広く参集した。
あくまでも学生さんの疑問に答えるというものであり、人材発掘やリクルートが目的ではない。ありのままの状況を赤裸々に話せばいい、ということのようなので、身構えることなく臨んだ。
事前に今回の主催者である担当教官(元自治体職員)から30問ほど質問項目が送られていたので、それなりに頭の中を整理したつもりだった。しかし、いざ文字に起こしてみると、自分も相当いい加減だな、と思わず笑ってしまった。
以下、用意されていた質問内容(抜粋)と、事前に用意していた手持ちのメモ。生々しい記述はカットしています。
就職の際に民間と悩むことはなかったか
もともと地元の民間会社から内定をもらっていた。しかし、受かるはずがないと思って受験した公務員採用試験に合格したのを機に、失礼とは思ったが内定を辞退。だが、約5年後にその会社が倒産したのを目の当たりにして、完全に運を使い果たしたと思った。
実際に働き始めて、イメージとのギャップがあったこと
公務員は堅苦しくて真面目な人ばかりだという印象だったが、全く違っていたこと。いろんな意味でふざけた人が多いと思った。(以下略)
働いている中で一番苦しかったこと、大変だったこと。
- 勤務してから数年後、周囲の環境(同僚の顔ぶれ)がガラリと変わった。結果、自分の業務の進め方を全否定され、心身の不調に陥ったこと。(パニック障害、自律神経失調症)
- 新型コロナウイルス感染症への対応。
(以下略)
転職や退職を考えたことは?
何度かある。いや、何度もある、か。
公務員試験の対策として有効な方法は何ですか?
(個人的には)市販の問題集1冊を繰り返し勉強し、傾向と対策を考えた程度。残念ながら有効な方法とは言えず、全く参考になりません。
採用面接でのアドバイスや注意点はありますか?
緊張して大変だと思いますが、変に取り繕おうと意識すると面接官に伝わるので、自然体で臨んだ方がいいと思います。
公務員として働く上でのやりがいは何ですか?
(滅多にないが)県民の方々から感謝されること。「ありがとう」と言われること。(以下略)
仕事を通じて感じる一番の挑戦は何ですか?
行政実務は前例踏襲によるものが非常に多いが、その前例に疑問を呈し、改善していくこと。
メモはバッグにしまったまま、車座になり、全員が自己紹介。職員側は与えられた持ち時間2分で終わるはずがなく、当初の予定を大幅にオーバーし、いよいよ本題へと突入。
教官が事前に用意した質問を参加した職員に振っていく。場慣れした職員もいたので、時には笑いが起きたと思えば、他の職員の発言内容に大きく頷くような場面も。一方の学生は、我々の話す内容からキーワードを拾い、必死にメモを取っている。
僕には「イメージとのギャップ」の質問が飛んできたが、ちょうど違う考え事をしていたため、頭から発言したい内容がぶっ飛び、思わず「パス!」と叫んでしまった。集中していなくて本当にすいません。
続いて飛んできた質問は「公務員に向いている人、向いていない人」。
公務員は「予期せぬ転職」が次々とやってくるので、それに順応できる人。また、所詮はチームプレーなので、和を保てる人。一方、自分のことしか考えられない人は向いていないと思います。確かそんなことを答えた、はず。
休憩を挟み、学生さんの多くは、親御さんやご親戚が公務員だという人が多かったようだ。
なぜ公務員を目指したのか、という質問。
実はもともと公務員志望ではなかったこと、だけど地元に貢献したいという想いをずっと持っていたから、と答えた。そして、今は人口減少に伴い職員の数も少しずつ減っているようだし、その中で定年延長などもあるけれど、公務員に求められていること、やらなければならないことは、以前と比べると相当増えているはずなんだよね、とも。
直接お話した3人の学生さんみんな本当に真剣で、我々のつたない説明にもかかわらず、一生懸命メモを取っていた。
こちらとしては不安を煽るつもりはなく、素朴な疑問に対し、嘘偽りのない事実を伝える。それが今日の役割。学生さんは見ず知らずのオッサンを目の前にして、腹を割って話すことはないだろうけれど、こちらは包み隠さずいくらでも話せるわけで。
最後の振り返り、気づきの場面。いつまで経っても不真面目な自分の立ち振る舞いを反省しつつ、今日参加していただいた学生さんには、是非とも希望を叶えて欲しいな、と思った。
「今日ここにいるのは、(当たり前を変えようとする)変態公務員の皆さん」とのコメントには、妙に納得。またこういう機会があれば、ド変態目指して積極的に参画させていただきたいと思います。
参加された皆さん、大変お疲れさまでした。
青森中央学院大学のHP
なお、これを機に青森県内の自治体職員向けの勉強会が本格的に動き出しそうです。
興味のある職員の皆さま、興味はないけどちょっと覗いてみたい職員の皆さま、ワタクシに御一報頂けたら関係者にお繋ぎしますよ。何だかドキドキワクワクw しませんか?