青森県での開催は6年ぶり3回目となる日展移動展が、弘前市の青森県武道館で7月7日まで開催された。
初めて本県で日展が開催されたのが10年前で、これまで開催された二度の移動展は、僭越ながらうちの父が相当尽力したのだが、その父も5年前に他界。しばらくの間日展の移動展を本県で観賞できる機会がなかったのだが、県内で最大のシェアを誇る東奥日報社が主催となって、ようやく開催の運びとなった。
ここで父がどれだけ尽力したかを語っても父が帰ってくるワケもないので、この事については一人で落涙するにとどめることとして、今回も日本画、洋画、彫刻に工芸、そして書がところ狭しと並んでいた。
最終日ということで観賞に訪れたお客さんも大勢いたのだが、何せこの日は非常に暑く、作品の管理上の問題から、館内の冷房は必要最小限にとどめられており、非常に暑さを感じた。
しかし、展示された作品はどれも本当に素晴らしく、特選作品が並んだブースはどこも混雑していた。
多分、時間が許すことならば、3時間でも4時間でも平気で観賞していられると断言できる、それぐらい素晴らしかった。
僕の観賞方法は、まず遠目で全体の構図を眺め(特に額縁も含めて一つの作品なので、全体像を掴む)、それから近くに寄ってディテールを眺める、という感じ。
ところで皆さん、洋画と日本画の違いってご存知ですか?画風が洋風だから洋画、和風だから日本画、なんて思っていないですよね。(笑)。
これ、簡単に言えば使う絵具が違うんでだそうだ(洋画は油絵具など、日本画は水墨、岩絵具なんていうのが使われているのだそうです)。
ただ、僕みたいな素人さんがその明確な違いを観賞しただけで理解できるかと言えば難しいお話で、実際会場ではその違いを見極めることはできなかった。
日本画の中では、生前、父が物凄く懇意にしていた大阪府の 村居正之先生の作品「洸」、これがちょうど内閣総理大臣賞の隣に展示されていたのだけれど、誰もが思わず足を止めてしまう、そんな深い紺碧の色が相変わらず素晴らしかった。
彫刻は、妻とも話をしていたのだけど、多分、一つ一つの作品がバラバラに展示されていれば、きっとその素晴らしさに感動するのだろうけれど、まとまって展示されると、何かマネキンが並べられたような、そんな感じ。
そして最大の難所、書のブースは、やっぱり何が書いてあるのか読めなかった(爆)
ということでだいぶ端折りながら約1時間半に渡って作品を観賞。
いや、ホントに何時間居ても飽きないし、何度見てもまた新しい発見があるんだよね。
そんなことで、父の想いを胸に秘めながら、じっくり観賞。
またお目にかかれる日を楽しみにしています。
日展青森展を観賞してきた。
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