日別アーカイブ: 2008-09-29

無題

今朝、中学からの幼馴染みでもあり、いつもの飲み仲間でもあるFのご母堂が58歳の若さで亡くなったことを知った。
先日、我が家で父が亡くなった時に、いの一番に駆けつけてくれたのが、このFだった。
Fとは中学~大学までずっと同窓だったのだが、同じクラスになったことは一度もなく、また、中学・高校時代も特に仲が良かった訳ではなかった。
彼と急接近したのは大学の合格発表の日で、僕が合格発表で自分の番号を掲示板に確認してから帰路に就こうとした時に、Fとバッタリ出くわし、半ば強引に腕を掴まれて再び掲示板の前に立ったのだが、彼の番号がなかった、といういわく付きのエピソードから始まっている。
1年の浪人生活を経た彼と、再び合格発表の日にキャンパスで再会、またしても腕を掴まれ掲示板を見に行ったら、何と番号がなかった…ということがあった。
結局その後、彼は補欠合格という形で大学入学を果たしたのだが、お祝いの電話を入れると、お母さんが「ごめんなさいね。ホントに。これからもよろしくね。」と泣きそうな声で訴えてきた事が、未だ記憶に残っている。
その後、バイト先で彼と再び一緒になり、それはそれは深い付き合いが本格的に始まったのだった。

あれから早いもので20年近くの月日が流れた。お互い紆余曲折を経て、彼は2児の父親となった。
何かにつけてケンカを繰り返すF親子は同居別居を繰り返していたのだが、お母様と直接お目に掛かる機会は年に1度あるかないかだった。お母様と最後に会話を交わしたのは、彼の実家に電話したらお母様が出て「Fは今、奥さんの実家で生活しているんですよ…。」と寂しく語っていた時だっただろうか。
お母様の体調不良を機にF一家は再び実家での同居を始めるのだが、ここ数年は本当に体調が思わしくなかったらしく、先日Fが弔問に来た時に、お母様が長期にわたり入院していることを知った。

あれから約3週間。
まさかお別れの日がこんなに早くやってくるとは思いもせず、愕然としている。

ついこの間の飲みの席では「そろそろ喪主になるヤツも出てくるのかなぁ。」なんて笑い飛ばしていたが、それが現実となり、しかも立て続けに二人となると、もはや笑うどころの話ではなくなった。

こちらもまだ喪中の身であるため、何かとバタバタしていることもあり、直接彼に会って話を聞くことはできていない。彼は僕のために駆けつけてくれたのに、僕は彼のために何もしてやることができず、実に空虚な気持ちが渦巻いている。

今はただ、安らかにお眠り下さい。
合掌