続・東日本大震災の被災地を巡る

10月11日から2日間、岩手県の沿岸部を巡った。八戸市から太平洋沿岸部を南下、最終的に陸前高田市にある高田松原津波復興祈念公園を訪れるのが目的で、完全に業務と切り離したプライベートでの訪問だった。

あれからちょうど1か月後、今度は業務の関連で宮城県の被災地を訪問する機会を得た。
仙台市で開催される会議の後の視察で、石巻市にある石巻南浜津波復興祈念公園などを訪れる、という内容が含まれていたのだ。

11月11日は、震災から14年8か月目の月命日。前日の会議に出席したメンバーが宮城県庁に集合、一路石巻市に向かった。

奇しくも陸前高田市訪問からちょうど1か月が経っていた。
三陸沿岸道路を北上、東松島市にある矢本ICを通過し一般道へ。航空自衛隊松島基地からは、航空機が1機飛び立つのが見えた。(逆光が強くて機体は確認できなかったが)

一般道を北上しながら気がついたのだが、石巻市へと続く幹線道路は、かなり長い距離にわたって周囲から数メートルかさ上げされている。おそらく防潮堤の役割を担っているのだろう。あとで聞いたところ、東日本大震災では仙台東部道路が防潮堤の役割を果たし、被害の軽減に繋がったことを受け、こうした津波対策が各所で講じられているとのことだった。
道路の東側には工場や倉庫が、西側には家屋が立ち並んでいるが、同じ頃に建てられたと思われる家屋が多く、まだ比較的新しい住宅街が続く。

やがて住宅街が途絶え、一面には野原が広がる。いわゆる「災害危険区域」として住宅の建築が制限されているエリアで、陸前高田市で見た光景とかなり似ている。
その界隈が「石巻南浜津波復興祈念公園」として整備されている地域で、かつては多くの住宅が立ち並ぶエリアであったが、地域一帯が津波などでほぼ破壊されてしまったそうだ。
公園内には、たびたび報道にも登場した「がんばろう!石巻」の看板が設置されており、その奥の右手に「みやぎ東日本大震災津波伝承館」が見えている。

「みやぎ東日本大震災津波伝承館」正面

伝承館の中では、震災当時の状況やその後の復興状況等についてガイドさんから説明を受けた。
石巻市は津波被害もさることながら、2つの川を津波が遡上したことで被害が広がった(後述の「大川小学校」然り)結果、市町村別の死者数が最大となった。この辺りを襲った津波の高さは6.9m。伝承館の北側の屋根の高さと同じとのこと。

「伝承館」のパネルは語る。言葉の数々に圧倒される。

この屋根の高さぐらいまで津波が来たのだそう。

復興祈念公園内にある追悼の広場。言葉を失うんだよね、なんか。

こうしたことも含め、未だに知らないことの方が多過ぎて、もっとちゃんと知らなきゃいけない、学ばなきゃならないと痛感した。

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#ウルフルズ ライブツアー2025-2026 #弘前公演 (2025/11/3)鑑賞記

ウルフルズライブツアー 2025-2026 ツーツーウラウラツー シーズン2

こんなツアータイトルを引っ提げ、ウルフルズが久し振りに青森県内で公演を行うことを知ったのは9月のこと。

ウルフルズのライブ、興味本位だけで一度は観てみたいと思っていたが、なかなかきっかけがない中、弘前市で初めて公演を行うことを知り、迷わずチケットを入手した次第。

オリジナルメンバーが入れ替わりでバンド活動を休止する中、しばらく3名体制での活動が続いている。ボーカルのトータス松本もソロ活動や俳優業に精を出す中、バンドとしてどんな姿を見せてくれるのか。自分の気持ちが穏やかでなかったこともあり、期待と不安が3対7ぐらいの割合で交錯したまま、当日を迎えた。

会場となった弘前市民会館の収容人員は約1,400人。直前までチケット販売のCMがテレビ放映されていたので、残念ながら完売にはならなかったようだ。(事実、当日券の販売もされていた。)

確かにここ数年は大きなヒット曲があるわけでもなく、そして大きな話題になるようなこともなく、ウルフルズ自体は静かに地道に活動を続けていたといった印象を持つ。

17時からの開演ということで、15分ほど前に会場近くまでやってくると、観客と思しき人たちが数人、会場へ向かっていた。果たして客の入りは大丈夫なのだろうか。

しかしそんな心配は杞憂だった。会場の中へ入った途端に雰囲気が一変、熱量が一気に上がる。物販ブースには多くの人だかりができあがり、トイレ周辺も混雑している。

更に大ホールの中に足を踏み入れると、確かに空席はあるものの、9割程度が既に埋まっていた。3連休最終日ということもあってなのか、皆さん集まるのが早いぞ!

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東日本大震災の被災地を巡る

東日本大震災から来年3月で15年となる。

平成7年に発生した阪神淡路大震災の状況を、新採用から2年が経とうとしていた当時の職場のテレビで目の当たりにし、思わず絶句した時から16年後の3月、総務部の1階の職場にいた時にそれは起きてしまった。

その後も熊本、北海道、そして能登半島と、想定できないような地震災害が相次いで発生している。この先も、こうした地震による大きな被害がどこかでまた発生することになるのだろう。

気がつくと、自分が県の危機管理局に在籍してから10年目となる。前述の新採用で配属された土木部(現・県土整備部)の在籍期間が9年だったからから、キャリアの中では最も長く配属されている部局、ということになる。

正直言って、絶対に配属されたくないとずっと思っていた部局の一つが防災部門だった。

昼も夜も休みもなく、年がら年中四六時中働かなければならない、プライベートが全くない、そんな印象を持っていたからだ。

「防災」という言葉を聞くと、皆さんはどう思うのだろう。
誰もが一瞬身構え、時としてその言葉に怯み、時としてできるだけ近づかず、場合によってはむしろ遠ざけたくなる。

「防災」というのは、きっとそんな存在なんじゃないかと思っている。

日本国憲法第15条第2項に、こんな規定がある。

すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

地方公務員法第30条には、こんな規定も。

すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

「公務員たるもの常に奉仕者たれ」というのが、奉職してからずっと持ち続けている僕の自負。あれほど嫌だと思っていた防災部門、つまり危機管理局そして防災の業務にすっかりなじむことができたのも、この自負があったからなのかも知れない。

つまり、僕にとって「奉仕者たれ」を最も体現できる場がこの危機管理局だった、ということなのだろう。

またどうでもいい話が長くなってしまった。

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老婆の休日(4) #沖縄旅行2025

●4日目:恩納村→糸満市→(沖縄那覇→東京羽田→青森)→弘前市
14時55分発の東京羽田へ向かう便に搭乗するのがこの日最大のミッション。

9月1日朝9時

くつろぐ老婆…いや、母

まずはホテルから2㎞程離れたところにある郵便局から、土産を詰め込んだ荷物を送る手続き。初日に段ボール箱を購入し、最終日に配送手続きをするという計画は出発前から決めていたこと。「ゆうパック」を利用したのは、重さに関わらず距離で配送料が決まるから。ちなみに沖縄県から青森県まで配送料は割引込みで2500円。荷物の重さは19.5㎏だった。サイズにもよるが、他の配送会社の半値近い値段のはずだ。ただ、「不適切点呼」の問題もあり、この価格でのサービス提供は当面できなくなるのかな。

そしてこの日向かったのは、空港の南側にある瀬長島の「ウミカジテラス」。
島へ渡ると道路脇に設置された「カニ注意」の看板が目を引く。ああ、こっちは「熊注意」なのにカニなんて、何だか微笑ましいぞ。

瀬長島から

沖縄那覇空港から次々と離陸する飛行機を眺めながら、いよいよ旅の終わりが近づいていることを実感。いやぁ、楽しかったなあ。

僕のリクエストで糸満市にある「南部そば」で最後のオキナワ飯を食らい、沖縄那覇空港から機上の人となった。

最終日のオキナワ飯

20時頃に青森空港へ降り立った時は、雨が降っていた。青森県を離れている間、線状降水帯が発生するほどの雨も降ったらしい。
大きなトラブルもなく、天候にも恵まれ、本当に充実した旅だった。母が楽しそうだったのが何よりだった。
来年も…来年は…違うところに行くのもアリかな。

【沖縄あるある】
・道路をぶっ飛ばしている車のナンバーは、「わ」「れ」そして「Y」。
・逆に地元民の車は、高速でも窓を全開にしているし、制限速度以下で走る車も地元民。
・日が高いうちに海で泳いでいるのはほとんどが観光客。

地元民が入水するサンセット

・観光客が大勢訪れるところは、なんとなく殺伐。地元民しかいないようなところは、時間がゆっくり流れている。インバウンドの影響かな。
・なぜか猫がたくさんいる。

ネコ1@漫湖公園

ネコ2@漫湖公園

ネコ3@恩納村

老婆の休日(3) #沖縄旅行2025

●3日目:那覇市→今帰仁村→本部町→うるま市→恩納村

日曜日。朝6時頃には既に28度まで気温が上がっている。どうやら寝ている間に雨が降ったようで、非常に蒸し暑い。

お約束スポット

この日も北へ向かう。沖縄自動車道を経由して今帰仁村へ。最初に目指すのは古宇利島。
大きな観光施設ができてまだ間もないこともあり、さぞかし道路も混んでいるのだろうと思ったが、どうやら8月末は夏休みも終わる穴場の時期なのだろうか、すいすい車を走らせる。
古宇利大橋を渡り、久しぶりの古宇利島上陸。一望できるオーシャンタワーを目指す。
到着したのは10時前。まだオープン前だったが、数台の車が集まり始めている。

10時のオープンと同時に1番乗りで受付。自動運転のカートに乗ってタワーを目指す。
タワーに到着後、一目散で最上階を目指す。何せ誰もいない中で風景を独占できるのだ。

古宇利大橋を望む

4階からの眺めは絶景だった。
観覧を終えて下の駐車場に戻ると、すでに駐車場が満杯に近い状態になっていた。

続いて目指したのは、本部町にある「花人逢」
本部町の小高い山の上にある有名なピザ屋。11時半からの営業ということで、山道のような獣道のような細い道路を突き進み、突如開けた高台に車を停めて店に向かうと、既に大勢の客が開店を待っていた。15番目に案内されることになったが、11時半から続々と入店が始まり、結果1巡目の最後に席を案内された。注文して約15分後に注文したものが運ばれ、あまり腹は減っていなかったが3人で全部平らげた。

花人逢から美ら海水族館方面

アセロラジュース@花人逢

ここまで来たら次に目指すところはあそこしかない。昨年12月から再開された「オキちゃん劇場」でのイルカショー。美ら海水族館の一角にあるこの施設、水族館内に入館しなければ実は無料で鑑賞できる。

オキちゃん劇場@美ら海水族館

13時から始まったショーを楽しんだ後は、水牛の引く車に乗って散策しようと「備瀬のフクギ並木」を目指したが、まずもって暑い。そして水牛がいない。どうやら先に出払ったようだ。10名ほどの客を乗せた水牛は約10分で戻ってきたが、牛はこれから休み時間を取り、そして乗客が集まるのを待つので、何時に出発になるかわからないという。

備瀬のフクギ並木。避暑したかったな。

母よりも自分の体力がかなり落ちているのを実感していたので、この暑さの中で待つのはさすがに辛いと思い、水牛を諦めて国道58号を南下。まずは恩納村にある「おんなの駅 なかゆくい市場」へ。頼まれていた土産品等を買い込んだ後は、うるま市石川地区(旧石川市)にあるスーパーに立ち寄り、夜の食材やら土産になりそうなものやらを購入し、ホテルへ戻った。

ホテルの部屋には台所や電磁調理器も装備されていて、食器や調理器具を借りれば(ただしすべて有料)、ちょっとした食事も作ることができる。
さすがにここまで来て調理意欲に熱を上げるつもりはなかったので、野菜を切るとかその程度にとどめ、買い込んできたいろいろな食材をオリオンビールで流し込んだ。

部屋の玄関でヤモリの子を発見。捕獲を試みたがうまくいくはずもなく、しかもあろうことか母は虫と勘違いして叩き潰そうとする始末。頼むからやめてくれ!
そんなドタバタもあったが、あっという間の3日間が終わろうとしていた。いよいよ明日は最終日か…早いなあ。