いつ以来か忘れたけれど、久し振りに心ときめかせながら発売日を心待ちにするアルバムだった。
「葡萄」以来10年振りとなるオリジナルアルバム、詳細についてはWikipediaをはじめ様々な特集でこれでもか!というぐらい掲載されているし、既にアルバム評がたくさん展開されているので、ここではあくまでも個人的な所感ということで受け止めてください。
(文中敬称略ご容赦を。)
01. 恋のブギウギナイト
この曲から始まるのか~!というのが最初の印象。80年代後半から90年代、いわゆるバブル期のディスコ(といっても私は足を運んだことはありませんが)サウンドを彷彿させるようなリズム、テンポ。間奏のギターを聞いて、これってナイル・ロジャースじゃないですか、と思わずニヤリ。
02. ジャンヌ・ダルクによろしく
一聴した印象は、The Rolling Stonesの「Start Me Up」。正直、アルバムのオープニングはこちらが飾ると思っていたので、意表を突かれた感じ。しかしこのオープニングのギターは何度聴いても格好良い。アルバムの中で一番のロックナンバー。
03. 桜、ひらり
能登半島地震を受けて制作されたという楽曲。タイトルを見て、スローテンポのバラードをイメージしていたため、初めて聴いたときは意表を突かれた。決して悲観的なメロディラインではなく、歌詞にもあるとおり、今も進む復興をみんなで後押しする、そんな内容になっている。
04. 暮れゆく街のふたり
なんと、青森県にゆかりがある(らしい)一曲。NHKのドキュメント番組「72hours」に搭乗した下北半島の飲み屋に感化されてできあがったという。ディスコ、ロック、ポップの次にやってきたのは、昭和テイスト満載の歌謡曲だった。
05. 盆ギリ恋歌
本アルバムからのシングルとしては最も早く配信が始まった楽曲。言葉遊びというかおふざけというか、そういったフレーズがふんだんに盛り込まれた遊び心満載のナンバーは、実際の盆踊りでも使われたというのが凄い。
06. ごめんね母さん
遊び心から一転、怪しげかつダークなナンバー。
ここで唄われる「アレ」については闇バイト、薬物、その他色々な憶測が立てられているようだが、そんなことより印象が強かったのは、吐いた場所が駐車場ではなく「駐輪場」だったこと。
一気に情景が目に浮かんだ。
07. 風のタイムマシンにのって
原由子リードボーカルのナンバーは、桑田佳祐曰く「A面最後の曲」という位置付けだそう。これまでのアルバムでも彼女がリードを取るナンバーが収録されていたが、今回のこの曲が個人的には一番耳に馴染んだ。
この歌で出てくる地名、場所はこれまで一度も訪れたことがないけれど、この曲を聴いて行ってみたいと思った。