日別アーカイブ: 2011-10-06

Only The Good Die Young.

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アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。
8月にCEOを退き、表舞台から姿を消して約1か月ちょっと。
明らかに痩せ細り、体調が思わしくなさそうな雰囲気は、画面等を通じても明らかであったが、とうとうこの日が来てしまった。
折しも、iPhone 4S(「For Steve」とは素晴らしい愛称だと思う。)発表の翌日に知らされた訃報は、某国営放送の昼のニュースでも2番目(ちなみにトップニュースはあの国会議員の裁判が始まったとかいう、僕にとってはもはやどうでもいいニュースだった。)に取り上げられた。いかに彼が世界に与えた影響が大きかったかを窺い知ることができるニュースだった。
各界の著名人からもスティーブ氏の死を悼む声が相次いで寄せられており、その多くが彼の功績を讃え、そして賛辞を送るものばかり。彼を惜しむ声はTwitterがパンクする程だったというのだから、単なる一企業のCEOという枠に収まることなく、彼がいかに世界の人々から慕われていたかがわかる。
かくいう僕もこんな記事を投稿するぐらいなのだから、きっと今日一日だけでスティーブ氏を悼む声はどれだけ寄せられることになるのか、想像がつかない。でも、今日は何だか投稿せずにはいられなかった。
そもそも僕が一番最初に触れたパソコンはApple社製のものだった。ちょうどその頃発売されたプリンスのCD-ROMをどうしても試してみたくて、そのために安月給をはたいて15万円弱のオールインワン型のデスクトップパソコンを購入したのが今から17年前。機種はMacintosh Performa 550だった。
今思えば最初に購入したパソコンとしてはかなり弱体だったかも知れないが、とにかくそのCD-ROMさえ遊べればいい、そういう思いだけで購入した。いや、正確には先にCD-ROMを購入して、その後にパソコンを購入したのだ。
仕事に就いて2年目、その頃の職場ではまだワープロが主流で、パソコンを使いこなす人などあまりいなかったのも事実だ。もっぱら雑誌の付録のCD-ROMでカスタマイズするのが楽しみとなっていたが、今は亡きクラリスワークスを始め、いろんなソフトに触れながら、この機種でパソコンの基礎を身に付けていった。
そんな中、次に目を付けたのが、職場内で個人の方が所有していたColor ClassicⅡ
起動する気配もなくオブジェ化していたその機種は、まるで狛犬のように机上に鎮座していた。そのスタイルにすっかり一目惚れした僕は、その方と交渉し、8万円で購入。
今となっては考えられないが、私物ながら職場で活躍するパソコンの一つとなった。
あとで知った事だが、実はPerforma550とカラクラのスペックがほとんど同じだということに驚愕し、そうか、これは日産のマーチのエンジンを搭載したパイクカーと同じ事か、と納得してみたり(ちなみにその頃僕の乗っていた車は日産のラシーンだった)。
そしてこの頃、ちょうどクロックアップやメモリ増設の改造が流行っていて、僕も上京の折に触れては秋葉原のジャンク屋巡りをしたものだったが、いかんせん技術力が乏しかったため、結局改造するまでには至らなかった。
そしてこの頃になると、ワープロからパソコンへのシフトが本格化し、職場でもWindowsマシンが配置されるようになったこともあり、気がつくとPerformaもカラクラも、お役ご免となっていた。
続いて我が家にやってきたのがiMac(グレープ)。
妻がゼロワンショップに勤務していた事もあって、今でこそ当たり前となったアウトレット(初期交換品)を安価で購入することができた。そして、我が家で初めてインターネットに接続されたのも、このiMacだった。
群雄割拠というか朝令暮改というか、まるで使い捨てのごとく次から次へと新機種が発表され、1年前のパソコンなどあっという間に旧型スペックへと押しのけられ(それは今も変わらないが)、やがてWindowsの席巻により、とうとう我が家にもWindowsの機種が投入されることとなった。
それでも一途なAppleラブを密かに思い続けていた僕は、直後に発表されたiPodにターゲットをシフト。やがてチューイングガムの形をしたiPod shuffleに始まり、現行の機種(iPod touch 3rd)で確か5台目のiPodとなる。
…とまあこんな感じで初めてMacintoshのパソコンを購入して以来、ずっとApple社の製品にはお世話になっているわけだが、これらを全て手がけてきたスティーブ氏の功績というのは本当に凄いんだな、というのを改めて思い知らされる。
そうか、今思えばマック、マックと言っているが、あれはMacintoshの略だったんだな(笑)。
閑話休題。
56歳という若さでの逝去はまだまだ早すぎる、ということはきっと僕だけが思っていることではないだろう。
もちろん僕の手の届くようなところにいる人ではなかったが、何だかいつも機知に富んで、融通が利いて、それでいて何でも相談に乗ってくれる、格好いいお兄さんを失った、そんな喪失感に駆られている。
彼の訃報に接した直後から、なぜかビリー・ジョエルの「Only The Good Die Young」が頭を駆け巡っている。

若死にするのは善人だけ。何だか醒めた邦題だが、でも本当にその通りだと思う。
彼の死を機に、iPhone 4sは思いがけないヒット商品になるような気がする。何せ「For Steve」なので、追悼の意も込めて飛躍的に販売数が伸びるような気がしてならない(でもごめん、でもやっぱり僕の選択肢にはまだiPhoneはないのです)。
Appleの失ったものは余りに大きいかも知れないし、そういう意味では激動の時代が待ち受けているのかも知れない。でも、貴方の功績は、きっと忘れられることなく永遠に語り継がれることだろう。
マイケル・ジャクソンがKING OF POPならば、スティーブ・ジョブズ、貴方は間違いなくKING OF MACだ。
今までいろんな感動と衝撃を、ありがとうございました。
Rest in Peace.