青森県は、東北六県の中でも飛びぬけて外国人観光客の訪問者数が伸びているのだとか。そんな中、通勤時に感じた自分事そして他人事(他国人事)を幾つか。
○革靴にできる塩の輪
青森駅を出ると、真正面に「新町通り」という青森市の中心商店街を貫く道路が走っています。
この通り、冬場は散水装置の稼働により、道路に降り積もった雪がなくなります。雪国ならではの光景。ところが、散水装置から出ている水がどうも海水らしく、海水の塩分によって締め固められた雪だらけの歩道は、ホントに歩きづらく、歩行者にはちっとも優しくありません。
更に、海水を含んだまま中途半端に溶け、側溝に流れ切ることができずシャーベット状の雪が横断歩道を堰き止めた日には、もう大変。つま先立ちしようとも何をしようとも、ほぼ確実に靴を汚します。…いや、その時には汚したことに気がつかないだけ。なぜなら、せいぜい「濡れた」程度の認識なので。実はそれ以前に、歩道に残った雪に大量の塩分が含まれており、これが知らず知らずのうちに付着しているのです。
そして、職場に着いた後や電車内に乗り込んだ時に足元を見て愕然とします。
黒い革靴に天使の輪ならぬ、塩の輪が綺麗に描かれているのですから。しかもこれ、非常に質が悪く、すぐに小まめに拭かないと、革がボロボロになります。現にこれで、靴を何足ダメにしたことか…。
こういう時にふと思うのです。嗚呼、青森駅の一角に冬場だけでも靴磨きがあれば、きっと利用する人がいるだろうに。
1回300円で撥水加工はプラス200円。
靴磨きのみの回数券は、お得な11回分綴りで1冊3000円。
高校生の皆さん、青森県、それも青森市に特化した冬のビジネスモデルの材料として、実習を兼ねたニーズの発掘や研究はいかがでしょうか。オッサン、喜んで回数券買うよ!
○スキー客の手にしたスキーやスノーボードを見て…。
冬の朝、青森駅に降り立つと、スキーやスノーボードを手にした外国人観光客が八甲田山に向かうバス停に行列をなすという姿をたびたび見かけました。
そこでふと思ったのが、彼らの板やビンディングは、メンテナンスがちゃんとされているのだろうか?と。そして、もしもワックス、調整、その他諸々を提供する場がすぐ近くにあれば…。そういったブースを、期間限定・時間限定でバス乗り場の前にある観光交流情報センターや「アウガ」の一角に設けてみる、とか。
彼らが訪れるのは短期間ですので、ビジネスに結び付けるのは難しいにせよ、外国人観光客をターゲットにしたちょっとしたサービス提供になるんじゃないのかな、とふと思った次第です。(もう取り組んでいたらごめんなさい)
(青函連絡船青森桟橋)
○JRの多言語対応について
首都圏の鉄道各線では、ごく当たり前に英語のアナウンスが流れます。2020年の東京オリンピックを見据えた対応としては当然のこと、のような気もしますが、これが地方に行くとどれだけ浸透しているのかといえば、あまり対応しきれていないのではないでしょうか。少なくとも青森県内を見ると、ほとんど対応できていないように思えます。
例えば青森駅から弘前行の電車に乗るとよく見かけるのが、大きな声を出しながら大勢で乗り込んでくる外国人観光客。彼らが全員、新青森駅や弘前駅を目指しているとは限らず、数の中には途中の川部駅で下車する人もいます。(五能線に乗換え、「リゾートしらかみ」に乗車するため。)
その中には、ボタンを押さないと電車の扉が開かないということに気付かず、慌てて他の乗客がボタンを押して降車する、という外国人観光客の姿を何度か見かけています。車掌全員に多言語を学ばせる必要はないわけで、そういった内容(なにもバカ丁寧な内容ではなく、停車駅と、降車時には最寄りの扉の横にある「緑の開く」ボタンを押すんだよ、といった軽微な内容で構わないと思います)を自動音声で、それも英語、中国語、韓国語で流すのは…難しいんでしょうかね。
と、今回は通勤で利用している青森駅界隈のことを中心に思ったことをつらつらと綴ってみました。