定例人事異動の内示を受け、4月から隣のグループのマネージャーに就くことになった。今の所属に来てから4年目の春を迎えることになる。
既に3年で2つのグループを渡り歩いているので、さすがに3つ目のグループはないんじゃないか、とか、2年目に昇格があったけれど、さすがに4年目はないんじゃないか、なんていう淡い期待を抱いていたが、儚くそして脆くその期待は打ち砕かれた。
正直言うと内示を受けた時は、よりによって何でオレなんだ…とかなり狼狽した。
いや、決して今の仕事が嫌だとかそういうことではなく、いきなり8人の部下を抱えるマネージャーが果たして自分に務まるのだろうかという不安、そして何よりも、混沌とする今の状況下で与えられた重責を全うできるのだろうかというプレッシャーに押し潰されそうになっているだけのことだ。
また、新型コロナウイルスの影響で世界中が大変な状況の中、危機管理という部署の一職員として対応しなければならない。多分、僕だけではなく今回新たに僕の部下となってしまう面々も、不安を抱いていることだろう。
コロナだけに目を向けると、そもそも前例がない未知のものへどう対応してよいものかとドタバタしていたが、端で見ていると最近はその対応にも慣れてきた感じ。だが青森県内、幸いにしてまだ感染者が出ていないだけの話で、この先感染者が出ると一気に事態は動き、そして混乱することだろう。4月以降、万が一のことが起きたらその渦中に放り込まれることになるわけで、火中の栗を拾うどころか、自分がその栗になってしまうかも知れないという不安も常に付きまとう。
前例がないことにぶち当たることはこれまで幾度もあったが、自らがその前例を作る足掛かりになろうとは…。大体にして、弘前市から通勤する者が防災部局に配属されることなんてほとんどなかったし、市外の者がこのグループのマネージャーになるということ自体が前例のないことなのだ。
だから、ひょっとしたら青森市に居を構えなければならないのだろうか、といったことまで真剣に考えた。