日別アーカイブ: 2015-10-14

【ネタバレあり】佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド 2015サマー・ツアー@青森クォーター

弘前・白神アップルマラソンから2日後の10月6日。サマー・ツアーというには季節外れというか、完全にオータム・ツアーだよね、といった感じのクラブサーキット。約1年ぶりとなる佐野元春 & ザ・コヨーテ・バンドのライブが青森市内で行われた。
フルマラソン完走直後とはいえ、脚の疲労も特になく、体調も悪くない。何やらペースセッターを務めた自分自身へのご褒美みたいな感じだ。

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開演30分前、開場時間に合わせて会場の青森クォーターに足を運ぶと、既に長蛇の列。
とはいえ入場は整理券の番号順となるため、別に慌てていく必要もないのだ。入り口の横ではグッズが販売されているが、どういうわけか足を向けようとする人は皆無。いや、多分終演後に購入しよう、という人が多いのだろう。だって、オールスタンディングでグッズを手にしていたら、ちょっと邪魔だし。
…しかし寒い。もはやサマーを語る季節ではないな。

やがて18時30分から順次会場入りがはじまる。前回は僅かだったAの番号(ファンクラブなどの優先枠?)の人が、今回は結構いる感じ。
僕の整理番号はBの55番。促されるままに会場に入ると、既に5列ほどの人の塊ができていた。前列の人の背があまり高くない、左寄りに場所を確保。
今回は7月に発表されたアルバム「Blood Moon」を引っさげてのツアー、当然このアルバムからの演奏曲が増えることだろう。

実は今回のツアーは3部形式になっていて、パート1が東京・大阪ビルボードでの3か月連続公演。そしてパート2が今回のクラブサーキットである「2015サマー・ツアー」となっていて、今後パート3のホールツアーへと続く、という流れになっているらしい。

8月から始まったサマー・ツアーは、今回の青森を含めて3公演を残すのみ。平日の夜ということで、昨年行われた時より若干観客が少ない感じだが、それでも開演前には会場がいっぱいになった。ざっと見たところでは、同年代よりちょっと上の年齢層の方々が多いようだ。恐らく80年代から90年代前半にかけて彼の背中を追い続けた人達だろう。後ろに並んだ男性陣は、久しぶりのライブ(というかクォーター自体が初めて)らしく、かなり興奮している感じ。しかし、その興奮が若干のアルコールのせいであることも、程なく知ることとなった。…というのも、どれだけ興奮しているのかわからないんだけど、正直言ってまあ、うるさいうるさい。いざライブが始まると最初からずーっと後ろで唄いっぱなしで(それも歌詞を間違えて)、悪いんだけどさ、俺、あんたの歌声聞きたくてお金払っているんじゃないんだ、ということでついに我慢ならなくなって思わずキッと一瞥したら、ちょっと静かになったという。

まあでも、そんな感じで楽しいライブがスタートしたわけですよ、午後7時過ぎに。
演奏曲は予想通り新しいアルバムからの曲が中心となり、終わってみると結局、アルバムから演奏されなかった曲は1曲だけ。あとは定番のナンバー、久しぶりのナンバー織り交ぜての約2時間、アンコール含めて19曲を演奏。

このバンドとツアーにやってくるのは今回が3度目。青森では3度とも同じ「ハコ」でのライブということで、最初はどこかお互いまだ遠慮がちというか、メンバーが元春に凄く気を遣っている感が見えていたんだけど、2度目のライブではそれが微塵も感じられなくなり、3度目の今回は、更に円熟というかパワーアップした感じ。このバンドと一緒にあとどれぐらい演奏するのかはわからないが、もしも今回のアルバムがコヨーテ・バンド名義の3部作最終章ということになれば、今回のライブがこのメンバーでの最後になってしまうかも知れないなあ、なんてことをふと思い浮かべながら、しっかりとメンバーの演奏を楽しませてもらった。

佐野元春 & THE COYOTE BAND名義の楽曲は、新しいアルバム以外ではあまり演奏されなかったけれど、恐らく今後定番にしていくつもりなんだろうな、という前作の楽曲もいくつか披露。結構好きな選曲だった。

本人曰く「10月なのにサマー・ツアー。ツアータイトルを間違えたね。」といって笑いを誘ったり、盛り上がる観客を見ながら嬉しそうに「青森、凄いね!」と笑顔を浮かべたりと、終始ご機嫌。

実際、オーディエンスは僕も含め年齢を感じさせない盛り上がりで、2時間があっという間だった。
後日、他の公演でのセットリストを見てみると、終盤は毎回構成が変わっているみたいな感じ。
まあ、このツアーも残すところ1公演のようだけれど、青森でのセットリストは以下のとおりでありました。

【以下ネタバレ】

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「誰かが君のドアを叩いている」までの演奏曲は、大体どの公演も一緒らしい(ただし、「国のための準備」が演奏されたり、「月と専制君主」が演奏されたり)。異様に盛り上がる様子を見て演奏曲を変更したのかどうかは定かではないけれど、「今日のセットリストには入れる予定はなかったんだけど…」と前置きしたうえで演奏された本編最後の「サムデイ」の他、「悲しきレイディオ」は前回の公演でも演奏した定番曲。一方、他の公演では演奏されていた「Young Bloods」が演奏されなかったり、場所によっては「Blood Moon」のボーナストラックであった「あつさのせい」が演奏されたところもあったようで。

しかし、ライブハウスというキャパの中でこれだけ演奏してくれるだけでもありがたい話で、実際もう、目の前に本人がいるんだから興奮しないわけがないのだ。
ということで、「あの曲が聴きたかった、演奏して欲しかった。」という気持ちは誰にでも絶対にあると思うけれど、これが今のベストパフォーマンスということで、彼らの演奏を生で、それも至近距離で観ることができたことが、ただただ幸福至極でございました、ハイ。

アルバム「Blood Moon」を聴いたときに、かなりライブを意識したアルバムなのかな、と思ったけれど、今回収録曲をかなり演奏してくれたということからも、その印象が決して間違いではなかったことを証明してもらえたような気分。しかしまあ、わざわざこのサーキットツアーに青森を組み込んでくれたということは、ここ最近の青森の反応を結構気に入って貰えているということかな?パート3のホールツアーは無理だとしても、それ以降のライブに淡い期待を寄せようっと。