(すいません、今回は写真を撮るのをずーっと忘れてしまいました。)
弘前・白神アップルマラソンまで1週間。最後の調整というわけではありませんが、足馴らしということでレース感覚を養おうと思い、近隣で行われる大会がないかと物色していたところ、北海道函館市と青森県つがる市の大会に辿り着きました。
さすがに先週秋田県仙北市(田沢湖マラソン)に行ってきたばかりで、2週立て続けの県外遠征は叱られるな、と思い、つがる市で行われる「つがる地球村一周マラソン」にエントリー。
この大会、僕が所属している弘前公園ランニングクラブのメンバーがこれまでも何度か出場しており、10キロながらなかなか脚力を試されるコースだということを聞いていました。(弘前公園RCのメンバーは結局、函館ハーフマラソンとつがる地球村一周マラソンの二手に分かれて出場しました。)
僕自身、10キロの大会に出場するのは、3年前の弘前・白神アップルマラソン以来。あの頃は自己練習で知識も何もなく、怪我も恐れずただ漫然と走っていた時期。
それから約10ヶ月後、僕はTキャプテンに誘われて2年前の8月から弘前公園RCに参加、それ以来まるで何かに火が付いたように色んな大会に出場するようになりました。
ただし距離は、20キロ以上ばかり。
普段の練習でも10キロ以上走るようになってからは、10キロの大会は見向きもしないようになりました。
そんなこともあり、3年ぶりにエントリーした10キロ、正直言ってどうやってレースで走ればよいか思い出すことができず、自信がありませんでした。
目標タイムは44分に設定しましたが(ちなみに10キロのこれまでの自己ベストは、43分47秒)、正直それすらも怪しいと思っていました。
だって、聞いたところでは折り返しまでひたすら下りのコースで、折り返した後はその逆、つまりずーっと上り。先週の田沢湖マラソンでの激坂のことがふと頭をよぎりました。
あー…これって上りに対する苦手意識が芽生えているのかも?
会場に到着後受付を済ませ、約1時間前から軽めにアップ開始。
臨時駐車場から坂を上ってみるけど、ちょっと脚が重い感じ…。
で、そのままステージの方へと向かうと、主催者の挨拶が終わったところでした。(この大会、最初はファミリーマラソンから始まったんですって。)
すると、突如米国国歌が流れ始め、ちょうどこの日ゲストランナーとして招かれていたお笑いコンビのデンジャラスが登場、挨拶を兼ねたコントを展開していました。(もちろん、オバマに扮したノッチがYes,We Can!と叫んでました。)
で、僕はといえばそれを横目に見ながら、下半身を重点的にストレッチ。普段の練習の時も、ストレッチってあまりしないんですよね、実は。ハーフマラソンやフルマラソンの時なんて、最初の3キロぐらいがストレッチみたいなもんだ、と思い込んでいるので、全くやらないんですよ。
でも、今日これを怠ったがために怪我をしたとなれば、元の木阿弥。
ということで、いつもより入念にストレッチをしました。(ただし僕の場合、身体が硬いので、ストレッチになっていない、という話も…。)
スタートは9時30分ですが、9時過ぎにはスタート地点で待機。身体をほぐしながらその時間が来るのを待ちます。やがて、あちらこちらから人が集まり始めたのですが、その顔ぶれを見て戦々恐々。200名もいないこぢんまりとした雰囲気はあるものの、キロ4分前後で走る方がズラリ。つまり彼らも、アップルマラソン前の調整レースと位置づけて参加しているらしく、いやいや、これはエラいところに来てしまったかも知れないぞ?と思った次第。
9時30分のスタートと同時に、選手の皆さんが勢いよく飛び出します。1キロぐらいまでは緩い下り坂。既に集団はバラつき、弘前公園RCの面々も練習ではあり得ないようなペースで走り始めました。
今回の10キロで決めていたこと、3つ。
1.自分のペースで走る。
2.最後まで心折れない(自分にキレない)。
3.坂道をしっかり登り切る。
前述のとおりいきなり凄い勢いで飛び出したため、恐らくキロ4分を切りそうなペースだったと思うのですが、すぐに修正を図り、キロ4分15秒前後に抑えました。
普段の練習を考えると、これでも速過ぎるんですけどね…。
1キロを過ぎたダムの堤防、ちょうど平地になる辺り(実際は上りが始まっている)、この付近で既に呼吸の荒い方々が多数。
ほら…言わんこっちゃない。入りのペースが速過ぎなんだって。
そんな方々を横目に、2キロ通過。キロ4分15秒。まあ、今日はこのペースでも大丈夫かな。
2.5キロ付近で給水所が現れ、水を一口…のつもりが、あまりのぬるさに驚き、思わず吹き出す始末。まあ、これもある意味給水の練習なのだと考えるようにしました。
前を走るピンク色のTシャツを着た弘前公園RCの2名、そして赤いノースリーブの絶倫魂の2名は、一向にペースを落とす気配がなく、快調に飛ばしています。
そして、4キロ付近から一気に下る坂が現れます。
つまりこれは復路の上り坂になるわけね…。
あまり勢いに乗ってスピードが上がらないよう、多少抑えながら坂を下ります。4.5キロ付近で再び給水。
いつもより速いペースだし、ここでも練習と捉え、給水をしっかり取ります。この辺りで、絶倫魂1名を捕捉。(おっ!来たなぁ?と声を掛けて下さったのは先日行われた佐渡島でのトライアスロンに挑戦したばかりのHさん。)
続く折り返し地点では、弘前公園RCの1名が離脱。(相当具合が悪かったらしく。)
そこで、更に先を走る二人をペースメーカーと位置づけて歩を進め、いよいよ復路の上り坂。
この上り坂で垂らし始めた人も多かったみたいで、その方々をグイグイと追い抜いていきます。やがて、弘前公園RCのSさんを捕捉。直後に、Sさんが僕の背後にピタリと付いたのが分かりましたが、自分のペースが落ちていたのも分かっていたので、さほど気にすることもせず、淡々と走り続けました。
8キロ付近で、ようやく絶倫魂のKさんの背中がハッキリと分かるところまで迫ってきました。
実は4キロ付近の下り坂以降、全くといっていいほど時計を見ていなかったので、自分がどれぐらいのペースで走っているのかわからぬまま、ただひたすら先を目指して走っていました。(結局ゴールするまで時計は見ませんでした。)
なので、僕のペースが上がっているのか、Kさんのペースが落ちているのかは分かりませんでした。
そして遂に8.5キロでKさんに追いつき、並走。
「さあKさん、来ましたよ!行きますよ!」
「おう!さあ、引っ張っていってケロ!」
確かそんなやりとりがあったと思いますが、この辺りからラストスパートのことを考えていましたので、気合一発「よっしゃ!」と叫び、一気にペースアップ。
先方に目をやると、病み上がりで久しぶりにレースに参加しているNくんの姿が。
彼に追いつくことは無理でも、少しでも彼の姿に近づきたい…。そう思いながら、ペースを上げました。
背後から「ちょ、ちょ!速いって!」というKさんの声が聞こえました。
残り1キロ。ここから緩い上りが続きますが、この日はどうしたことか、いつになく気合いが入っていました。
つがる地球村のゴールに向かう右折地点、前方に三脚とカメラを発見。何を思ったのか、笑顔を浮かべ、手を挙げました。
そうだよ!これ、忘れてたよ。笑わなきゃ。
先ほどのアップで脚の重さを感じた上り坂。
声援を送るたくさんの人が見えますが、相変わらず目もくれずゴールの方向だけを見ています。
「蒔苗さん、ラストラスト!」
そう声を掛けてくれたのは、5キロを走り終えた後のTさん(だったはず)。でも、目もくれず軽く手を挙げるだけでそちらに顔を向ける余裕もありませんでした。(ちなみにこの辺りではキロ4分を切るペースで走っていました。)
そしてゴールラインを切った瞬間、思わず時計に目を向けました。41分49秒!
何と、自己ベストを2分近く更新!
先着した病み上がりのNくんが「お疲れした!」と座り込んでいました。
「お疲れさま!ナイスラン!」と声を掛けてNくんと握手。
程なく背後から、「ずるいじゃ~」と苦笑いしながら絶倫魂のKさんがゴール。
その後も上り坂で僕の背中についたSさんや、絶倫魂のHさんなど、続々とゴールを果たします。
終わってみるとあっという間の10キロ。さすがにゴールした後は息を切らしましたが、当初の3つの課題は無事クリア。やりたいこと確認したかったことは、ほぼ全部できたかな。
まあ、給水だけは課題が残ったけれど、途中でそれなりの駆け引きも楽しめたし、フォームを確認しつつ最後までしっかりと走ることができたし、たまに本気で10キロを走ってみるのも、いいかも知れない…と思った次第。
でも実はこのコース、150メートルほど距離が短いんですよねぇ。10キロじゃなくて、9.85キロ。あと150メートル距離が伸びたら、42分は切れないだろうなあ。
…で、所用を思い出したため最後表彰式を見ることなく帰って来たんですが、お楽しみ抽選会の予備抽選でパンの詰め合わせが当たっていました。
あんパン、クリームパン、ジャムパン、メロンパンなどの詰め合わせ。参加賞も食パンだったので、帰宅すると「秋のパンまつり」と笑われました。
まあ、この調子だと、10月5日に行われる弘前・白神アップルマラソンでも好走できそうな気がしないわけではありませんが、先日の田沢湖、そして今回のつがる地球村で今の実力を確認することができましたし、昨年より自分が進化していることを実感することができました。つまり、今年の目標は達成しつつある、ということに。
何より、初めてのフルマラソンとなった昨年の弘前・白神アップルマラソンで充分楽しく気持ちよい思いをさせてもらいましたので、今年は僕と同じような気分になってもらいたく、他の皆さんに楽しんで頂く方に回れればと考えています。
筋金入りの運動音痴だったこの僕でもできるんだから、きっとみんなもできる!サブ4を目指す皆さん、是非狙って行きましょう!