月別アーカイブ: 2011年11月

僕の足は立ち、歩き、走るためにある。

2007年に出版された村上春樹氏の「走ることについて語るときに僕の語ること」を今頃になって読み終えた。
氏の本はこれまでたくさん読んできたけれど、この書籍については、何となく読む気が起きなかった。
多分それは、虚像と現実の混じり合った独創性ある非現実という村上ワールドとは異なる、いわば現実社会における著者の生き様を読んでもきっと面白くないだろうと感じたことが一つ。そしてもう一つは、僕自身が「走る」ということに特に積極的に取り組もうとしていなかった頃、数千分の1、いや数万分の1という中に埋もれた一ランナーとしての著者の走破記には、あまり興味が沸かなかったというのがもう一つの理由。
ちょうどこの書籍が発刊された年(2007年)に東京マラソンが始まり、それまで走ったことのない人たちのマラソンへの関心が一気に高まった。思えば僕も、この年の人間ドックで脂肪肝を指摘され、他の数値も一気に赤丸急上昇、このままだと成人病予備軍まっしぐらの宣告をされたんだった。
それを機に、(内臓脂肪を削ぎ落とすため)走ることに対する興味をちょっとだけ持ちはじめ、気がつくと弘前市内はもとより出張がてら八戸市や皇居の周り、被災地支援の時は早朝、宮古市の山間を走り始める一方、この本のことは存在すらすっかり忘れていた。
爆発的な売上げを記録した「1Q84」を発刊した著者が、「僕は走り続けてきた、ばかみたいに延々と」と題したインタビューに答え、その内容が「Number Do」に掲載されたのが今年3月。
折しも東日本大震災直後で、とても走ることなんて考える余裕なんぞなかったし、こういう書籍を手にすることすら憚られたのだが、8月になりようやくこの書籍を購入。そのインタビューを読みながら、にわか市民ランナーの僕は、無性に「走ることについて語るときに僕の語ること」を読みたい、いや、読まなければならないという衝動に駆られた。
このNumber Doに掲載されたインタビューは、いわば「走ることについて…」のバックグラウンドみたいな内容。なので、もし先に「走ることについて…」を読み終えている方には是非読んで欲しいと思う。まぁ、村上フリークであればきっととっくに読み終えていると思うけど。
実際「走ることについて…」を手にして読んでみると(文庫本が発刊されていたのは、財布にも持ち運びにも非常に助かった)、ランナーとしての体調管理はもとより、身体や脳に起こる変化など、読みながら「あー、なるほど…」と思うような、にわか市民ランナーの僕でさえも共感できるようなエッセンスがいろいろ鏤められていた。
そしてその内容は、僕が先入観で決めつけていたランナー・村上春樹の生き様だけではなかった。大げさな言い方をするならば、生きていく上での知恵。
人生を「走る」ことに例える人がいる。「人生の折り返し」なんて例える人もいる。「走馬燈のように駆け巡る」なんていう言い方もある。
そう考えると、「生きること」と「走ること」というのは密接な繋がりがあって、「走る」を「生きる」に置き換えると、いろんな場面で相通ずるところがあるんじゃないか、なんて、何か物凄く劇的な発見をしたような気分に浸っているバカがここに約1名(笑)。
とりわけサロマ湖100kmウルトラマラソンを走り終えた後の「ランナーズ・ブルー」という表現は、もはや人間の限界を超え、いわば「走る機械」と化してしまった著者が、ゴールを迎えた後から走る事への楽しみや意欲を失った独特な言い回しだ。
僕自身、まだ自分の限界を見たことがない(11月初旬に初めて練習でハーフを超える距離を走ってみたが、それが限界だとは正直思えなかった。)と思っているので、このランナーズ・ブルーという心境に陥ったことはないし、逆にランナーズ・ハイに陥ったこともないのだが、誰しも生きているうち、こういう限界というか壁を乗り越えなければならないときがやってくるのだ、ということをふと思った。自分自身がそういった壁を意図的に越えようとしないことに対しての戒めという意味合いも込めて。
…まあ、僕みたいな邪な考えの持ち主は、一度何も考えず20キロぐらい走ってみて、歩けなくなるぐらいまでヘトヘトになりながら復路を戻ってくればいいのかも知れない。泣きながら「ごめんなさい」ってみんなに謝りながら、人に支えられながら生きているということを実感した方がいいのかも知れない。
さて、それはともかく「走ることについて…」を読み進めるうちにふと思ったことがあって、それは、今僕が走っている目的というのが、当初の目的からかなりズレはじめているということだった。
当初は、脂肪肝を含む内臓脂肪の軽減、体重の減少を目的として走りはじめたのに(翌年にはその効果が明らかとなったのだが)、今自分が走っている目的というのは、タイムとか距離とか、そういうところに重きが置かれていて、結果、どのようにしたら長距離を楽に走れるか、ということを脳で考えるようになっているようだ。
だからここ数か月、少しずつ走る距離を伸ばしているにもかかわらず体重はほとんど変わっていないし、体脂肪率も非常に怪しい数値(19~20パーセント)を常時指すようになった。それは多分、体力を温存しながら長距離を走る、あるいはそれ相応のタイムで走る、ということを頭で考えるようになっているのが理由なのだろう。要するに、何というか「足で走る」んじゃなくて、「頭で走る」ようになったというか…。何だろう、うまく言えないな。
他人に言わせると、走る前と比較して僕は結構「細くなった」らしい。ところが実際体重がそれほど変わっていないということは、脂肪が筋肉に置き換わったから、あるいは密度が濃くなったから、という都合のよい解釈をすればいいのだろうか。
まあ、いずれにせよ来月人間ドックがあるので、その結果如何では、雪解け以降の来春(降雪期間は雪かきに尽力し、ほとんど走る事はないのだ)にどういう取組をすればよいのかという方向性を改めて確認するいいきっかけになるかも知れない。
閑話休題。
著者が巻末で述べたような格好いい台詞を墓標に刻むことはできないが、ちょうどいいお湯に浸かりながらのほほんと暮らすような人生よりは、もう少し冒険してみてもいいのかな、とか思ったり。
きっとこの時期、このタイミングでこの書籍を手にしたことに、何か意味があるのだろうと思った。そして少なくともこの後も、2度3度と読み返す機会が来るだろう、そんな書籍だと確信した。
ちなみに僕、ここ2年連続で走ったアップルマラソン(10キロ)のゴールの時は、ゴール直前で必ず拍手してるんだけど、それって自分自身への拍手であると同時に、応援してくれた皆さんや僕を見守ってくれている色んな人たちへの拍手なんです。ホントはね。もっと感謝の気持ちを表に出さないとなぁ…。

今日のどんだんず?

今日の午後、ワの担当する法人から一本の電話が掛かって来たんず。

会長:「わ…ワダクス、○○法人の会長してます××と申しまシ。恐れ入りまシ、サブ「マネジャー」の「ナキナイ」さんおりまシか…。」

マネジャーなのかマネージャーなのかは別として、サブが付くのは僕しかいないし、「ナキナイ」というのも、明らかに僕の名前の呼び間違いとしか考えられない。

僕:「はい、私がマカナエでございます。」

昨日の地元紙の明鏡欄に、県庁の応対が悪いと怒りに満ちた投稿が掲載されたばかり。普段から言葉には気を付けているつもりだが、更に丁寧な対応に心がけなければならない。

会長:「あららら、ナキナイさんでしたが。いやいや、このたびマンダいろいろご迷惑掛けでまシ。事務局の△△から連絡ありまして、ナキナイさんサ謝ってケロって言われまして…。」

ああ、なるほど、申請書類の修正をいろいろ指示しているからね。でもまあ、別に謝って頂くような粗相が法人側にあったわけではないし、こちらとしては業務の一環としていろいろ指導させて頂いているつもりなのだが、どうもそのことを気にした事務局担当の△△さんが、僕の手をいろいろ煩わせていることに関して、会長自ら僕に直接連絡して謝罪するように言われた、ということらしい。

僕:「いえいえ、全く気になさらないで下さい。この先まだ時間はありますし、また△△さんにも連絡しながら、いろいろ作業を進めていく必要があります。ですから、××会長から直々に御連絡を頂くなんて、こちらこそ恐縮です…。」

会長:「(しばし沈黙の後)…はぁ。…あのぉ、ワダクス、実は耳がちょっとアレでして、よぐ聞けね(聞こえない)んでシ。もうワンツカ(少し)デッタダ(大きな)声で、ゆっくり喋ってもらえネベガ。」

僕:「あー、これは失礼しました。いや、お忙しい中、わざわざ○○会長から直接御連絡頂くなんて、こちらこそ恐縮です。」

会長:「(更にしばし沈黙の後)…はぁ。…ヘバ、△△からマダ連絡させまシ。お忙しいところ大変失礼しました。(ガチャン!)」

…これこれ会長さんや、謝らなければならないって自分で電話してきておいて、「耳遠いハンデ聞こえネ」って、そりゃねえべ。しかも、△△さんから電話しろって頼まれたのに、また△△さんから連絡させるって、それダバ電話してきた意味ねえべな。

どんだんず!?

iTunes Store利用者の皆さんはご注意を。

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・・・・・
パスワードを変更することにより、第三者が無断であなたの iTunes Store アカウントへアクセスすることを防ぎます。アカウントのセキュリティを強化するために、まだ誰にも知られていない、現在他のオンラインアカウントなどで使用されていないパスワードをお選びください。パスワードは英文字と数字の両方を含み、8文字以上である必要があります。
ご面倒をお掛けしますが、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

iTunes Store カスタマーサポート

今月12日、こんなメールが僕宛に届いた。
最初気味が悪いな、とは思ったが、大して気にもせずに、指示に従ってパスワードを変更した。ところが、全く同じ内容のメールが15日にも届いた時には、さすがにちょっと焦った。

ひょっとして、12日のメール自体がフィッシング詐欺のメールだったのか?僕はまんまと騙され、パスワードを盗まれたのか?

いろんなこと(もちろん悪いことばかり)が頭の中を駆け巡る中、15日夜に慌てて自宅のパソコンからiTunesを立ち上げてみると、確かに設定したパスワードが無効になっていた。しかし、パスワードを設定し直し、アカウントを見たとき、冷や汗がダラリと流れた。クレジットカードの情報を消去し忘れていたのだ。

恐る恐る購入履歴を覗いて見ると、僕が購入した以外のアイテムを第三者に勝手に購入したという痕跡は残っていなかった。もうこれは、不幸中の幸いとしかいいようがない。

どうやらiTunes Storeのチャージ残金が325円しかなかったこともあって、実害はなかったようだ。でも、当然のことながらクレジットカードの情報はすぐ削除。今のところ購入のメールが届いていないので大丈夫だと思うが、この後しばらくは、クレジットカードの請求状況も注視していかなければならない(今のところ購入形跡はなし)。

しかしこの一連の作業を終えて、怒りにも満ちた数多くの疑問が沸々と。

12日に届いたメールに従ってパスワードを変更したにも関わらず、15日にはまた同じメールが届くって、どういうこと?iTunes Storeは個人パスワードダダ漏れの、セキュリティ管理全くなってませーんのサイトだったってこと?

メールにも書いてるじゃない?

パスワードを変更することにより、第三者が無断であなたの iTunes Store アカウントへアクセスすることを防ぎます。

これって、詭弁ですか?意味がわからないんですけど。

それからもう一つ。僕に初めてこのメールが届いたのは11月12日なのだが、既に6~7月からこのような事態が発生しているにもかかわらず、なぜiTunes Storeはトップ画面等でパスワード変更や購入履歴確認などの注意喚起を行わないのだろうか。

確かに自己責任といえばそれまで。第三者にも識別されやすそうなパスワードを設定する方が悪い。

ただ、同様のメールが届いた人が結構いるらしく、調べてみると中には身に覚えのない中国語のアプリ(1500円)が勝手に購入履歴に残っていた、という人や、5000円以上不正購入されたという人もいたという…。

それとも、お前ら、別に被害が起きてないんだからいいじゃねえか、実害起きたら何か文句言えや。そしたら何か考えてやっからよー、みたいな、傲慢な会社になっちゃったってことですかiTunesを運営するAppleは。

まあでも多分こういった苦情に対しては、どうせ「規約第○条に書かれてあるとおりです」的な話で、シャンシャンと済まされそうな気がするんだけれど、誰も血眼になって真剣に規約なんか読まないっつうの(あ、それとも僕だけですか?)。

AppleID(iTunesアカウント)もパスワードも、きちんと自己管理する必要はありそうですな。

それから、今一度規約を読んでおいた方がいいかも。とかくこういった規約、何かあったときは利用者が不利益となること(運営側に損が出ないこと)が書かれている場合が多いので、他のサイトでも要注意ってことかな。

iTunesカードでチャージしている人は、残高が減っていないかも確認。もちろんクレジットカードの登録は即削除した方が賢明と思われ。
iTunes Storeからの購入メールが届いたら、メールをすぐに捨てずに、速やかに内容を確認。身に覚えのない購入内容だったら、すぐにAppleサポートに連絡すること。

特に、AppleID(iTunesアカウント)を乗っ取られた場合や知らぬ間に不正購入された場合、こちらからの申し出がない限りは、Appleは動いてくれないようですよ。IDは無効化されちゃうみたいだし。

このサイトに、iTunesアカウントを不正利用された皆さんの書き込みがあるので、参考まで。

http://iphonech.com/archives/52520656.html

福山雅治「WE’RE BROS. TOUR 2011 THE LIVE BANG!!」宮城公演に行ってきた。【ネタバレあります】

6月の青森公演2Daysに続き、今年3度目となる福山雅治の宮城公演に行ってきました。
福山雅治の公演は、一度観たいとは思っていましたが、まさか1年に3度も観ることになるとは、思ってもいませんでした。
11月12日、この日は10時過ぎに弘前を出発。同行者は妻と妹、妹の婚約者の4名。僕の運転で仙台に向かい、途中妻と運転交替したり、昼食を取ったりで、結局15時過ぎに仙台市に到着しました。妹たちとはホテルで別れ、僕と妻は仙台駅東口のシャトルバスの乗り場へ。
会場は、仙台市の隣、利府町にあるセキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ21)。以前桑田佳祐の公演の際もこのバスを利用して同会場に向かいましたが、その時はちょうど帰宅ラッシュの大渋滞に巻き込まれ、約1時間も要したことを記憶しています。
この日の開演は17時。バスに乗り込むまでは比較的スムーズで、バスが発車したのが15時50分。会場に到着するのはギリギリかな、と踏んでいましたが、思ったほどの渋滞に巻き込まれることもなく、約45分で会場に到着。
ご存じの方も多いと思いますがこのセキスイハイムスーパーアリーナは、3月の震災発生直後は、被災し、亡くなられた方々の遺体安置所として、数多くの棺が安置されたところです。
もちろん今はその役割を終え、通常通りの会場として利用されています。
そういったことからも何となく、何となくなのですが、個人的には物凄く敬虔深くといいましょうか、慰霊の念といいましょうか、上手く言えないのですが、そういったことを心に秘めながら会場入りしました。
【以下ネタバレあり。】
会場入り口横には、地元出身のサンドウィッチマンをはじめ、数多くの花が寄せられていた他、会場の外では、南三陸町で避難生活を送る方々が作成する浜のミサンガの販売も行われており、少なくとも青森公演の時に見た光景とはやはり、ちょっと何かが違うような、特別な空気が流れていました。
西スタンドの結構前方寄り、高い位置からステージを望むことになりましたが、あれ?ここってこんなに会場が狭かったんだっけ?と。青森の会場の形がいびつだったのか、ここが普通なのかはわかりませんが、花道が何となく短く感じられました。もう一つ思ったこと。青森公演は結構男性の姿が多かったのですが、ハッキリ言って宮城公演初日、圧倒的に女性が多かったです!
17時15分過ぎ、いよいよ開演…!
最初からかなりボルテージの高いステージ。そして「7か月ぶりの…」を連発したMC。
恒例となった出席確認では東北六県(とりわけ宮城県)からの観客が相当数いることが明らかとなり、震災の影響で延期となり、宮城公演だけ払い戻しに応じたことなどを語っていました。
毎公演必ず行っているという1分間の黙祷。震災直後にこの会場内に並べられた無数の棺の光景が頭をよぎり、何だか居たたまれなって、思わずその場にしゃがみこんでしまいそうになりました。
一方、福山自身も何か期することがあったのでしょう、アンコールでは、サンドウィッチマンが提唱し、義援金活動も行う「東北魂」のTシャツを着、前述のミサンガを腕に巻いて現れ、「仙台だけえこひいきしていいですか?」と、2度目のアンコールで2曲を披露。ちなみに他の会場では1曲しかやらないんです!えこひいきです!とハッキリ言っていました。
しかも、この宮城公演2Daysだけのために、特別にタオルを作成し、観客全員に配られるが福山自身の口から伝えられると、会場内は歓喜の渦に。
いやあ、やりますね、なかなか。
で、これが来場者全員に配られたタオルです。
20111112今日のお土産
11月12日のセットリスト。
vs.~知覚と快楽の螺旋~
THE EDGE OF CHAOS~愛の一撃~
想-new love new world-
Peach!!
HELLO
明日の☆SHOW

IT’S ONLY LOVE
幸福論
はつ恋
アンモナイトの夢
群青~ultramarine~
fighting pose
HARD RAIN
Revolution//Evolution
Gang★
RED×BLUE
化身
少年
心color~a song for the wonderful year~
(アンコール1)
家族になろうよ
追憶の雨の中
(アンコール2)
明日へのマーチ
桜坂
基本的には青森公演のセトリとほとんど変わっていませんが、「Peach!!」での演出が、青森の時とは多少変わっていました(青森の時は、ねぶたの跳人の格好をした高校生がステージに花を添えたけれど、宮城公演ではなし)。青森では演奏しなかった「fighting pose」を挟んだ関係かな?そして個人的には、青森では聴けなかった「IT’S ONLY LOVE」が聴けて、感涙モノでした。
会場内は、熱気と時節柄の気候も手伝って、かなり空気が乾燥していたような気がします。福山自身もステージ上で何度も水を口に含んでいましたし、アンコールの時は、MCもちょっと辛そうなぐらい喉が渇いていたように見受けられました。それとも、体調が悪かったのかな?
そしてアンコールラスト、アコースティックギター1本の「桜坂」。
会場のあちらこちらからはすすり泣く声が聞こえてきます。
歌い終え、会場の割れんばかりの拍手を浴びながら、やっと開催することができた、という安堵感からでしょうか、最後は目が潤んでいたように見えました。
福山自身、エンターテイメントが何をしてあげることができるのか、歌の力がどう作用するのか、宮城公演を開催してみて、いろいろ感じることがあったようです。今回のツアーは結局3度参戦したことは冒頭述べたとおりですが、青森公演の時は初日がアリーナ、2日目が東日本応援シートでした。そして今回はスタンドと、毎回いろんな角度から眺めることができたので、そのたびに新たな発見があってホントに楽しかったです。でも今年、あとは参戦しませんよ(笑)。
(敬称略)

あいさつジョギング

文化の日そして昨日と、ちょっと長めの距離を走った。特に文化の日は、初めてハーフ走に挑戦してみた。ちょうど21.1キロぐらいで終わるはずの距離だったのに、クールダウン含めて23キロも走ってしまったのだけれど…。
ちなみにこの日は、途中までアップルマラソンと同じコースを走り、5キロ付近から岩木山を目指すコース。一度走ってみたいと思っていたコースで、9キロ過ぎたあたりからダラダラと続く坂を登り、岩木山の中腹あたりにある高照神社というところで折り返し。一応参拝もしてきたのだが、本殿左側の建物は重要文化財でありながら廃墟と化し、無残な姿をさらけ出していたのが非常に印象的だった。

行きは登りということは帰りは下り、ということで、百沢街道にある松並木の遊歩道を気持ちよく走ってきた。遊歩道には苔が生していて、フカフカとした感触がまた非常に心地よかった。ハーフの実走タイムは1時間45分だったので、初めてにしてはまずまずといったところだろうか。

6日日曜日。天気予報がいい方向に外れたので、午後3時過ぎから近所の川に沿って川上へ向かうコースを選択。これがまた山に向かっていくコースのため、徐々に勾配が厳しくなるという、まるでドMのような道。しかも、季節が季節だけに虫も飛び交っていて、折り返し地点を過ぎる頃には、顔にたくさん虫がぶつかり、死骸となって張り付いていたようだ。

普段なら「ハァ、ハァ」と、ある意味怪しい吐息をこぼしながら駆けるのだが、この日は結構体調が良かった。しかも普段着用しているサングラスを付けていなかったので、こちらの表情もわかるらしく、怪訝そうな顔でこちらを見る人もいれば、会釈をしてくれる人もいる。

そんな中向こうからやって来たのは、まだ歩くことさえもおぼつかないような子どもと、お父さん。どうやら自転車に乗る練習をしているらしい。コース取りを気にしながらすれ違おうとしたその時だった。

「こんにちは!」

一瞬ビックリした。その子どもが僕に向かって、大きな声で挨拶をしてくれたのだ。スピードを緩めながら、その時表すことのできる精一杯の笑顔で「こんにちは!」と返した。

多分相当卑屈な笑顔だったのか、お父さんが苦笑していたのだが、何か無性に嬉しくなってしまった。

よし、決めた。この後折り返して市街地に戻ってくるまで、すれ違う人に挨拶してみよう。

「こんにちは!」
「あ、こんにちは…」

こちらとしてはゼェゼェしているわけではないが、いきなりランナーから挨拶された一般市民の多くは、驚きの表情を見せていたし、中には完全に無視を決め込んでいる人もいた。

まあでも、人それぞれ。結構反応はよい。

往路は10人以上の人と挨拶を交わしただろうか、ふと思ったことが一つ。

弘前も、まだまだ捨てたもんじゃないな、と。

折り返し地点の直前、最も勾配のきついところでは声も出すことができず、一人壁にボールをぶつけていた少年には声を振り絞ることができなかったのだが(しかも折り返してきたらその少年は姿を消していた)、その後も市街地に入る直前まで延々と「こんにちは!」と挨拶を繰り返し続けた。

一番ビックリしたのは多分、母校の後輩と思しき野球部の面々だろう。だって、ダラダラと続く坂を上る選手に、いきなり見ず知らずのオッサンがでかい声で「こんにちは!」と声を掛けたんだから。それこそ必死で坂を上っている選手諸君は、きちんとこちらに返事を返してくれた。

やるじゃないか、みんな。ありがとう、みんな。

日常のコミュニティが崩壊し、近所づきあいが希薄となり、挨拶すらも聞かれなくなったといわれる昨今。でも…。

結論からいうと、臆することなく挨拶すれば、半分は挨拶が返ってきます。みんな挨拶を忘れちゃったんじゃないんです。挨拶できるんです。そうでしょ?

次のジョギングの時も試してみようかな、とか思ったりして。