Monthly Archives: 11月 2017

Spotify Premiumのこと

2日続けての投稿はいつ以来でしょうか。既にタイムリーなネタではないのですが、知らない方にはこれを機に知っていただければいいな、と思った次第。

僕は通勤時、電車の中で四六時中音楽を聴いていて(例え車内で爆睡していようとも)、自分が所有しているCDや以前レンタルしたCDをパソコンに取り入れたものや、iTunesやAmazonから購入した音楽ファイルをスマートフォンにぶち込んでいます。

ただ最近は、自分の音楽嗜好が元々偏向気味だったこともあって、正直言ってこれを聴きたい、あれを聴きたい、という意欲が減ってきているのも事実。かといっていつも同じ音楽を聴いているのも飽きてくるし、最近はスマートフォンにぶち込んだ音楽をシャッフル再生しているのですが、再生途中で「あ、またこの曲か。」とスキップする機会が増えてきました。

アルバムは大事、黒人の命と同じぐらい…-そう語ったプリンスの言葉に同意しつつも、自分自身でもつい手軽に購入してしまうデジタル音楽の隆盛が、CDやレコードといった音楽マテリアルの販売低下に繋がっていることは何となく理解できるし、それが契機となってCD・レコード販売店が街から姿を消していく様子もつぶさに見ているので、なんだかちょっと複雑な気分ではあるのですが…。

さて、そんな中で音楽業界に風穴を開けるようなサービスが、音楽のストリーミング配信。中でも、昨年9月から本格的に日本へ参入したSpotifyは、先行していたiTunesを脅かす音楽ストリーミング配信サービスの「台風の目」ともいうべき存在になっているようです。

最近すっかりボロクソ言われている(一社)日本著作権音楽協会(JASRAC)との関係がどうなっているのかは知ったこっちゃないのですが、海外では4大レコードレーベル(ソニー・ミュージックエンタテインメント、EMI、ワーナー・ミュージック・グループ、ユニバーサルミュージック)、と契約を結んでいて、「合法的な音楽配信ビジネスを行っている」と謳っています。

ただ一方では、このようなサービス提供の開始とともに、アーティスト側の収益が減ったとも言われています。

一つの問題は、こういったサービスが「無料」と「定額」の二種類で提供されていて、聴く側にしてみれば、まずは「無料」で試聴、ということになると思うのですが、音楽を作った側にしてみれば、「何でうちらの作った音楽をタダで提供しなきゃならないんだよ。」という言い分も物凄くわかる気がします。ちなみにアーティスト側への対価(印税)は広告収入から支払われているようなのですが、Spotify自体は赤字が続いている一方、いわゆる海賊盤を使うユーザーを減少させた、という違う側面での効果もあったようです。そう考えると、この仕組み自体が色々と解決できていない複雑な課題を孕んでいるのも事実。

あまり言いたくないのですが、台風って未来永劫存在しないんですよね。さっきSpotifyを「台風の目」というべき存在となぞらえたこと、僕が何を言わんとしたいかはご理解いただけると思うのですが…。

また、このサービスによって、音楽が身近になる一方で、音楽のコンビニエンス化にも繋がってしまうという一面もあると思います。

音楽を聴かれる皆さん、こういう経験ないですか。

あの曲、いいなあとは思うんだけど、買おうとまでは思わないんだよなあ、とか。

あのアーティスト、興味はあるんだけど、買ってまで聴く気にはならないんだよな、とか。

そういう点ではこの音楽ストリーミング配信というサービス、うまく活用すれば「試聴」にもつながるだろうし、それが購買意欲を掻き立てることに繋がることだってあるでしょう。

もっとも、本当に聴きたいと思うアーティスト、本当に好きなアーティストならば、CDだろうがDVDだろうが、購入しますよね

ただ、僕個人の信念として、「アルバムの中の1曲だけつまみ食い」というのは邪道なことだとずっと思っておりまして、アルバムという一つの作品である以上、まずは全体を通して聴いてなんぼだろう、という思いを持っています。よって、アルバムの中のあの曲だけを購入する、ということは正直言ってしたくありません。

…あ、話が横道にそれましたね。すいません。

実のところ、このストリーミング配信ってなんかデータ通信量が凄そうだなあと思って、自分のスマートフォンにアプリを導入することはずっと躊躇していたのです。がしかし、ストリーミング配信でも一度スマートフォンに楽曲をダウンロードすればオフラインでも聴けるというサービスがあることを知り、ここ1か月ぐらいお試しで使っています。(ちなみにAmazonMusicとSpotifyの併用です。)

そんな中、Spotifyが、初回登録に限り月額980円のプレミアムサービスを3か月100円で提供するというキャンペーンを開始しました。以前も同じキャンペーンを行っていたとのことですが、ちょうど渡りに船、物は試しと思い、このサービスを利用してみることに。

何がいいって、無料メンバーの場合だと楽曲がシャッフル再生され、更には途中で広告が挟まってくるものが、アルバム1枚丸々通して聴くことができますし、曲のスキップも可能です。当然楽曲をダウンロードすることもできますので、自宅でWi-Fiのデータ通信を利用してスマートフォンに音源を保存しておけば、外出先でもオフラインで音源を楽しむことができます。

これでデータ通信量を気にする必要はほぼなくなった、と。

そして何よりも驚いたのは、つい先日発売された楽曲やアルバムが既にアップされているんですね。

例えば、これ。布袋寅泰の最新アルバム「Paradox」。丸々聴くことができます。

海外に目を向けるとはい、こちら。元Terence Trent D’arbyの名で知られるSananda Maitreyaの2017年に発表された最新アルバム。

53曲も収録されているこのアルバム、iTunesでは4000円で「販売」されている代物。それが100円でアルバム丸々試聴できるんだから、やっぱり凄いですよ。(無料でも聴けますが、シャッフル再生に広告の音声が流れます。曲飛ばしも不可。)

ちなみに。たった100円で3か月というトライアル期間が設定されていますが、この間にプレミアムサービスの支払ユーザーを解約しなければ、翌月から通常月額料金の980円を支払うこととなります。よって、100円のみでお試ししたい方は、3か月のトライアル期間が終了するまでに、プレミアムサービスへの加入を解約しなければなりません。

まあ、人それぞれ考えが違うとは思うのですが、4000万曲以上とも言われる楽曲をいつでも楽しむことができることを考えると、他のサービスでアルバム1枚を購入するよりもはるかに安価なわけでして、むしろアーティストに申し訳ないな、というぐらいの気持ちに苛まれたり。

ちなみにプリンスの楽曲、アルバムも登録されています。

しかし、全ての楽曲が網羅されているわけではありませんし、個人的にはプリンスの曲をSpotifyで聴こうとは思いません。だって、自己所有のアイテムがあるから。
また、せっかくプレミアム登録したけれど好みのアーティストがいなかった、という可能性も捨てきれませんので、登録されるのであれば、そのリスクも念頭に入れながら手続きされた方がよろしいかと。

Spotifyはどちらかといえば洋楽好きな方におススメできるサービスといわれています。しかし、ジャズや演歌、クラシックにアニメなどもカバーしています。また、新しいアーティストの発見もあったりして、重箱の隅を楊枝でほじくるところまではいかなくとも、痒い所に手が届くぐらいのサービスなのかなあ、と思ったところです。

ちなみに自宅にいるときは、Wi-FiでSporifyの「アーティストRADIO」を流すのが最近のお気に入りです。

BPFD

今日のネタはウソだらけ、噓八百が全くのデタラメならば、嘘六百ぐらい。今晩は空想に満ちた投稿です。あらかじめご了承を。

11月24日は11月最後の金曜日。クリスマスにハロウィンと、他国の行事をあたかも自国の行事のようにパクるのが大好きな日本人が次に目を付けたのが、ブラックフライデー。ちなみに今日は、政府が提唱するプレミアムフライデーでもある。

ここで改めてブラックフライデー、そしてプレミアムフライデーが何なのかを確認しよう。

ブラックフライデー:アメリカ合衆国で感謝祭(11月の第4木曜日)翌日の金曜日のこと。クリスマス・セールが始まり、小売店が大きく黒字になることからこう呼ばれる。

プレミアムフライデー:2017年に日本国政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーン。略称はプレ金。プレミアムフライデーにセールやキャンペーンを実施している企業のうち、来店者増加は約7割で売り上げ増加は5割越えであり、イベントとして当初の目的である消費の拡大には貢献している。

ブラックフライデーは、米国において感謝祭の翌日ということで始まったクリスマス・セール。これに対しプレミアムフライデーは、日本の政府主導で始まったものである。

今年からプレミアムフライデーを提唱する政府、与党は、ブラックフライデーが席巻する事態を黙認するわけにはいかなかった。そこで突如登場したのが、政府が直接交渉し、三顧の礼で迎え入れたという強烈なキャラクターだった。

遅まきながらの「ピコ太郎」ブームに便乗しようという魂胆が見え見えだが、既にピコ太郎がブームを過ぎていることに気付いていないあたりが、さすが政府といったところだろうか。

その名も「アソ太郎」。

黒いソフト帽を被り、黒づくめの衣装という華やかさの欠片も感じられないその風貌は、一見すると麻生太郎副総理にも似ている。派手な金色の衣装で全身を包んだピコ太郎とは全く異質の、こちらもかなり風変わりとも言える雰囲気である。そして、プレミアム感が感じられないその姿は、むしろブラックフライデーのキャラクター、といったところだろうか。

会見場に現れたアソ太郎氏は、いつになくまばらな記者席を一瞥すると、ふんぞり返るように椅子に座り、浪曲師のような濁声で自己紹介を始めた。

「アイ、アム、あ、アソ太郎。」

口を斜め30度にひん曲げながら、本人曰く「流暢な」英語での自己紹介にご満悦の表情を浮かべるアソ太郎氏。

誰も質問しないのを見かねた記者が、切り出した。

- 今回プレミアムフライデーのキャラクターに就任した経緯を教えて下さい。

「うむ…大体だな、ブロックだかブラックだかよくわからんけど、そういう黒船みたいな風習を日本に勝手に持ち込むなんぞ考えられないのだよ。大体にして、キミはこの状況をどう思う。」

- ということは、ブラックフライデーには反対、と?

「だから、人の話をよく聞けっつうんだ。お前さん、どこの記者だ?」

(いや、ちゃんと聞いているんですけど…)

「日本人には日本人の気概があると思うんだな。それを…あれだよ、あのー…だから…まあ、つまりだな…ザ・日本を取り戻したいわけだ。うん。」

- …かなり歯切れが悪いようにも聞こえるのですが、それは政府としての方針なのでしょうか。

「ば、バカなこと言うんじゃないよ!オレは別に政府の人間じゃねえんだから。」

- でも日本の景気底上げに繋がれば、それはいいことですよね。

「日本は既に十分なぐらい景気回復してるじゃねえか。これもアベノミクスの成果だ。大体だな、日本の経済は、経済を知らない連中が煽っているだけなんだよ。」

- お、お言葉を返すようですが、そこまで言って大丈夫ですか?

「だから…一番の問題は、今日この場にいるのが、何をしに来たのかわからない連中ばっかりだってことだ。」

- ところで、サイバーマンデーってご存じですか?

「…えっ?(沈黙のあと、小声で)何それ。」

- サイバーマンデー…なんですけど。

「あ、あ、あ、そう…(ニヤニヤ)。ところでアソ太郎の話はどうした?いいのか?ん?じゃ、会見終わり。」

こちらからの質問にはほとんど何も答えることなく、一方的に持論を展開した挙げ句、明らかに狼狽しながら会見場を後にしたアソ太郎氏。

しかし程なくして、動画によるメッセージが一方的に送られてきた。誰がこちらの連絡先を教えたのかはわからない。

動画を再生すると、いきなり「BPFD」なるタイトルが現れた。どうやらプレミアムフライデーのプロモーションビデオらしい。

黒い背景に、黒い衣装で佇むアソ太郎。まるで脂ぎった顔だけが浮き出しているようで気味が悪い。

程なく、聞き覚えのあるリズムが流れてきた。ピコ太郎の「PPAP」とは異なる、スローテンポのリズムに合わせ、アソ太郎がおもむろに唄い出す。

…がしかし、よく聞くと原曲は「PPAP」そのもので、回転数を遅くしているだけのようにも聞こえる。そしてなぜか手には、2種類の缶ビールを持っている。

「アイ、ハブ、ア、ブラック…」

「アイ、ハブ、ア、プレミアム…」

…嫌な予感がした。

腰ではなく口角をクネクネと捻りながら、ラップ調のリズムで歌を続けようとするが、カメラの後ろに貼り出されたとおぼしきカンペの文字が小さすぎて見えないのか、全くリズムに合っていない。

そして、嫌な予感は的中した。おもむろに二つの缶ビールを、一つのグラスに注いだ。

「ブラック・プレミアム・フライ・デー」

やっぱりパクッた…。

口角の捻りの角度が45度を超える。まさにしたり顔で決めゼリフを吐く。

「BPFD」

グラスに入ったビールを飲み干すと、おもむろに手を振り、そして腰を振り、口角を緩めまくるアソ太郎。まさに浪曲レベルである。これはさすがにトランプ大統領の孫も真似しないだろう。

今回の一件で、政府としても景気浮揚対策に力を入れていることはよくわかった。

ただ、経済対策にテコを入れる政府自らが民間の手法を模倣するとは驚いた。

前武雄市長の樋渡啓祐氏が「TPP」ならぬ「TTP」という言葉を提唱していることは、一部の自治体関係者の間では知られた話。※TTP=徹底的(TT)にパクる(P)。

がしかし日本国内を見ると、景気対策も地域おこしも模倣、パクリが横行し、TTPの挙げ句みんなコケているじゃないですか。

だって、そもそもブラックフライデーを提唱する大手小売店が全国各地の郊外にタケノコみたいなショッピングモールを作ってさ、それを他が真似てさ、その結果昔からの商店街がさ…。…あ、いくら何でもこれは言い過ぎか。

さてさてこの先、日本はパクラーまっしぐらになるのだろうか。もちろんパクチー好きの集団ではない。パクリ天国、という意味だ。ブラックフライデーにはじまり、そのうちサイバーマンデーだって国内を席巻するかも知れない。某国がネズミの国や我が国のアニメキャラクターを真似たことを嘲笑していられなくなるぞ。

もっとも、ブラックフライデーの「ブラック」が小売店の黒字を表すということを知った途端、うちは赤字覚悟なんだよ、と「レッド○○デー」をぶち上げるところが、絶対出てきそうな気がするんですが…。

…ところで、サイバーマンデーって一体何なんですか?

(当然のことながら今日のネタは、フィクションです。)

11月21日-22日 出張のお話

11月22日の会議出席のため、21日から1泊2日で出張。最近色々と取り巻く状況が変わっていて、今回の会議は相当重いものになるだろうといった気配があった。こういう出張は、正直言って気が重いものである。

たった1泊2日の出張。されど、中身は濃い。

初日は移動日、午後1時30分過ぎに職場を出発。午後6時過ぎに東京に到着、夜は弘前公園RCのメンバー数名と懇談するという計画。それも、ようやく足を運ぶことのできる、新宿荒木町の「りんごの花」で。

2日目は、午前10時半からの会議なので、早起きして皇居の周りでも走ってみようか、という計画。それも、新しいシューズの試走を兼ねて。ま、今回はランニングの話はいいじゃないですか。

実はここ最近、ちょっと迷っていることがあった。それは、僕はブログで何を発信したいんだろう、ということ。いや、別に好き勝手な内容を投稿すればいいだけのことなんだけれど、ここ最近の投稿が、どうもランニングの話にばかり特化する傾向にあって、何かマンネリ化しているんじゃないか、という思いに駆られていたのだ。

以前のように色んな情報を仕入れ、自らそれを咀嚼して発信したり、誰も興味を持たないようなどうでもいいようなネタを発信したり、それでも善かれと思ってブログを投稿していたのに、どうも最近は周囲の反応ばかり気にしているような気がしてならなかった。

だから今回は、3ヶ月ぶりとなる出張の中で、自分の頭を整理する時間も作ろうと考えた。

本当であれば、こういう機会にこそアンテナを高く張り、色んなものに触れ、情報収集すべきなのに、ここ最近の出張は、まるで何かから避けるかのごとく、用務を終えたら即帰路に就く、といった感じだった。今回も用務が済んだらすぐに帰路に就くことに変わりはないが、何か「気づき」を発見したい、と思っていた。

それにしても、青森市内は今季初の積雪を観測したと思ったら、11月だというのに根雪になりそうなぐらいの雪が降り積もった。僕の住む弘前市も同様。

しかし東京にはまだ雪が降っていない。こういう時に一番悩むのが、何を履いていくかだ。出張の時はとにかく歩く。2年前の出張の際、あまり履きこなしていない革靴で上京したところ、不覚にも脚を痛め、そのあとしばらく走れなくなるという苦い経験をしたため、その後の出張の際はなるべくスニーカータイプの靴を履くようになった。

今回も、当初はスニーカータイプの靴を履いていこうと思ったが、出張当日の朝に降り積もっていた雪の量を見て、防寒靴に履き替えた。スニーカーだと、出張前に滑って転んで怪我するレベルの積雪だったからだ。


(青森から新青森までの移動で乗車した「リゾートしらかみ」。身体も心もハイブリッドにしたいぜ。←意味不明)

新幹線の座席は5号車の1番E席。車両の最前列、デッキと車内を仕切るドアの横なので、開く度に寒さを感じるけれど、広いテーブルと電源が確実に確保できるということを考えれば、デスクワークには最高の席だと思う。デスクワークをしたければ、四隅の席はおススメ。

ちなみに今回の出張で持参したのは、旧型のAmazon FireとBluetooth対応のワイヤレスキーボード。この二つを繋ぎ合わせれば、なんちゃってワードプロセッサーが完成。1万円ちょっとで、それなりのモバイルガジェットが出来上がる。この組み合わせを持参して出張するのは今回が初めてだけれど、新幹線の車内で使ってみても、そんなに使い勝手が悪いワケじゃないんだな、とちょっと驚いた。Fireの変換のレスポンス、相変わらず不馴れなキー配列に多少戸惑ったけれど。

そして、これで会議の議事録を帰りの新幹線で作成しようという算段だが、まずその前に、ブログの下書きで練習してみよう、と入力を始めた。

…こうやってキーボードを叩いているうちにも、1時間以上が経過していた。新幹線は新花巻、北上、水沢江刺と南下を続ける。この辺りも、屋根に少し雪が残っている。

プリンスを聴きながら、しばらく画面とキーボードに向かい合う。車内は満席ではないが、結構な数の乗客がいる。僕の隣にも、杖を持った老婆が座った。

賑やかなのはすぐ後ろのカップルだろうか。曲と曲の切れ間に、話し声が聞こえてくる。

程なく仙台に到着。一気に乗客が増えた。改めて窓の外に目をやる。だいぶ日が落ちているが、さっきまでの雪景色ではなくなっていた。

低く垂れ込めた雲がまばらに広がる空。一瞬カメラを取り出そうかと思ったが、乗客の数に躊躇してやめた。

明日の会議に向け、議事録を入力するフォーマットを固めたあと、会議資料にもう一度目を通す。難解な言葉に辟易しながら、窓の外に目を向けると、南西の空に、細い三日月が輝いていた。

いよいよ大宮が近づいてきた。結局3時間近く一睡もせず、大半はキーボードに向かい合っていた。

読み返してみると、どうしようもなく散漫な内容だけれど、たまにはこういう日記みたいなのも悪くないな、と思った。

定刻通り東京駅に到着、宿のある九段下へ向かう。チェックインを手早く済ませ、今日の目的地である新宿荒木町を目指す。久しぶりに都営新宿線に乗車し、曙橋で下車。さて、ここから目的地に向かうのに、一瞬躊躇した。実は立体交差となっている横の階段を上らなければならないことに気づくまでの数分、道に迷った。

(曙橋駅A4出口)


(この出口の右手に、橋脚があります。)


(橋の横に階段。これを上ると四谷三丁目方面へ通じます。)

A4出口から右手に進み、橋の階段を上らなければならないことに気づくのが少し遅れたのですよ。


(上ってきた階段のある橋が「曙橋」なのだそう。)

スマホのマップは便利だけれど、こういう弊害があることにも気をつけないと。平面だけではなく色々な角度から物を見るって、大事。ちなみに、四谷三丁目方面からだと、躊躇する必要はないようです。

この日お世話になった「青森PR居酒屋 りんごの花」。実は今回初めて訪問したのだが、八戸前沖サバの冷燻、馬刺しをはじめ、口に運ぶもの全てが美味しかった。結局3時間以上談笑していたのかな、翌日のことも考え、23時前にみんなと別れた。


(八戸前沖サバの冷燻。ニンジンが青森県の形)

翌朝は、6時過ぎから予定通り皇居を3周して、3か月ぶりのりんごルートを作成。宿泊地から竹橋まで出て、皇居を周回、同じ道を戻ると、大体りんごに近い形になるのですよ。

会議の前に、平河町にある歩道橋から道路を眺めながら、「合流注意」の文字に思わず苦笑い。この道路の進行方向右手に見えるのは、国会議事堂。合流していい思いをした人、どれぐらいいたかなあ…。

永田町駅。少しだけシャッターの開放時間を長くしてホームから撮影した画像は、ブレブレ。いや、待てよ。ブレているのは永田町そのものだろうか…。

別に大した画像を撮影したわけじゃないけど、以前、何の躊躇もなく毒を吐いていた頃を思い出した。こういう気づきがあっただけでも、今回出張で色んな自分の思考を再確認することができたのは良かったのかな。

ということで今回の内容はほぼ「日記」になってしまいましたが、これも自分の好き勝手なことを投稿するというスタンスを維持するという意味では非常に重要なこと。出張でお世話になった皆さんには改めて感謝します。ありがとうございました。

ケガのお話 #ランニング

いい加減そろそろ他にネタはないんですか?と言われそうですが、今日も長々と続くランニングのお話にお付き合いください。(字数は原稿用紙約8枚強。)

いよいよ青森県内も初雪を観測し、外を走るのが厳しくなる季節がやってきました。
既に今月から「冬眠モード」への移行を開始しているため、今月は半月を過ぎてもまだ累計100キロちょっとしか走っていません。いや、むしろこれでいいんだと思います。

走りたいときに走る。走りたくないときは休む。走りたくても、雪が降っていたら休む。
基本的なこの姿勢は、変えないようにしたいと思います。

走らなければならないというストレスを抱えて走ることは、心身にとって良いことではないと思うのです。そのストレスは、大会に出場するときの緊張感に変えたいと思います。

人間、頑張らなければならない時に頑張らないと綻びが出るように、頑張らなくても良いときに頑張り過ぎても綻びが出るようです。

…あの人は今日、何キロ走ったので、自分も何キロ以上走らなければならない。あの人があそこでスピード練習をしたようなので、今日は自分もスピードを上げて走らないと。

これって、自分が「走る」ことの目的、本質を見失っているんじゃないかと思うのです。
ところで、皆さんは何のために走っているのでしょう。

…えっ?他人に勝負を挑み続けるため?
ごめんなさい、今日はそういう話をしたくないので、大変恐縮ですがここでお引き取りください。

ランニングに取り組む目的って、人それぞれだと思います。
健康増進のため、減量のため、体力維持のため、という人もいれば、何時間切りを目指すため、何とかの大会で優勝するため、何とかの大会の出場資格を得るため、という人もいると思います。

その目的を達成するためには、確かにある程度無理をすることも必要かも知れません。
しかし、無理をしなくても良いときに無理をすると、先ほど申し上げた綻び、つまりケガに見舞われる、ということがあります。

以前は僕も「ケガの小売店」を標榜していました。前にもこのブログで紹介していますが、マラソンに取り組んでからこれまで僕が経験したケガ、負傷をざっと挙げてみると…

ふくらはぎ肉離れ(軽度、ハーフを目指し始めた頃)、ランナー膝(腸脛靭帯炎、ハーフを走り始めた頃)、シンスプリント(スピード練習を取り入れた頃)、ハムストリングス痛(いつだか忘れた)、足底筋膜炎(フルの練習を始めた頃)、種子骨炎(2014年7月)、アキレス腱周囲炎(2015年6月)、股関節痛(秋、疲労が溜まった頃)、腰痛(冬)、等々。更にこの他に五十肩(2015年~2016年)なんていうのもありました。


(種子骨炎の診断を受けた時。骨の一つが割れているように見えます)

このうち、アキレス腱周囲炎と種子骨炎は、ランナー仲間でもある整形外科の先生の診察を受け、投薬や注射などを処方していただきましたが、しばらく引きずることとなりました。多分根本的な治療をしない限りは、完全に治癒しないのかな、と思っています。


(足がむくんで腫れています)

はい!今日のポイントはここです。

「完全に治癒」

当然僕も素人ですので、ケガをした際にどこでどうなったら治癒したか、というのはお医者さんの判断が必要となってきます。軽微な症状であれば、2~3日も休めば何とかなるだろう、と思うのですが、ランニングにまつわるケガって、実は結構長引くものが多いと思いませんか。

ところが、自分の判断で大丈夫だろう、と思い込んで練習を再開すると、「ケガの玉突き」が起こる可能性もあります。ケガをしているところをかばった結果、他の部位を痛めるという「現象」。

ケガをしたときに、「今日も他の人はあんなに走っているのに、自分だけ休むわけにはいかない」と焦り、「まずは軽めに」なんて練習を再開して、「お、何だか調子がいいな。」と勘違い、強度を上げるうちに今度は他のところを痛めてしまった、なんて経験ありませんか。

ええと…僕はあります。特に、フルマラソンに向けて本格的に取り組み始めた頃は。
しかも一度ではなく、何度もこれを経験しました。そして、「玉突き」が起こることで、自分にとって理想のフォームが何なのかがサッパリわからなくなり、結果、ずーっとタイムが伸びないという事態に陥りました。


(フルマラソンの10キロ手前から足裏に違和感。ゴールしてみたら大きな血腫が…。)

当たり前のことですが、痛いのをなくするための最初の治療は「走ることを休むこと」です。そして、軽度の場合でも痛みや腫れが完全に引くまでは走ることを我慢すること。症状が酷いときは、ちゃんとお医者さんに診てもらうこと。要するに、「完全に治癒」するまでは走らない。これに限ります。


(アルミホイル巻。何となく効いた気にはなりますが、医学的根拠はありません。あるんだったらお医者さん、患部にアルミを巻くと思います。マネしないように。)

いや、僕も皆さんもそんなことはわかっているんですよ。頭ではわかっているんですけど、走っちゃうんですよね。
これって多分、ランナーの性。もう、ケガや痛みとうまく付き合いながら走るしかないのか?嗚呼。

僕のラン仲間は、疲労骨折から回復するまで約1年を要したそうです。でも、その経験があってから彼は、半端なく強くなりました。忸怩たる思いで我慢を強いられた悔しさをバネにした一つの例なのだろうと思っています。

ちなみに、先ほど挙げたものの中で一番「辛い」と感じたのが、五十肩でした。
いや、僕はまだ40代なので四十肩?まあ、どっちでもいいんです。というか、そもそもこの五十肩ってケガや負傷なんかじゃなくて、立派な病気、関節炎なんですよね。

気がついたら左の肩が徐々に上がらなくなり、服を着るのも、寝返りを打つのも辛いぐらいの痛みがずーっと続きました(風呂に入る時に衣服を着脱するのが一番辛かった)。
五十肩ではないと思っていたので、病院には行かずに様子を見ていたのです。いや、これだって初期の段階で通院していれば事情は変わっていたのかも知れません。でも、最初はただの肩凝りだと思っていたので…。

結局病院に罹るタイミングを掴み損ね、自然治癒に委ねることに。この間、消炎剤はもとより、漢方を試してみたり、鎮痛剤を飲んでみたり。それでも結局丸1年、痛みとお付き合いすることとなりました。今となっては痛みはないのですが、多少違和感が残っています。これが、医師の診察をしっかり受けなかったことの弊害。左肩にはゴリゴリが少し残っていて、完治したというよりは、実は障害が残ってしまったのかも知れません。

それでも、不幸中の幸いといいましょうか、走っている時には肩の痛みはあまり気にならず、むしろ意識して腕振りに取り組んだ結果、肩の可動域を拡げるという効果はあったらしく、実はこの頃から腕振りが変わりました。

都合良く捉えれば、肩を張って走るフォームが五十肩を引き起こすきっかけとなった可能性もあるので、これはこれで良かったのかも知れません。いわゆる怪我の功名ってヤツです。

ただ、五十肩になった時は結果オーライで、実際うまいこと上半身のフォームを変えることができましたが、他の部位、特に足回りは本当に要注意ですね。違和感を覚えたら、無理なポイント練習はやらないこと。そして、痛みを感じたら、走るのをやめること。これに尽きると思います。

普段走り慣れている時に走るのを休むって、辛いですよね。でも、これも一つのメンタルトレーニングなんだと割り切りましょう。我慢も必要ってことです。

特にこれから寒い季節。ストレッチや準備運動をするのも面倒くさくなりそうな時期ですが、これを怠らず、しっかりケアをしたうえで、本格的なシーズンを乗り切ってください。

ちなみに僕、脊柱の1本が変形しています。小学3年の時に高さ約3mから落下し、脊柱を圧迫骨折した際(あとちょっとのところで下半身不随になっていたらしい…)に、ちゃんと安静にしていなかったことのツケです。なので、冬場に腰痛を発症するのは、これが要因。それでも、冬場も時々ランニングに取り組むことで、かなり腰痛は緩和されているので、走ること自体がリハビリになるケースもあるんだよ、ということはお伝えしたいと思います。

それでは、今年はそろそろ穴蔵に収まり冬眠したいと思います。皆さん、来春になったらお目にかかりましょう。

よいお年を。

 

 

…ウソです。

2017年、雪が降る前の振り返り #マラソン

2017年に出場を予定していたマラソンの大会もひととおり終わり、ほぼ休足に近い状況となってきました。

この時期は、来年に向けた作戦の練り直しと、これから大会に出場する予定の仲間や走力の向上を図りたいという仲間のサポートに回りたいところ。

青森県内は間もなく平地も雪に見舞われるため、僅かな時間しか残されていませんが、こんな私でよろしければ、時間と都合が合えばいつでも練習にお付き合いするつもりですので、必要あればお声掛けくださいませ。…もっとも、3時間を切るようなペースで走る方の練習にはお付き合いできないと思いますが。すいません。

さて、2017年の走りっぷりをざっと見てみると、46歳の誕生日に大会出場となった初の勝田全国マラソンに始まり、フルマラソンが計4本、ハーフマラソンが計4本、10キロが計3本という数のエントリーでした。

10キロについては、2つの大会で40分切りを密かに目論んでいましたが、いずれもあと数秒のところで切ることができず、更には自己ベストも更新ならず。40分切りの目標は、来年以降に持ち越しとなりました。残念。

ハーフマラソンに関しては、高低差約400mの「たけのこマラソン」は別として、他の3つの大会はいずれも90分切りを達成、ほぼ想定した通りの結果となりました。4月の花巻で自己ベストにあと4秒と迫る結果を出し、直後の5月、初めて出場した仙台国際ハーフで1時間28分02秒と自己ベストを叩き出しました。まあ、たけのこマラソンも何だかんだ言いながら1時間33分で種目別5位入賞を果たすというおまけ付き。しかし、今年の目標に据えていた98分切りの目標は達成ならず。むむむ…。

それでも、フルマラソンについては1月の勝田全国マラソンで3時間13分台を叩き出し、自己ベストを4分更新するとともに、2017年の目標とした3時間15分の壁をいきなり突破。

こうなると次の目標は必然的に3時間10分切りへ。ということで、「相性がいい」と考えていた9月の田沢湖マラソンに照準を見据えて練習。春からそれなりのボリュームの練習(月間走行距離で200キロ前後)に取り組み、大した怪我もなく、順調にトレーニングを重ねた結果、8月に行われた北海道マラソンでまさかの、いや、狙い通りの自己ベスト更新。

1月の勝田から5分半縮める3時間7分58秒を叩き出し、今年2度目の自己ベスト更新と、遂に3時間10分切りを達成。

これは2週後に行われる9月の田沢湖も期待できる!と臨みましたが、どうやら北海道でのドタバタで精根尽きていたらしく、最初から超高速ペースで挑むもあえなく撃沈(タイムは3時間25分台)。心身ともに疲労をしっかり抜ききることの重要性を噛み締めました。

そして最後は地元開催の弘前・白神アップルマラソンで、感謝の念を込めた4時間のペースランナーを務め(3時間59分59秒でゴール)、今シーズン終了となりました。

その後、岩木スカイラインを登る10キロのチャレンジヒルクライムランもありましたが、僕の中ではレースというよりレクリエーションに近い位置となっているので、タイムは度外視です。

総じて見るとそんなに極端なムラがあるわけでもなく、フルマラソンに関しては弘前・白神アップルマラソンを除くと3時間30分は当たり前となり、3時間20分切りも普通に達成できるレベルまで上がってきたのかな?と思っています。もっとも、田沢湖マラソンでは中間地点通過が1時間30分という超高速ペースで臨んだ結果、30キロ地点で自爆してしまいましたが…。

それでも、毎回その時の走力を見極めた目標や課題を立ててレースに臨んでいたので、多少のばらつきはあったものの、今年は大体納得のレース展開となった大会が多かった気がします。しかしその一方で、仙台国際ハーフのように、もう少し頑張れば何とかなったのに!という大会があったのも事実。もっとも、これがあるからまた、次の大会を目指そうと考えるんですけどね。

そういう意味では、今年はガッカリな結果に終わったという大会が一つもなかったのが、一番の収穫でした。むしろ、結果はともあれ次に繋げよう、とポジティヴ思考になったのが良かったのかも。

何よりも大事なのは、怪我することなくシーズンを乗り切ること。目標達成のためにはある程度の無理や努力も必要だし、その内容によっては高いリスクを負う可能性だって当然あります。
しかし、ここ最近あまり怪我をしなくなったのは、自分の実力をそれなりに理解したうえで練習の負荷を調整できているからじゃないかな、と思い始めています。以前のような無茶をしなくなった、これに尽きるでしょうか。
そして、怪我をしないためには準備運動や事後のストレッチ等がとても大事になってくるわけですが、何となくこれを疎かにしている自分がいたわけで、ケアの重要性をもっと深く理解しなければならないな、と思っているところです。

ところで。

よく考えてみると、泣いたり笑ったり感情をむき出しにするのは、マラソン大会が主となりました。

普段はあまり感情を出さないようにポーカーフェイスを気取っていますが、マラソンとなると話は別。
自分事他人事問わず、嬉しいときや感動したときは人目も憚らず感涙に噎び、悔しいときは憤りながら涙を流し、楽しいときは大いに笑う。何かスイッチが切り替わるのでしょうか、理由はよくわかりませんが、少なくとも僕自身、マラソン大会に出場したときはかなり感情が豊かとなり、そして、結果がどうあれ帰路に就くときは、何とも言えぬ幸せな気分を味わいます。

4月から配属が変わり、仕事の内容も大きく変わりました。「不測の事態」に遭遇する機会も多く、たまたま県外遠征していた時、「不測の事態」に遭遇したこともありました。それでもDNSとなることなく、さらにDNFとなることもなく全てのレースで完走したことは、皆さんのおかげで走らせてもらえることへの感謝以外の何物でもなく、今年ほどこれを痛感したこともなかったかも知れません。
職場の皆さん、家族、そしてラン仲間。みんなに感謝しなければなりません。

今年に関しては、職場の同僚に迷惑を掛けるのも何だか嫌だし、仕事で色々神経をすり減らすこととなりそうだったので、11月以降の大会は一切入れないことにしました。
それが、今年色々とご迷惑をお掛けした皆さんに対しての、せめてもの贖罪です。(来年はわかりませんが。)

以前お話ししたとおり今は、「50歳までにサブ3」という大きな目標を掲げています。しかしそこに到達するまでに紆余曲折が予想されるのは、火を見るよりも明らか。あと3年ちょっとの間で何とかこの目標に到達すべく、まずは目先のプランと目標を立てて行こうと思います。

2018年の最大の目標、それは大会の見極めと、何をすべきかの見極めをしっかり行うこと。
特に今年は8月から10月に大会が集中したことで、疲労がしっかり抜けきっていない中での大会出場となったケースもありました。中2週、中3週でフルマラソン出場は、さすがにちょっとキツかったかも知れません。

そういうこともあり、2018年はこれまでの出場にとらわれることなく、出場する大会を熟慮したうえでエントリーしようと思います。ひょっとしたら、今まで出場したことのない大会に出場、なんてこともあるのかも知れませんね…。あ、それってもしかして東京マラソン?…いや、それはない。絶対ない。

というわけで、2018年は将来のサブ3に向けた土台作り、足固めにもしっかり取り組まないと。
そして、2018年は10キロで40分(あと4秒!)、ハーフマラソンで88分(あと3秒!)、そしてフルマラソンで3時間5分(あと3分!)を切る。まずはこれを目標に据えて頑張りたいと思います。

マラソンはこれからが本格的なシーズン。
大会に出場される皆さんの快走を、ひっそりと願っております。…いや、ホントは自分も大会出たいんだけどな!!