2日続けての投稿はいつ以来でしょうか。既にタイムリーなネタではないのですが、知らない方にはこれを機に知っていただければいいな、と思った次第。
僕は通勤時、電車の中で四六時中音楽を聴いていて(例え車内で爆睡していようとも)、自分が所有しているCDや以前レンタルしたCDをパソコンに取り入れたものや、iTunesやAmazonから購入した音楽ファイルをスマートフォンにぶち込んでいます。
ただ最近は、自分の音楽嗜好が元々偏向気味だったこともあって、正直言ってこれを聴きたい、あれを聴きたい、という意欲が減ってきているのも事実。かといっていつも同じ音楽を聴いているのも飽きてくるし、最近はスマートフォンにぶち込んだ音楽をシャッフル再生しているのですが、再生途中で「あ、またこの曲か。」とスキップする機会が増えてきました。
アルバムは大事、黒人の命と同じぐらい…-そう語ったプリンスの言葉に同意しつつも、自分自身でもつい手軽に購入してしまうデジタル音楽の隆盛が、CDやレコードといった音楽マテリアルの販売低下に繋がっていることは何となく理解できるし、それが契機となってCD・レコード販売店が街から姿を消していく様子もつぶさに見ているので、なんだかちょっと複雑な気分ではあるのですが…。
さて、そんな中で音楽業界に風穴を開けるようなサービスが、音楽のストリーミング配信。中でも、昨年9月から本格的に日本へ参入したSpotifyは、先行していたiTunesを脅かす音楽ストリーミング配信サービスの「台風の目」ともいうべき存在になっているようです。
最近すっかりボロクソ言われている(一社)日本著作権音楽協会(JASRAC)との関係がどうなっているのかは知ったこっちゃないのですが、海外では4大レコードレーベル(ソニー・ミュージックエンタテインメント、EMI、ワーナー・ミュージック・グループ、ユニバーサルミュージック)、と契約を結んでいて、「合法的な音楽配信ビジネスを行っている」と謳っています。
ただ一方では、このようなサービス提供の開始とともに、アーティスト側の収益が減ったとも言われています。
一つの問題は、こういったサービスが「無料」と「定額」の二種類で提供されていて、聴く側にしてみれば、まずは「無料」で試聴、ということになると思うのですが、音楽を作った側にしてみれば、「何でうちらの作った音楽をタダで提供しなきゃならないんだよ。」という言い分も物凄くわかる気がします。ちなみにアーティスト側への対価(印税)は広告収入から支払われているようなのですが、Spotify自体は赤字が続いている一方、いわゆる海賊盤を使うユーザーを減少させた、という違う側面での効果もあったようです。そう考えると、この仕組み自体が色々と解決できていない複雑な課題を孕んでいるのも事実。
あまり言いたくないのですが、台風って未来永劫存在しないんですよね。さっきSpotifyを「台風の目」というべき存在となぞらえたこと、僕が何を言わんとしたいかはご理解いただけると思うのですが…。
また、このサービスによって、音楽が身近になる一方で、音楽のコンビニエンス化にも繋がってしまうという一面もあると思います。
音楽を聴かれる皆さん、こういう経験ないですか。
あの曲、いいなあとは思うんだけど、買おうとまでは思わないんだよなあ、とか。
あのアーティスト、興味はあるんだけど、買ってまで聴く気にはならないんだよな、とか。
そういう点ではこの音楽ストリーミング配信というサービス、うまく活用すれば「試聴」にもつながるだろうし、それが購買意欲を掻き立てることに繋がることだってあるでしょう。
もっとも、本当に聴きたいと思うアーティスト、本当に好きなアーティストならば、CDだろうがDVDだろうが、購入しますよね。
ただ、僕個人の信念として、「アルバムの中の1曲だけつまみ食い」というのは邪道なことだとずっと思っておりまして、アルバムという一つの作品である以上、まずは全体を通して聴いてなんぼだろう、という思いを持っています。よって、アルバムの中のあの曲だけを購入する、ということは正直言ってしたくありません。
…あ、話が横道にそれましたね。すいません。
実のところ、このストリーミング配信ってなんかデータ通信量が凄そうだなあと思って、自分のスマートフォンにアプリを導入することはずっと躊躇していたのです。がしかし、ストリーミング配信でも一度スマートフォンに楽曲をダウンロードすればオフラインでも聴けるというサービスがあることを知り、ここ1か月ぐらいお試しで使っています。(ちなみにAmazonMusicとSpotifyの併用です。)
そんな中、Spotifyが、初回登録に限り月額980円のプレミアムサービスを3か月100円で提供するというキャンペーンを開始しました。以前も同じキャンペーンを行っていたとのことですが、ちょうど渡りに船、物は試しと思い、このサービスを利用してみることに。
何がいいって、無料メンバーの場合だと楽曲がシャッフル再生され、更には途中で広告が挟まってくるものが、アルバム1枚丸々通して聴くことができますし、曲のスキップも可能です。当然楽曲をダウンロードすることもできますので、自宅でWi-Fiのデータ通信を利用してスマートフォンに音源を保存しておけば、外出先でもオフラインで音源を楽しむことができます。
これでデータ通信量を気にする必要はほぼなくなった、と。
そして何よりも驚いたのは、つい先日発売された楽曲やアルバムが既にアップされているんですね。
例えば、これ。布袋寅泰の最新アルバム「Paradox」。丸々聴くことができます。
海外に目を向けるとはい、こちら。元Terence Trent D’arbyの名で知られるSananda Maitreyaの2017年に発表された最新アルバム。
53曲も収録されているこのアルバム、iTunesでは4000円で「販売」されている代物。それが100円でアルバム丸々試聴できるんだから、やっぱり凄いですよ。(無料でも聴けますが、シャッフル再生に広告の音声が流れます。曲飛ばしも不可。)
ちなみに。たった100円で3か月というトライアル期間が設定されていますが、この間にプレミアムサービスの支払ユーザーを解約しなければ、翌月から通常月額料金の980円を支払うこととなります。よって、100円のみでお試ししたい方は、3か月のトライアル期間が終了するまでに、プレミアムサービスへの加入を解約しなければなりません。
まあ、人それぞれ考えが違うとは思うのですが、4000万曲以上とも言われる楽曲をいつでも楽しむことができることを考えると、他のサービスでアルバム1枚を購入するよりもはるかに安価なわけでして、むしろアーティストに申し訳ないな、というぐらいの気持ちに苛まれたり。
ちなみにプリンスの楽曲、アルバムも登録されています。
しかし、全ての楽曲が網羅されているわけではありませんし、個人的にはプリンスの曲をSpotifyで聴こうとは思いません。だって、自己所有のアイテムがあるから。
また、せっかくプレミアム登録したけれど好みのアーティストがいなかった、という可能性も捨てきれませんので、登録されるのであれば、そのリスクも念頭に入れながら手続きされた方がよろしいかと。
Spotifyはどちらかといえば洋楽好きな方におススメできるサービスといわれています。しかし、ジャズや演歌、クラシックにアニメなどもカバーしています。また、新しいアーティストの発見もあったりして、重箱の隅を楊枝でほじくるところまではいかなくとも、痒い所に手が届くぐらいのサービスなのかなあ、と思ったところです。
ちなみに自宅にいるときは、Wi-FiでSporifyの「アーティストRADIO」を流すのが最近のお気に入りです。