日別アーカイブ: 2013-11-19

【青森中央学院大学特別公開講座】『自治体の広聴広報戦略を考える』~SNSが拓く未来の自治~


行政側から住民に対して発信される情報は、ここ最近かなり内容が変わってきている気がする。いや、内容は変わっていないのかも知れないけれど、文字ばかり羅列されたいかにも事務的で機械的な情報発信から、画像やデザインにも凝った、視覚に訴えるような情報発信。
これまでの紙媒体のみによるものから、動画やSNSの活用といったものまで手を広げるようになり、発信媒体も多種多様化している。

そんな中、市のWebサイトをFacebookページへと移行してしまった佐賀県武雄市。図書館の管理運営をレンタル大手の「TSUTAYA」に任せ、中にスターバックスまで設置してしまったという奇抜な「市立図書館」を持ったことでも有名。同じ行政機関の間からは「一目置かれた自治体」として注目を浴び続けている。

そんな武雄市では、何と市役所の組織として「つながる部 フェイスブック・シティ課」なるセクションを設置している。どこまでが真面目で、どこからが不真面目なのかはわからないが、当の本人たちは至極マジメに取り組んでいるらしい。

そのフェイスブック・シティ課を取り仕切る課長の山田恭輔さんが、ご縁あって青森中央学院大学において特別公開講座を行うというので、これまたFacebook上でのひょんなことがきっかけで約20年ぶりに再会することとなった、同じ行政職の新採用研修を受けた同志、平川市役所の齊藤さんに誘われ、青森中央学院大学まで出掛けた。
僕自身、これまで業務としての広聴や広報に一度も携わったことはないけれど、例えばこうやってブログなんかを利用して(大して中身のない)情報発信をするに当たっても参考になるんじゃないか、なんてことを思ったからだ。(←この時点で本来の開催趣旨からずれています。)

以下、Facebookのイベントページより抜粋。

開催日時:11月16日(土) 15:00~18:00
開催場所:青森中央学院大学 712教室
対象  :一般(地方議員、自治体職員等) 100名程度

開催趣旨:
行政と住民とのコミュニケーション手法として注目されているのが、ツイッターやフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービズ)です。
佐賀県の武雄市では、市のホームページを全面的にフェイスブックに移行し、市民との双方向のコミュニケーションを行うほか、フェイスブック上に「FB良品」という通信販売サイトを市が自ら立ち上げ、市内の事業者の特産品などの販売を応援しています。そうした武雄市のSNSを活用した全国最先端の実践の中心的な役割を担う「つながる部フェイスブック・シテイ課」の山田恭輔課長に青森にいらしていただき、その取り組みを紹介してもらうとともに、青森県内の自治体でのその応用の可能性を考えていきます。

≪基調講演≫
『フェイスブックが未来の自治を拓く ~武雄市つながる部フェイスブック・シテイ課の実践~』
山田 恭輔 武雄市つながる部フェイスブック・シテイ課長
1968年佐賀県江北町生まれ。1991年九州大学卒業。
1992年佐賀県庁入庁。在職中、早稲田大学大学院公共経営研究科
で学び、2006年修了。2008年衆議院議員逢坂誠二
(元ニセコ町長)秘書。2009年武雄市入庁、現在に至る。

≪パネルディスカッション≫
『自治体の広聴広報戦略を考える』
パネリスト
宮下 順一郎 むつ市長
五十嵐 雅幸 弘前市財務部長 (前広聴広報課長)
山田 恭輔 武雄市つながる部フェイスブック・シテイ課長
コーディネーター
佐藤 淳 青森中央学院大学経営法学部 専任講師

会場となる712教室の扉を開けると、各地において行政に携わる方々はもちろん、地方議員の方々、そして一般の方まで多種多様な顔ぶれが集まっていた。

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今回の講演を開催する場を設けた青森中央学院大学経営法学部の佐藤淳専任講師から、今日の講師を務める山田さんの簡単な略歴が紹介された後、いよいよ講演が始まった。
以下、残したメモとともに、備忘録として。

○「つかみ」が、凄い。

冒頭、聴講者の緊張を解き、場を和ませるアイスブレイクは、聴講者の「うさうさ」脳診断。
身体を動かし、頭を動かし、笑いを取る。まさにツカミが完璧。「うさうさ」脳診断は以前テレビで観たことがあったけれど、実際やってみると、これだけで一気に話に引き込まれる。
ちなみに私、「うう脳でした」。

○「講演内容」も、凄い。

たった1時間なのに、広聴広報だけではなく、「カイゼン」にも繋がりそうな重要なキーワードがたくさん。

ネーミングを変えるだけの情報発信が、インパクトを与える(→注目が集まる)
情報発信の一方通行から、キャッチボールへ
公私一体(公私混同ではない)
失敗を隠さず公表する→失敗したことは責められても、公表したことを責められることはない。
漫然と情報発信することではなく、そのボリュームが大事
(投稿数、投稿の時間帯など、いわば戦略的な情報発信ということか)
できない理由を考えるのではなく、どうすればできるかを考える。
・それはできないという「思い込み」
・それはしてはいけないという「思い違い」
・それをしたくないという「思い上がり」

まちづくりを支える3つの「シップ」
・リーダーシップ
・フォロワーシップ
・メンバーシップ
→これらがお互いに補完し合う。

そして、「まじめにふざけて仕事する」
この言葉が、ガツンと胸に響きました。

○講演の「資料」が、更に凄い。

約1時間でのスライド数が100枚以上!
行政にありがちな、作成した者の満足度しか高めることのできない、文字ばかりが羅列したプレゼン資料ではなく、脳と視覚を刺激するインパクトのある資料。文字のみだったり、画像のみだったり。あの内容では、強烈なインパクトとして残るので、当日コピーして配付する必要がない(これも行政にありがちな意味のないプロジェクターへの投影。紙に印刷するんだったら投影する必要ないのに、とか思ったり。)
→これだけでも、何となく話を聞いている、聞かされているのではなく、文字通り聴講しようという姿勢に変わる。

…といった感じで、1時間の講演プラス30分間の質疑応答なのに、凄く濃厚なお話を伺うことができた。文字通りあっという間の内容。

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講演慣れしている、という言い方は失礼かも知れないが、山田さんのソフトで滑らかな語り口を聞いていて、いつも歯切れが悪く噛みまくりの僕は、是非とも山田さんにあやかりたいと思ったのであった。
諸般の事情で後半のパネルディスカッションの前に退席したが、パネルディスカッションも盛り上がりを見せたとか。

「まじめにふざけて仕事する」。
これって多分、オンタイムもオフタイムも同じことを求められているのかな、と思ったり。その切り替えが上手くできる人間って、絶対懐が深い人物だと思うんです。

…でも、これがまたできそうで、なかなかできないんですよね。僕ももう少しまともな発信ができるよう、頑張ります。…あ、違うか。