妹が結婚することになったのを機に、少しでも結婚式でいい写真を撮ってやろうじゃないかという兄としての配慮から(ホントかよ)、初めて一眼レフカメラを購入したのが3年前。
カメラに関する知識は何もなく、絞りとかシャッター速度とか聞いたことはあるけれど興味なし。要するに写真なんて自分の感性とタイミングで映し出されるものなのだ、と割り切っていたし、使いこなせるかどうかもわからないのに、高いカメラを購入してもね…という考えもあって、初心者は初心者らしくハイスペックなものは求めず、とにかく安価なカメラを探した。
結果として手中に収めることとなったのは、キヤノンのeos Kiss X50という廉価版のモデルで、しかもアウトレット品を購入したこともあって、実はレンズ込みの本体価格で3万円ぐらいしかしないカメラだったということを、今だから明かそう。
ただ、全自動で撮影するのも芸がないということで、フラッシュの自動発光をさせないように設定してみたり、「クリエイティブ全自動」という機能を駆使してみたり、人物や風景をたくさん撮影してきた。
とりわけ、僕が所属する「弘前公園ランニングクラブ」の場で活躍することとなり、いろんな大会はもちろん、宴席でも相当シャッターを切った。
結果、ランニングクラブの中にはカメラ好きが集まってカメラ部が密かに結成された。しかし、僕は初心者に縮れ毛が1本生えた程度のレベルなので、もうちょっといろんなものを撮影する機会を得なければならないかも知れない。
実は未だに不得手にしているのが、仲間達が走る姿を撮影することなのだけど、これも経験を積んで慣れていくことに尽きるのだろう。
さて、そんな初心者に縮れ毛が1本生えた程度のレベルなのに、揃える機器だけはイッチョ前。
三脚はもちろんのこと、同梱されていたレンズを下取りに出して単焦点レンズを購入してみたり、Amazonで見つけたタムロンの18-200ミリレンズを購入してみたり(だって、安かったんだもん)、挙げ句の果てにはリモートスイッチを購入してみたり。
さて、ここまで揃えても撮影するのはうちの愛犬か愛すべき酔っぱらいどもといった感じだったのだけれど、リモートスイッチを購入したのにはワケがあった。
沖縄の星空を撮影してみたいと思ったからだ。
しかしながら、その後2度訪れた沖縄では曇天(台風接近のときもあった)だったり、強風だったり、逆に月明かりが強すぎて星が全く見えなかったりと、結果的に星空撮影に至ったことは現時点で一度もなし。裏を返せば、リモートスイッチの出番は一度もなかったというわけだ。
ところが、ひょんなことからその機会は突然訪れた。
弘前市で行われる「第10回 古都ひろさき花火の集い」の桟敷席の券を頂いたのだ。実はこれまでの9回、この花火大会には一度も足を運んだことがなく、家の向こうに広がる雑木林の奥から聞こえる打ち上げの音と、時々辛うじて見える花火の形を見た程度だった。ちなみにこの花火大会、東北の夏の先陣を切って行われる大会なのだとか。
せっかく券を頂いた以上は、行くしかないでしょう!ということで、妹家族と母とともに、初めて花火の打上げ会場を訪れた。
低めに三脚を設置し、カメラをセット。シャッターを切るリモートスイッチをセットし、シャッタースピードは当然BULBに設定。これでスイッチを押し続けている間、シャッターは開放される。
レンズのフォーカスモードをAFからMFに切り替え、無限大(∞)に上げた。カメラ側の設定としては、ISOを100、絞り値をF10、ホワイトバランスは白熱電球に設定。
そして、レンズを覗き込みながらではなく、画面を見ながら撮影に臨むということで、ライブビュー表示に切り替え。ちなみにここまでは、完全にインターネットで得た情報の受け売り。
あとは、実際に上がる花火を見ながら微調整していけばいいだろう。
そして、まだ明るい中で小さな花火の打ち上げがスタート。
打ち上げのタイミングや、花火の位置を目視しながら、シャッターの開放時間やレンズの方向を色々試してみる。
まあ、下手な鉄砲も数打ちゃ当たるということで、手当たり次第に撮影してみるか…。
片手にビール、片手にリモートスイッチを握りながら、次から次へと打ち上げられる花火に感嘆の声を上げる。どれぐらいの高さなのか、どういった拡がりを見せるのかわからないまま(この時点で、というかプログラムは最初に目を通した程度で、あとは全然見ていませんでした)、ひたすら勘に頼ってリモートスイッチを押し続ける。最初の頃は露出しすぎて白くならないかとシャッターの開放時間を短めにしていたけど、だんだん慣れてくると、長めに開放できるようになったし、三脚の微調整をする余裕すら生まれてきた。
いやあ、これ面白いわ~!
ということで、この日撮影した80枚以上の画像から、比較的良く写っていると思われる5枚だけをチョイス。
で、こうやって見ると真っ暗になる前に撮影した花火の方が、個人的にはいい感じかな、と。暗くなってからは、絞り値をもう少し上げるか、露出を調整すればよかったかな。
しかし、最初は「寒くなったら途中で帰る。」とか言っていたのに、結局最後の演目が終わるまでいましたよ、ええ。
初めて花火を撮影してみましたが、どうでしょう?
ということで来年は是非、ランニングクラブの写真部で撮影に行きましょう!もちろんビール持参でね。