僕には、気の置けない畏友が5人いる。
大事な仲間であり、同志であり、ライバルであり、そしてホントに困った時に手を差し伸べてくれる救世主であり、僕にとっては絶対に欠かすことのできない、家族同様に大切な存在、「親友」いやまさに「心友」だ。
6人の共通点は、同じ中学校を一緒に卒業したということだけだが、小学校入学前、つまり幼稚園から一緒だったというメンバーがいる一方で、一度も同じクラスになったことがないメンバーもいる。以前から個々の関係はあったが、この6人で何となく集まり始めたのが、確か大学生になった頃だと記憶しているので、かれこれ30年以上も連んでいることになる。
「いつもの」と称した6人での飲み会はもちろん、カラオケに行ったり、キャンプに出掛けたり、釣りに出掛けたり、それぞれの彼女を連れ立って出かけたことも幾度となくあった。
この間、それぞれが大小色々やらかしながらも、役人に教員、消防職員、そして検査技師と、かなり「お堅い仕事」に就き、そして、家庭を持った。
思い起こせば30年以上の間に色んな紆余曲折があったが、恐らく数年後には孫を抱く、そんな時期がやってくることだろう。
昨年のある日のこと。
新型コロナウイルス感染症への対応に追われる中、合間に開催した「いつもの」メンバーとの小宴。健康のこと、家族のことなどをネタにしながら飲んでいるうちに、50歳の大台に突入した者が数名出てきたことに話が及んだ。
「全員が50歳を迎えたら、集合写真でも撮るか。」
誰かが発した冗談めいた発言に、みんなが食いついた。
「それ、面白いね。スタジオに行って写真撮影でもやるか。」
本気半分、冗談半分でのやり取りだったので、その場限りの「ネタ」ぐらいにしか思わなかったかも知れないが、僕の中では、これは絶対にやりたい、という気持ちが芽生え、その思いは日に日にどんどん膨れていった。