日別アーカイブ: 2016-11-15

半身創痍 - 第2回さいたま国際マラソン(前編)

いつものごとく大会出場のネタはどうしてもダラダラ長くなってしまうので、今回は幾つかに分割してお届けします。まずは前編、前日から当日のスタート直前まで。


ここまで来ると風邪なのか何なのかわかりませんが、鼻水と咳が多少残っているという、万全の体調には遠く及ばない状況の中で臨んださいたま国際マラソン。「ジャパンツアー 2016」と銘打った、今年のマラソンの最終レースです。

前走となった9月の田沢湖マラソン、最後の4キロで歩いたり走ったりを繰り返しながらも、3時間17分台前半を叩き出したことは、僕にとって一つの自信になっていました。最後は歩いても17分台を出せた、しかも、あのハードなコースで自己ベストを更新できたんだから、もっと狙えるんじゃないか…そんな一つの自信が生み出した、大きな欲。ここまで来たら3時間15分を狙いたい。いや、あわよくば3時間10分も切ってしまいたい…。10月は、フルマラソンの大会が一本もありませんでしたが、走りの内容と何を鍛えるのかということを意識しながら練習に取り組んだ結果、月間走行距離は初めて250キロを突破。中には、同じコースを3往復するというちょっと風変わりな練習も取り入れたり、色々模索しながらも徐々に走りの質を高めていったつもりでした。その結果、4月に続いてハーフマラソンで二度目の90分切りを達成するなど、今年取り組んだ成果が徐々に出始めていると感じていました。しかしながら、簡単ではないとわかっていながらも、野望を抱きながらトレーニングを続けてきた中、最後の仕上げのタイミングで見舞われた厄介な風邪は、底まで落ちた僕の体調を元に近づけるのと引替えに、士気をどんどん削いでいくこととなりました。
少しでも体調を元に近づけたく、1週間のアルコール、炭酸類抜きを敢行。食事の量にも多少気を遣いながら、万全の体制に持っていきたかったのですが、結局それは叶いませんでした。でも、心の中は決まっていました。せめて3時間15分は狙えるはず、いや、やってやろうじゃないか!

screenshot_20161111-071123(イメージはこんな感じだった。)

実は、お守りみたいにしていたものがあって、直近で走った10キロとハーフマラソンの結果を入力して分析したところ、どうやら3時間4分台までは行けそうだと。まあ、いきなりそこまでは無理にせよ、それに少しでも近づいてやろうじゃないか、という野心を密かに抱いていました。

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ところが大会前日の12日、意気揚々と大宮に乗り込むつもりだったのに、今度は原因不明の頭痛に襲われることに。オラの身体、どうなっちゃってんだろ?
同じく大会に出場する弘前公園RCのOさん、Sくんとさいたま新都心駅に集結、いざ、さいたまスーパーアリーナへ。

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例のごとく全くストレスフリーの受付でゼッケンナンバーの引換(今回も本人確認はありませんでした)、サイズが自己申告というPUMA製のオリジナルTシャツの受取りを済ませ、遅めの昼食。しかしこの時も、寄せては返す激しい頭痛を隠しながら、騙し騙し昼食を取りました。
駅でお二人と別れた後は、野暮用を済ますために東京都心へ。某所にて手早く用事を済ませ、この日の宿泊先である浦和駅横の浦和メッツへチェックインしたのが、午後4時30分過ぎでした。

遅めの昼食だったため空腹感もなく、とにかくこの頭痛を何とか取り除かなければならない、と持参した市販薬を服用して横になりますが、全く眠れず。
仕方がないのでホテルの近くで軽めの夕食を済ませ、広めのバスタブにお湯を張り、半身浴。結局20時30分過ぎには布団の中に潜り込み、気がついたらそのまま眠りについていました。
翌朝目が覚めたのは、4時40分。約8時間は眠った計算に。頭痛は治まりましたが、今度は胃の辺りが痛んでいました。ったく、どうなっているんだ!
とはいえ、喰うものは喰わなきゃならないし、ちゃんと食事をしないと、エネルギー切れを起こすことにもなりかねません。
1階のレストランでご飯大盛りと納豆、目玉焼きにウィンナーとベーコンという、野菜感まるでなしの朝食を済ませ(炭酸を控えていたのにうっかりドリンクでカルピスソーダをオーダーしたのは誤算でしたが)、部屋に戻ってからはまた例のごとく切り餅(今回は4個)と更に納豆1パックを頬張り、7時30分にチェックアウト、会場に向かいます。

会場の受付では丁寧な手荷物検査が行われていました。キャリーバッグと折りたたみのリュックに入った荷物の確認を済ませてアリーナの中に入ると、通路には溢れんばかりの人、人、人…。前回は参加人数が少なかったこともあり、スタジアムに荷物を置き、そのままレースに参加していたのですが、今回はスタジアムが開放されていないようで、これは一つの誤算でした。仕方がないので空きスペースを見つけ、そこで軽めのストレッチをしながら、おもむろに荷物の整理。周囲を見ても、こんなキャリーバッグ持参で来ている人はほとんどおらず、居心地の悪い恥ずかしさすら覚えたのでした。

しかもスタートの30分前、9時10分までにAブロックにいないと、Cブロックの後ろというかなり後方からのスタートとなってしまうため、肌寒い中を外で待たなければならないという事情があります。ひとまず8時30分頃に、人の流れに沿って移動を開始、手荷物を預けるためスタジアムへ。足を踏み入れて納得…なるほど、スタジアムの座席自体が手荷物置き場になっていたワケね。だから入場させてくれなかったのか。ところが僕の手荷物預かり所はここではなく、更にそこから隣のスペースに更に移動し、A・B・Cブロックのための手荷物預かり所へ。…なんだ、ここって昨日受付をやった会場じゃないか。他の方々と比較しても、大きさ、重量ともに倍はあるデカい荷物。「大きな荷物ですいません。」「いえ!大丈夫です!頑張ってください!」とニコニコ笑顔を浮かべる女子高生。ありがとう、オジサン頑張って行ってくるよ。

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ここで外に出てはまだ肌寒いので、そのスペースでしばし佇むことに。程なく、手荷物を預けるAさんの姿を確認、(個人的には)久し振りの再会に心を弾ませたのでした。

dsc_1037(この先が各ブロックへの入場口、いや出口。)

dsc_1036(僕以外にも何となく佇んでいる人が何人かいました。)

その後、待てども待てどもその他の仲間の姿が一向に見えないため、AさんとともにAブロックへ向かいます。外に出ると、青空が一面に広がっているものの、やはりちょっと肌寒い感じ。ううむ、またトイレに行きたくなるではないか…。(しかし結局この後ゴールするまでトイレには行きませんでした。)

ちなみにこの日、弘前公園RCからは計7名がエントリーしていたようで、Aブロックに4名(Aブロックにはもう一人エントリーしていたMさんがいたのですが、やむなくDNS)、Bブロックに1名、更に後方のブロックから1名が出場しました。いずれもサブ4で走ることのできる皆さんですので、それなりに近いタイムでゴールできるのではないか、と思っていたのですが…(これはまた改めて)。

移動する途中で、脚痙り対策の漢方薬、そして痛み止めを経口補水液のゼリーで服用。実際Aブロックに着いてみると、スタートのゲートがかなり近い位置に見えており、これなら前回(Dブロックからのスタートで3分30秒のロス、最初はスタートゲートすら見えなかった)と違ってスタートロスもさほどなさそうな感じ。
程なく、SくんとNさんが到着。これでAブロックスタートの役者は揃いました。

_20161113_192925(皆さんいい顔をしています。)

とはいえまだスタートまで約40分。程なく、先発の代表チャレンジャーの部がスタート。その後我々のスタートまでの30分間は心と身体の緊張をほぐすため、常に身体を動かしている感じ。他愛のない会話をしながら、皆さん思い思いに作戦を考えているようで、徐々に無口になっていきます。
どうやって最初の5キロを進もうか、しばらく続くアップダウンの後の平坦な区間をいかに「寝て」過ごすか。そして、28キロ付近から再び現れるアップダウンを、どう乗り切るか。色々頭の中でイメージを膨らませます。いや、とにかく今日は最後まで絶対に立ち止まらないし歩かない、そうすれば自ずと結果はついてくる!なんてことを考えていると、いよいよスタートまで5分を切りました。静かに手を合わせ、ゆっくりと目を瞑り、青空を見上げます。
ほんの数秒の間でしたが、静かに目を開けると、あれ?隣にいたはずの仲間がいない?何と、僕が瞑想しているほんのわずかな間に、5メートルぐらい前進したらしく…周囲の皆さん、ボーッとしていてすいません。結局その位置からスタートの号砲を聞くこととなってしまいました。
(つづく)