日別アーカイブ: 2004-09-08

落下したリンゴ

台風18号が、未明から早朝にかけて青森県に最接近しました。
接近・上陸はこれで4度目だったかな?このペース、異常です。今回の台風の特徴は、雨をもたらすものではなく、暴風が吹き荒れるという点。
予想はしていまいたが、電車は軒並み運休そして大幅な遅れ。私が毎日通勤する電車も、約20分遅れました。一部区間では徐行運転となったため、自転車並みのスピードで駆け抜ける快速に辟易。もっともこれはまだマシで、反対側のホームに停車していたのは6時30分に弘前を出発するはずの特急で、約50分遅れで出発していきましたが…。
ゆっくりと徐行する電車の窓から外を眺めると、黄金色に輝く稲穂が頭を垂れて、吹き返しの風に揺られています。その姿は、まるでうねりを伴った海面のようで綺麗…。いやいや、そんな芸術めいたことを言っている場合じゃないのです。雨がそれほど降らなかったのが、不幸中の幸いだったみたいです。稲穂に雨が付着し暴風に晒されると、重さに耐えられずに根元からなぎ倒され、収穫すらできないような、そんな状況になってしまうんだとか。電車の中でおばちゃんが熱弁を振るっていました。確かに見ると、若干倒れていた稲はありましたが、甚大な被害には至らないようです。
一方、悲惨な状況なのは「リンゴ」。
早稲品種は収穫が始まっていたので難を逃れましたが、主力品種である「ふじ」はこれから色づき始めるという段階。果樹園によっては、リンゴの木そのものがなぎ倒された場所もありますし、ほとんどの実が落下してしまった木もあるようです。実際それは、電車の中から見ても確認できました。落下したリンゴは商品にはなりませんし、まだ青リンゴのため、加工品にもならない可能性があります。
手塩にかけて育てたリンゴが、一晩で商品価値のないゴミになる。これが、台風の怖さです。
そこでお願いというのが、恐らくこの先、落下したリンゴなど被害農産物の販売に動き出すはずなのです。いや、現実に動いています。イトーヨーカドー、イオングループなどの支援を受け、落果リンゴの販売が行われる予定になっています。今のところ青森県内だけを想定しているようですが、もしも他の地域の店頭でも見かけることがありましたら、是非手に取ってみて下さい。購入していただければ、なおありがたい。よろしくお願いします。
でもね、生産者側にしてみれば、そういう問題じゃないみたい…。
これ読んでみて。1991年の台風19号に被災した農家の子供が書いた文集です。グッと胸に来ます。