静岡県沼津市へ3泊4日で出張してまいりました。考えてみると、静岡県ってこれまで東海道新幹線で数回通ったことはあるけれど、一度も下車したことがありません。
というわけで、実は今回が静岡県初上陸。
沼津市には東北オフサイトミーティングを通じて知り合った仲間が一人いまして、事前に「今度沼津へ行くので、なんかおいしいもの教えてください。」とお願いをしたら、「おいしいものの前に、まずはこっちですよね。」とランニングマップのURLを送ってきてくれました。
さすがKさん、よくわかっていらっしゃる!と片膝叩きながら、例のごとく出張用の荷造りで一番最初に収まったのはランニング用のアイテム。ただ、今回はもしも走ることができたら、ぐらいにしか考えていなかったので、そんなに気合いは入っていなかったのであります…が。
10月9日(日)。暦の上では連休の中日ですが、翌10日からの用務に備え、この日の午前から移動を開始。
お昼前に新青森を出発し、東京へ向かう東北新幹線に乗車。日曜日だし、移動日だし、ここは一本プハー…のつもりだったのですが、何となく気乗りせず、東京駅に到着。東海道新幹線は約20分の乗り換えでこだま号に乗車、三島で下車した後は東海道線で沼津へ。
沼津駅に降り立ったのが16時40分前。新青森から約4時間半、思ったより近いところにあるのですね。
宿泊するホテルまで徒歩5分とかからず、チェックイン後、まずは外の明るさをチェック。
気温は思ったほど高くなく、外を歩く人は皆さん長袖を着用。そんな中、おもむろにランパンTシャツに着替えた私、まずは送って頂いたランニングマップを参考に、狩野川沿いをジョギングしてみることにしました。そう、結局のところ走りたくてビールを飲まなかったんです。
ということで、沼津市ランニング日記。
(1)狩野川ランニングコース
沼津駅北口前にあるホテルから駅の南側にあるJR東海道本線の「あまねガード」をくぐり左折、南口へ。駅前を通り抜け、右折。そのまま直進すると、狩野川に架かる三園橋が見えてきます。橋を渡り、狩野川の左岸へと出ると、河岸堤防を利用した、かなり立派な自転車歩行者専用道路(港大橋天神洞線)が通っています。
夕方、だいぶ日の入りの時間が近づいていましたが、多くの市民の方々が散歩していました。その中を、ゆっくりとジョグ。ふと後ろを振り返ると、雲に隠れた富士山のてっぺんが「静岡県にいらっしゃい。」とちょこんと顔を出していました。
この道路の凄いところ、橋梁と道路の交差付近にアンダーパスのようなスロープが設けられており、車の流れを全く気にすることなく走ることができるのです。
距離にして片道2キロ程度でしょうか、河口近くの江川排水機場付近までのコースとなっていますが、何となく物足りないので、そこから階段を降りてもう少し河口に向かって走ってみました。防潮堤の機能を有した河川堤防がずっと続いていて、(本当は立ち入り禁止なのでしょうけれど)釣りを楽しんでいる人の姿も見られました。八幡神社の横をすり抜けると、駿河湾が目の前に。どうせここまで来たなら…と更に防潮堤の上をジョギング、突端近くで折り返し。
それにしてもこの日は、実に夕日が綺麗でした。思いがけず素晴らしい光景に出会うことができました。
復路の時間になると、だいぶ辺りが暗くなってきました。念のためLEDライトは持っていましたが、何と柵に取り付けられた灯りが点り、視界も確保できることから、危険度はほとんどゼロ。
しかも、例のスロープ両側には発光体が敷かれており、こちらも安全に走行することができました。いやはや、恐るべし。(ホテルまで往復10.5キロ。)
(2)千本松原ジョギングコース
Kさんからもう一つ聞いていたのは、沼津市にある千本浜公園から延々と西側に延びる防潮堤。富士川河口まで続いているらしいのですが、一体そこまでが何キロなのかも把握せず、10日の早朝は防潮堤の上を走ってみることにしました。
前日同様「あまねガード」をくぐり、そのまま直進すると、程なく「アーケード名店街」と書かれた商店街が現れます。後に聞いたところでは、中心市街地の空洞化の波が沼津市にも押し寄せているようで、確かに多くの店舗が既に店じまいしたような雰囲気にも見えました。もっとも、早朝だったので、確認したわけではないのですが…。
何となく昭和を思わせる街並みを抜け、千本浜公園へ。公園の横を素通りし、その先にある防潮堤へと足を踏み入れます。
東海地震に備え、延々と続いている防潮堤は、それほど高さがあるというわけでもありませんでした。駿河湾を望む砂浜では多くの釣り人が獲物を狙って竿を出しているほか、こちらもたくさんの方が散歩やジョギングをしていました。富士山は、一瞬チラッと見えたけど、すぐに見えなくなってしまった。嗚呼、このまま富士山を一度も望むことなく青森に帰らなければならないんだろうか…。
ずっと走っていて思ったこと。左手には駿河湾、右手に松林。この景色が延々続くので、結構退屈です。考えようによっては北海道マラソンの新川通よりも辛いかも知れません。しかも、防潮堤ですから当然のことながら自販機やトイレなどがありません。結局6~7キロ走ったのでしょうか、さすがに飽きてきたので防潮堤を降りて、千本松原が生い茂る中へ。
実はこの中にはジョギングコースが設けられています。0.5キロ毎に道標があるようです。
最初に見つけたのは、6.0キロの道標でした。(「千本ジョギングコース」と書かれています。)
そこからスタート地点を目指します。路面は踏み固められた土ですが、時々松の根っこが出ているところがあります。かと思えば浮き砂があったり、更には雨の影響で滑るところがあったり、逆に、松の針葉がいい感じでクッションになっているところもあるなど、起伏はほとんどありませんが、不成形のコース、ちょっと面白いです。ジョガーの数も比較的多く、散歩している人も結構います。突然現れる墓地や、伐採された松など(実は松食い虫にやられたらしいです)、一瞬景色に変化が見られるものの、基本的には松林の中を走るということに変わりはないので、楽しいながらも道標はまだか…とついつい考えてしまいます。
ゴール地点、というか本来のスタート地点である千本浜公園が近づくと、スマホ片手の人が急に増えます。どうやらこの周辺はポケモンのスポットらしいです。
そんな皆さんを横目に公園を出た後は、往路と逆のコースを辿り、ホテルへ着いたのでした。(ホテルまで往復16.8キロ。)
(3)狩野川~沼津港~千本松原
11日も早朝からジョギングすることに。この日は、(1)と(2)をミックスした形で走ってみることにしました。狩野川と千本松原を繋ぐポイントは、港大橋と沼津港。実は前夜に沼津港でKさんと会食をし、頭の中に地図がインプットされていたのであります。
狩野川左岸を河口に向かうコースは、9日と同じ。この日は江川排水機場付近で折り返し、程なく現れる港大橋を渡り、対岸へ。そこに拡がるのが沼津港。早朝、水揚げを終えた漁船が並び、魚市場の中では競りが行われていました。沼津港の入り口に立つ水門「びゅうお」は、万が一の場合、ここから市街地への津波流入を防ぐ役割を果たす他、津波避難施設の役割も担っており、普段は展望台としての機能を備えているそうです。
この横をすり抜けて防潮堤に上り、前日走った千本浜公園の横をすり抜け、程なく千本松原の中へ。疲れも少し残っているので、疲労抜きも兼ねたジョギングとなりました。10.5キロ。
結局、もしも走ることができたら…なんていいながら滞在4日のうち3日間走ってみました。最終日はさすがに疲れが溜まっていたこと、そして7時30分にホテルを出発することになっていたので、躊躇してやめました。
しかし沼津市、風が吹くと特に沿岸部は大変そうですが、走るにはとてもいい環境ですね。