ローカルだからこその醍醐味 – つがる地球村一周マラソン #マラソン


毎年、規模の大小問わずマラソン大会には色々参加しているのですが、陸連公認の大会は、公認であるがゆえに大会そのものの質や内容が問われる、ということがあります。単に出場するランナーのわがまま、という人もいるのも承知している一方、安全面の考慮やいかにスムーズにスタートを迎えることができるかなど、少しでもいい状態で大会に臨みたい、というのはランナー誰もが思うことではないかと思いますし、それが当たり前なのではないかと思います。…だって、それなりの参加料も支払っているわけだから。

他方、地元開催の大会に目を向けると、ローカルならではの工夫や志向、そこだからこそできる手作りのような大会もあります。

来週開催の「弘前・白神アップルマラソン」が目指すべき方向が未だによくわからない中、ほぼ同じような時期から開催されていながら、ある意味ローカルの運営にとことん徹しているのが、今回出場した「第13回つがる地球村一周マラソン大会」。

つがる市森田で開催されるこの大会、今回で3度目の出場ですが、既に癖になりつつあります。ただ、ここでこの大会を強烈に推すと、来年の参加者が増えて「色んな恩恵」が受けづらくなるので、さらっとだけ紹介しようと思います。

…あ、その前に結果だけ。
正直、大会そのものに出場しようかどうか悩むぐらいテンションが下がっておりまして。田沢湖マラソンの翌週、5日間全く走らなかったので疲労は抜けていると思っていたのですが、23日土曜日の朝練でサブ4ペースランナーの練習と称して2時間かけてハーフを走ったのが結構堪えました。自分で言いだしたくせに。

かなり筋肉に疲労を感じ、土曜日夕方からは左足ふくらはぎが時々痙攣をおこしたかのようにビクビクと反応するという不安と恐怖を抱えたままレースに臨むこととなったため、途中でやめることも考えつつ、スタート地点へ。悶々とした思いと不安の中、スタート…。

ところがスタートすると悪い癖。「一周」と謳っている割には折り返しというよくわからぬコース設定なのですが、行きは下り帰りは上りというコースのため、まずはイーブンで行くことを目指そう、でもあわよくば5キロ18分台を目指そう、と。

しかしふたを開けると5キロは19分台だわ、タイムは40分切るところか昨年から8秒タイムを落とすわと、ボロボロ。言い訳のネタは腐るほどありますが、今出せる実力がこの程度ということで、一切言い訳はしません!

そんな状況にも関わらず私、初めて閉会式が終わるまでこの大会を楽しんでいました。
これぞ、ローカルマジック!

…では、幾つか特徴を上げますね。
・コースは10キロのほか、5キロ、小中学生と60歳以上を対象とした3キロ。更に2名以上で参加するファミリー(1.5キロ)もありと、かなり豊富。
・エントリー料は、小~高校生1,000円、大人2,000円、一家族1,500円
・参加賞はタオルでもTシャツでもなく、何と「パン」!ランパンじゃないですよ、食べるパンですからね!

・いくつかブースがあり、ドリンクの試飲、バナナの無料提供、更にはポップコーンの無料配布まであり。
・そして、大会終了後は豚汁の提供あり。ランナーだろうが何だろうがお構いなしで群がります。温泉入浴券もいただけます。
・ゴール直後はアクエ○アス1本が提供されます。
・ただし4か所の給水はすべて水です。
・驚くなかれ、当日ワンコイン(500円)でエントリー可能!参加賞やタイムの計測はありませんが、その他のサービスを普通に受けることができます。マラソン走ってドリンク頂いて豚汁食って…コスパ高過ぎ。

…と、これだけでも魅力十分だと思うのですが、いかがでしょう。ある意味、平川市で開催される「たけのこマラソン」を凌いでいるようにも思えます。それに比べて弘前の…いや、なんでもないです!!

6位まで入賞すると表彰となるのですが、この副賞も凄い!つがる市の名産、ゴボウにネギ、上位入賞者には米、更にはホルモンや馬肉、施設で作られたドーナッツなど、紙袋に穴が開くぐらい(これホント)の副賞を頂くことができます。

そして、事前にあらかじめエントリーし、当日出走された皆さんは、全員が抽選会に参加する権利を得られます。

この商品の主たるものがまた地場産品なのです!こちらもネギにゴボウ、協賛しているパン屋さんのパン詰め合わせ(笑)、更にはコーヒーのバリスタマシン、スポーツ店や地元の道の駅にある飲食店の商品券など、多岐にわたっております。

…実は私、今回で3度目というお話をしましたが、過去2度いずれも事前抽選で賞品をゲットしていたのであります。初めてがパンの詰め合わせ、前回がゴボウ。さて、2度あることは3度あるのか…。

この大会、ローカルと侮るなかれ。
アップルマラソンの前週ということで、調整を兼ねて県内のエリートランナーが参加するのも一つの特徴で、入賞した皆さんの顔ぶれも多彩。折り返しを終えてやってくるメンバーの顔触れを見ているだけでも興奮します。
そして、私のお仲間も多数入賞しており、次から次へと表彰のために名前を呼ばれる仲間の姿に、かなり負い目と引け目、そしてその場にいることへの羞恥心にも似た感情を抱きつつ、結局最後まで表彰式を見ながら、そのまま抽選会へと突入することとなりました。

「今日は、ない、ない。」と謙遜しつつも、密かに期待する私。
入賞した皆さんが抽選で商品もゲットするという姿を横目に見つつ、「やっぱり今日は、ない、ない。」

「いや、マカナエさんはなんか持っていると思いますよ~。」と、ちょっと弄られることへの悦びを感じつつ、続々とゼッケンナンバーを呼ばれるのを聞いていたら…。

「139番」

あ!オレだ!
はいはい!と大声を出してステージに向かうワタクシ…かなり滑稽です。
すっかり舞い上がり、はしゃぎすぎて、顔も隠れるぐらい喜んでいます。アホ過ぎます。

そして頂いたのは、なんと卵40個!ありがとうございます!
「卵マン」なる称号までいただき、恐縮です(笑)。

ということで、2度あること、3度ありました!抽選に関してだけは3戦3勝。
すいません、ホントすいません!

しかも頂いた卵は「にっこり もっこり 福々たまご」ですよ!
文字通りビックリ、にっこり!もっこり!?ですよ。

もっとも、顔ぶれを見る限り入賞は絶対ありえない大会なので、今後もまた皆さんの入賞と抽選会を楽しみにして参加したいなあ、と思った次第です。

毎年参加者が微増しているとのことですが、第1回が100名も集まらなかったのに今回13回目で500名近く集まった、しかも当日参加抜きでの人数ということで、実際はもっと多いのだと思います。
前述のとおりこの大会は色んな意味で魅力的ですが、当日参加よりもやはり事前申し込みの方が面白いと思います。あ、さらっと紹介するつもりが、かなり手厚い紹介となりましたね。

ただ、願わくばこの大会にはあまり参加者が増えて欲しくないと思うところもあったり…なんか複雑だなあ!

(最後までご一緒させていただいた浪Gをはじめとする皆さん。なんとこの中の半数以上の方が「入賞」しています。)

いよいよ来週のアップルマラソン、疲労を抜いてちゃんと役割を果たしたいと思います。

皆さん大変お疲れさまでした!また頑張りましょうね!私も次回はさらにいい賞品をゲットできるよう、頑張ります!(←なんか違う。)


サブ4達成に向けて作戦を練ろう。 -弘前・白神アップルマラソンに向けて


田沢湖マラソンが終わってから全く走る気力が湧かず、中5日、ようやく21キロ走ってきました。ダメですね。身体も心もメンテ途中。
しかしそんなことを言っている間もなく、10月1日に地元・弘前市で「弘前・白神アップルマラソン」が開催されます。

一昨年に続き今年、再びペースランナーの大役を仰せつかることとなりました。

昨年までとの大きな変更点として、これまで各時間帯のペースランナーは2人組だったのが、今年からは3人編成となりました。

ちなみに今回、僕は4時間のペースランナーを務めます。単純計算だと、1キロ5分40秒のペースで42.195キロを走る設定となります。

しかしこちらも生身の人間、僕なんかは最初から最後まで1キロを5分40秒ちょうどで走りきる自信がないため、我々とスタートからゴールまでずっと一緒に走ろうなんてことは考えない方が得策。(多分その走りができる人は、最初から4時間なんて余裕で切れると思います。)

これはまた後ほど説明する、ということで。

ちなみに4時間のペースランナーを務めるのは今回が2度目(4時間30分も1度経験あり)となりますが、3年前、初めてのペースランナーを務めた時は、まだ大会非公式で勝手に行ったものでした。この時はフル4度目と経験も浅く、しかも前半でペースを抑えずに飛ばし過ぎた結果、35キロを過ぎた時点で、歩いてもゴールできるぐらい時間を大幅に余すという苦い経験をしています。今回はそんなことがないようにしないと…。

サブ4を目指すランナーは、それ相応の練習を積んで大会に臨むはずなので、この間の僕みたいにいきなり暴走するとか、ペース配分を無視するような無茶な走りをするといったことはないと信じています。

だからこそ、ペースランナーであるこちらがしっかりと時間配分しながら走らなければならないというプレッシャーもあります。

一方、人それぞれ走り方が異なるのは当たり前のこと。前半から飛ばすランナーもいれば、後半ペースを上げるランナーもいるだろうし、中には終始一定のペースで走り続けるランナーもいると思います。更には30キロまでガチンコで走り、そこからとぼとぼと歩くランナーも…あ、それは自分か。

たった3人のペースランナーが、サブ4を目指すランナーそれぞれの要望全てに応えることは残念ながら不可能なので、ここで一つ、我々のプランをあらかじめ明示したいと思います。これは既に、4時間を担当する3人のペースランナーの間で、情報共有している内容です。コースの概略説明にもなっていますので、参考にして頂ければ幸い。

1.スタート直後は下り坂、若干ペースが上がり気味に陥るため、ペースを抑える。(ここで勘違いして勢いに任せて加速すると、後半はほぼ確実に潰れます。)

2.引っ張りつつもペースを抑えるのは2人、最後尾からの押し上げに1人回る。

3.岩木川に架かる岩木茜橋を越え、3キロ付近までにはターゲット(5分40秒前後)となるペースに落ち着かかせる。

4.以降、コースの起伏に関するアドバイス、給水ポイントなどを指示しながら走る。ちなみに、7キロ過ぎで下りとなるが、ここでも絶対に飛ばさない。

5.中間地点までは緩い上り基調となるが、できるだけペースを変えず淡々とかつ黙々と。

6.この間、引っ張る人1人、後方から押し上げる人1人、合間合間で様子を窺う人1人で、集団走を目指す。


(今年からルートが多少変更となった関係で、折り返し地点が弘前から少し遠くなりました。)

7.中間地点の通過目標タイムは、引っ張る人で2時間ちょうど…プラスマイナス3分前後。後半の落ち込みは想定しませんので、後半ペースの落ち込みが想定される人は、我々の前を走って欲しいです。

8.後半は下り基調となり、30キロまではペースが上がり気味になるので、飛ばさないように我慢の指示。

9.30キロ以降、如来瀬を左折してから五代へと続く道は上り基調となるので、ここで踏ん張りのハッパ。

10.36キロ以降、ようやく先が見えてくるけれど、実はここからが本当の勝負と気合い入れ。

11.岩木川を越えて40キロ、マックスバリュ樋ノ口店の辺りから一気に観客が増える。行ける人は、ここからラストスパートのGoサイン。

12.41キロ、最後の坂。前方2人と後方1人が徐々に差を詰めながら、サブ4を目指すなら我々の前を走るよう促す。

13.41.5キロ。登りきったところで3人合流。落ちてきそうなランナー、前に行こうとするランナーを鼓舞。残り700m。

14.ゴールが狭いので、追手門広場の入口ではランナーの皆さんになるべく先を譲ります。

15.ちなみに、ペースランナーの目標タイムはスタートの号砲から4時間00分01秒。こんな感じで、どうでしょう。

さて、サブ4を目指す皆さんへお願いがあります。

先ほども述べたとおり、最初から最後まで我々と一緒に走ろうなんてことは、絶対に考えないでください。折り返しを2時間で通過するということは、ほぼイーブンのペースで走るということを意味します。なので、後半落ち込みが考えられる人は、前半で少し前を走るぐらいのイメージを持ってください。我々の後ろを走ったら絶対にサブ4を達成することができる!なんてことは決してありません。

あくまでも自分のペースで、我々をうまく「利用」しながら走って下さい。

申し訳ない。
残念ながら我々は「4時間のペースランナー」を務めますが、「サブ4請負人」を担うほどの重責を負うことはできません。

そしてこれは4時間に限ったことではなく、どの時間帯のペースランナーも一緒です。

実際、スタート直後は追随する人が20人も30人も、下手をすると50人以上いますけど、これまで2度の経験から、最後まで一緒に走り続ける人は、35キロ地点では片手に足りるかどうかというところまで減ってしまうという状況です。

もちろん我慢できずに先行し、そのままサブ4を達成する人、先行したにもかかわらず最後我々に追いつかれ、惜しくもサブ4を逃す人、更には後半で追い上げて我々を追い越してサブ4を達成する人など、ランナーも千差万別。

まずは、ご自身がどれぐらいのペースで走ったら目標を達成することができるか、後半の落ち込み等を加味した上であらかじめシミュレーションすることをお勧めします。

その上で、脚力やその日の体調などを見極めながら、ベストパフォーマンスの発揮に努めてください。

マラソンって結局のところ、他力本願ではどうにもなるものじゃなくて、大会までの準備や体調、体重のコントロールといった部分も含め、最後は自分なんですよね。だからきっと、自分を信じれば道は開けるはずです。

僕たちも、前方から、側面から、そして後方から、サブ4を目指す皆さんのお手伝いを精一杯務めたいと思います。

大会まであと少し。無事に目標を達成することを心から願っています。

皆さん、頑張りましょうね!


(今年はペースランナーとわかるように、頭に風船を載せて走る予定ですが、日光等の影響で割れたらごめんなさい)


禍福は糾える縄の如し ‐第32回田沢湖マラソン(後編)


(大会前日に旅館から見た夕暮れの光景)

※前編はこちらから。

ほぼサブ3ペースを維持したまま、18キロ付近で後続の集団に吸収された。女子2位のランナーを含んだ一団らしい。周囲には5~6人の男性ランナーが追随している。一緒についていこうとしばし並走。いいペーサーになるかな、と思ったけれど、ちょっとペースが速いように感じられた。(1キロ4分10秒前後で走っていたらしい。)

19キロ手前の交差点、右折の時に、僕にサインを送るランナー。ササダ君だった。

「先に行きます」と手で合図を送られたので、無言のまま「行って、行って」と僕も合図。女子2位のランナーにピタリとついたまま、彼を含む一団が徐々に前へ進むのを見ながら、まだ半分にも達していないのに自分は何をやっているんだ!と奮い立たせる。20キロを通過し、いよいよ中間地点へ。前の集団とは既に10m以上差が開いている。

中間地点通過の際、時計に目をやって驚いた。1時間30分。…アホだ。これまでのフルマラソンで通過したタイムより4分以上も早い。いくら何でもオーバーペース過ぎる。
直後にダラダラと続く坂道は、スタート直後に一気に下った坂。これを上り切れば、このコース一番の賑わいが待ち受ける。例年より少ないようにも思われる声援を受けながらもう一度気合を入れ直し、いよいよ田沢湖畔へ…。

ペースは少し落ちてきたのかな。まあいい、このまま行けるところまで押していこう。いや、何とか最後まで押していけるかな?湖畔に入ってから時計を見ていないけれど、もしかしたら、ペース上がっているのかな?(決してそんなことはなかった。)

しかし、この気の緩みや邪念が、しっぺ返しとして降りかかってくるのは、時間の問題だった。

…考えてみると、大会前から既にこの結果は見えていたのかもしれない。
8月の北海道マラソンで今年2度目の自己ベストを更新、自惚れがあったのは紛れもない事実だった。

今日だってそうだ。あわよくば3度目の自己ベスト更新、3時間5分切り、いや、サブ3なんて、今の実力では到底出来もしないようなことを考えていたし…。

程なく、昨日訪れた御座石神社が見えてきた。

神様、本当に申し訳ない。僕はなんて浅はかなんでしょう。自信を過信にしないなんて言いながら、一番過信していたのは自分じゃないか…。

再び強い向かい風が、まるで僕を嘲笑うかのごとく身体に吹き付ける。風に吹かれる木々が一斉に音を立てる。バーカ、バーカ!
前半でほとんど使い果たした気力と体力。先へ進むのを遮ろうとする風に、太刀打ちする力すら残っていなかった。

ジェンガのブロックが一つまた抜けた途端、カラカラと音を立てながら崩れ落ちた。
道端ジェンガ、これにて終了。完全に緊張の糸が切れた。
ちょうど30キロ地点通過。2時間10分。奇しくも、30キロまでのタイムは自己ベストだった。
残りは12キロ。

ここからは、歩いたり、走ったり、歩いたり、歩いたり…。

明らかに歩く距離の方が長く感じられた。

ハリウさんに追い抜かれたのがどこなのかも思い出せないぐらい、滅入っていた。しかし焦りはなかったし、慌てもしなかった。気負い過ぎたのか?いや、気張り過ぎか?考えたところで答えは見つからなかった。

32キロ地点。「たつこ姫」の看板が見えてきた。再びゆっくり走り始める。カメラマンが被写体を見つけたとばかりにレンズを向ける。

程なく見えたスポンジエリアで再び足を止める。カメラの前だけで走るなんて、なんとまあ姑息な奴だ…。

自虐的になりながら、相変わらず走ったり歩いたりを繰り返す。この間、キロ6分前後だろうか。

補食は15キロと25キロで済ませたが、空腹ではないし、熱中症になったわけでもない(実際、補食をしたのはこの2度のみだった)。ただ、脚が棒になって前に進まないだけの話。そういえば2年前もこんな感じだった。時計に視線を送るのはこれが何度目だろう。まだ2時間半しか経っていない。完全なるペース配分のミス。この時、失敗覚悟でレースに臨んでいることすら忘れ、言い訳ばかりを考えていた。ホントにアホだ。

35キロ地点通過。この坂道を「大したことないな」なんて思ったのはどこのどいつだっけ?
ほとんど歩いたまま坂を上りきる。ジョグペースで一気に下るが、脚の攣る気配はまるでない。
そりゃそうだよね、これだけ歩いていればね。

…とまあこんな感じでダラダラと進み、気がついたら41キロ近くまで来ていた。はぁ…やっと残り1キロか。

「よーし!一緒にゴールするぞー!」

背後から聞き覚えのある声。
振り返ると、そこにはトミーの姿が。
正直、誰か来ないかなあ、と思っていたところに現れた彼の姿を見て、ちょっとホッとした。

何事もなかったかのように再び走り出す。
「は、速いよ!何なんだその余裕!」と、背後から声が聞こえる。
僕は笑いながら、追いつかれないように距離を取る。

「のんべ!遅いよ!」
ふと右前方を見ると、今度は畏友ザワの姿。
「おー!ごめんごめん!」
手を合わせ、思わず謝る。

更に左前方には、ザワの長男坊の姿。
「のんべさん!がんばって!」
精悍なその顔を見て、思わず笑顔になる。

そうだ、彼には先日「頑張って3時間10分切ってゴールするから!」と言っちゃったんだよな…。

「遅くなってごめんね!」

声援に応えながら、ニコニコ笑いながら、後ろから追いかけてくるトミーを煽りながら、残り500m。
そうなんだよね、マラソンを走るって一人じゃないんだよね。自惚れていた自分がホントに馬鹿だなあって。
タイムなんてもう、どうでも良くなっていた。

それにしてもマラソン、やっぱり面白いし難しい!

ようやくゴールにたどり着き、声援を送る皆さんに一礼し、振り返ってもう一礼。
顔を上げると、そこに現れたのはトミーではなくてケンケン!その後ろから、苦悶の表情を浮かべながらトミーがやって来た。
3時間25分10秒、27秒、37秒と、昨日から行動を共にしていた3人が、揃いも揃って25分台でゴール。もちろんスタート時はバラバラだったし、帳尻合わせをしたわけでもなく、偶然こうなっただけの話。

ザワの長男坊が駆け寄ってくる。
「お疲れさまでした!お父さん、もう歩けないって…(笑)」
「いやいや、遅くなってごめん、ありがとうね!ところで、10キロどうだった?」
「はい!46分でした!」
中学生にして、しかもあの激坂を駆け抜けて10キロを46分!素直に凄いと思った。
そんな長男坊に最大級の賛辞の言葉を送り、近いうちの再会を約束して別れた。

15回目にして初めて、失敗を覚悟で攻めた田沢湖マラソン。

前半1時間30分、後半1時間55分。前半はフルの自己ベスト、総じてみると今季ワーストの記録。
傍目から見ると大失敗のレースかも知れないけれど、30キロまでの平均ペースがキロ4分20秒、ここまで攻め続けられたことは唯一の収穫だった。この挑戦を次に生かせばいいだけの話だ。胸の中はこれまでとは違う達成感と幸福感に溢れていた。今回はこれでいいんだ、うん。

しかし、やってみないとわからないことって、まだまだたくさんありますね。

…ちょっと待てよ。今回、は?
田沢湖マラソンはこれで最後にするはずだったのに。

…どうやらもう一回挑戦しなければならないみたいっすね。

ただ、今回のランで一つ言えることは、マラソンは付け焼き刃やノープランで臨んではならないということだろうか。

マラソンにまぐれはない、ということを改めて思い知らされたし、いい経験にもなった。来年の話をしたら鬼が笑うらしいけれど、自分自身が鬼になるのも悪くないかな。鬼になって、皆さんこれでどうですか!って、大爆笑したいですよ。

ということで次は地元で開催される弘前・白神アップルマラソン。年内最後のフルマラソンは、ガチンコではなく御恩返しの意を込めた4時間のペースランナー。役割をしっかり果たそうと思います。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします!(おわり)