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荒れる成人式、今年も #fakenews

【荒れる成人式、今年も】 2018年1月9日21時00分発信

●●県××市では昨年、成人の集い(成人式)の最中に逮捕者が出たことから、800人が出席する予定の今年は警備員を4倍の80人に増やしたほか、市職員を含む係員を150人に増強。新成人はもちろん親族にも、クラッカーをはじめとする鳴り物や酒類の持ち込みを禁止し、飲酒していると認められる場合は、酔いの程度に応じて入場を断ることとした。

また、暴れる新成人が壇上に登らないよう、高さ約3メートルの鉄柵を設けたほか、万が一の事態に備え、麻酔銃を手にした猟友会のメンバーを舞台の袖に待機させるなど、徹底した対策を講じることとなった。

××市の成人の集いは毎年「荒れる成人式」として知られており、昨年は犬飼市長の挨拶中にクラッカーや爆竹が打ち鳴らされたほか、一部の集団が壇上に登ろうとする行為が続き、開始からわずか10分で中断。15分後に再開したものの、数名の新成人が壇上に登り、来賓に近づくなどの行動に出た。その際、制止しようとした警察官の腕に噛みつくなど職務を妨害したとして、公務執行妨害容疑で1名が現行犯逮捕された。その一方で会場にいた親族と見られる女性が「一世一代の息子の晴れ舞台をなぜ制止するのか」と激高、係員に詰め寄るシーンも見られた。

市ではこれまでも「市長と来賓の挨拶を一人当たり10分から3分に短縮する」「全くウケないお笑い芸人を登壇させない」などといった対策を講じてきたが、効果はほとんど見られなかった。今後も「荒れる成人式」が続くようであれば、「同じ集団が1か所に固まらないようあらかじめ座席を全席指定にするなど新たな対策を検討しなければならないし、場合によっては開催の意義そのものを再考しなければならない(市関係者)」という。

このことから、市では「苦渋の選択」として今回の奇策に打って出たが、参加者からは「動物園じゃあるまいし」という苦言や失笑の声も聞かれることとなった。

ところが厳重な警戒が続く中、今年は誰もが予想だにしなかった「新成人」が姿を見せた。昨年暮れ、神奈川県や東京都内での目撃が相次いだ、あの「はぐれ猿(推定年齢19歳・牡)」だ。

白の羽織袴姿で突然会場に現れた猿は、新成人に紛れて二足歩行のまま堂々と会場入り。パンダのようなメイクを施した女性の集団が「だからここ、上野動物園じゃないんだけど」と猿に詰め寄るが、全く意に介した様子はない。猿は、落ち着き払った様子で図々しくも最前列に席を陣取り、隣で騒ぐ集団には目をくれることもなく、式が始まると微動だにせず壇上をじっと見つめ、時折メモを取る熱心ぶり。その落ち着いた立ち振る舞いを目の当たりにした関係者は「暴れる新成人よりよほど利口」と口を揃えた。

事情を知る関係者によるとこの猿は、昨年暮れに都内での目撃情報が途絶えた直後、××市の成人の集いに出席するため、月光猿軍団に自ら志願して入門。昼夜問わず徹底的に訓練を受け、「新成人よりも落ち着いた振る舞いを会得した(軍団関係者)」という。ただし、この猿が××市の出身かどうかは不明とのこと。

一方、市が設置した鉄柵の効果は乏しく、鉄柵を難なく乗り越えて壇上に登った新成人の集団は、警備員やスタッフの制止を振り切り、壇上で大立ち回りを繰り広げることとなった。集団の大半はあらかじめ仕掛けられていたワナによって捕獲されたが、ワナに掛からなかった一部の新成人が会場から逃走を図ろうとしたため、猟友会の手によって麻酔銃が撃ち込まれた。やがて麻酔が効いて動けなくなった新成人はスタッフによって捕獲され、動物愛護センターに引き渡された。その後、背中に発信器を装着された新成人は、麻酔が切れる前に郊外の山へと放たれた。

犬飼市長は「色々あったが、今年は一名の逮捕者も出すことなく式を終えることができてよかった」とコメント。一方、市関係者からは「反省だけなら猿でもできるというが、暴れる新成人は反省すらしていない」と嘆きの声が挙がった。
また、猿が何事もなく会場入りできた理由については関係者も首をかしげており、事情に精通する者が事前に情報提供を行っていた可能性があるとして、今後、内部調査を行うこととしている。なお、当の猿は壇上での騒動の最中に忽然と姿をくらませ、その後の目撃情報も今のところ寄せられていない。
一方、山に放たれた新成人は、既に市街地での目撃情報が相次いでいるほか、近所に住む老人の背中に発信器が装着されているのが確認されており、実効性がほとんどないことを裏付ける格好となった。

壇上で暴れる新成人については今後、「少しでも良識ある大人になって欲しい」との思いから、捕獲した後に月光猿軍団へ強制的に送致することを検討したいという。しかし、軍団の関係者は「聞き分けの良い猿より質の悪い人間を、簡単にしつけられるはずがない」と受け入れに消極的だ。

今年も一部の心ない新成人によって式を台無しにされたと憤る他の新成人は「ワイドショーなどのマスコミがこぞってこのネタを取り上げるから、みんなが調子に乗る。でも今年は、貸衣装屋にみんな持って行かれましたね。色んな意味で。」と、晴れの日なのに曇った表情を浮かべた。

××市では来年も成人の集いを開催することとしているが、高さ約3mの鉄柵でも抑止効果がなかったことに衝撃を受けており、一部の関係者は「もはや有刺鉄線か電流爆破装置の導入しかない」と語気を強める。その一方で来年は、先頃7度目の引退を果たした元プロレスラー・O氏を成人の集いに招待することが内定していることから、今後の対応に苦慮することになりそうだ。