日別アーカイブ: 2004-08-23

深紅の旗は津軽海峡を越えた…

最近、オリンピックを中心にスポーツの話題ばかりですが、お許しあれ。これでも、いろいろ考えてます。
さて、駒大苫小牧の優勝で幕を閉じた夏の全国高校野球選手権。まさに歴史に残る大会となりました。当県から勝ち進んだ高校(=卓球・福原愛の在籍校)は開会式直後の第一試合で、名門・天理(奈良)と延長戦までもつれた挙げ句敗れたため、この時点で興味は半分以下に薄れてしまいました。その後、野球部員は愛ちゃんの応援をする姿がテレビに映し出されていましたが…。ま、正直どこが優勝してもいいかな、と。
恐らく、駒大苫小牧の優勝を予想していた人って皆無じゃないですかね?今だからこそ優勝すると思っていた、とは言えても、本人たちだって優勝できるなんて考えていなかったんじゃないかと思います。大体、4度目の甲子園出場とはいえ、これまで未勝利だったわけですから。
ただ、伏線はありました。日大三、横浜と、並みいる強豪を次々と倒し勝ち上がって来た時点で、こりゃひょっとして…と胸騒ぎを覚えた人はいたはず。いや、僕は何となくそういう胸騒ぎがしていました。
昨日の決勝も、見応えある熱戦でした。史上初の連覇を狙う済美(愛媛)。劣勢が伝えられる中、2回終了時で1-5。ああ、やっぱりこんなもんだよね。こりゃ大差がつくなぁと思って見ていました。ところが、駒大苫小牧はあれよあれよの間に追いつき、4回には逆転、5回にまた追いつかれ、6回には済美が本塁打で突き放したと思いきや、その裏にはお返しとばかりに本塁打で追いつき…と、経過を振り返っているだけで目が離せなかった試合だった、というのがおわかりいただけるんではないかと思います。
結果的には、7回に突き放した駒大苫小牧がそのまま逃げ切り、悲願の優勝旗を手にしました。
よく言われるのですが、北海道、東北勢はこれまで甲子園での優勝経験がありませんでした。今回も、ダルビッシュ投手擁する東北(宮城)が優勝候補の一角とされ、いよいよ「白河越え」(福島県白河市、ここにあった関所を越えて北へ進むこと)か?と囁かれましたが、試合というより天気に敗れ、結局白河越えならず。
で、今回の駒大苫小牧の優勝で白河越え、といきたいところですが、残念ながら空路で津軽海峡を越えると思われるため、本当の意味での白河越えは未だ果たされず、といった気がします。
このチームの誇るべきところは、越県による野球留学がさかんな今日にあって、ベンチ入りした選手は全員道内出身だということ。北日本のチームは、冬になると雪に閉ざされてまともな練習ができなかったため、これまでも「出ることに意義がある」という風に見受けられていましたが、昨今の東北勢の活躍は、関西圏や関東圏からの野球留学によってもたらされたものといっても過言ではありません。そんな中で、生粋の道産子がもたらした優勝は、本当に素晴らしいことだと思います。
今回の優勝をフロックと見る節もあります。でも、北日本のチームは確実に地力をつけている、そんな気がしました。ちなみに、優勝経験がないのは東北6県、北陸4県、山陰2県と、山梨、滋賀、長崎、宮崎の16県だそうです。余計なお世話だ。