土曜日の早朝4時頃、スマートフォンから警告音が発せられた。何事かと思って画面を見たら、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報が発表されたとのこと。
両県に特別警報が発表されたのは、確か今回が初めてだったと思う。
まずもって被災された地域の方々には、謹んでお見舞いを申し上げるとともに、残念ながら亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
九州地方で大雨が降り続き、警報が発せられていたことは知っていたが、まさか早朝に特別警報が発表されるとは…。
既に避難していた方ならともかく、避難できずに何らかの災害に巻き込まれてしまった方々がいると思うと、以前からもっと早く特別警報が出される素振りを見せることができなかったのか、防災に携わる人間として色々考えさせられる。
…といいつつ実は、素振りはあった。金曜日夕方、気象庁が九州南部の大雨に関する気象情報を発表していたのだ。
しかし、受け止める側の認識がどうだったか。いや、結果を受けてから「たら、れば」の話をしても仕方ないことは重々承知している。が、平成28年に岩手県岩泉町で高齢者グループホームが台風第10号による河川の氾濫で多数の犠牲者を出し、大きな問題となったのはまだ記憶に新しいところ。
「避難準備・高齢者等避難開始」の名称が使われ始めたのもこのことがあってから。いわゆる「レベル3」の状態だ。
今回の大雨では、熊本県の球磨川が氾濫、またしても特別養護老人ホームが被害に遭った。
平成28年と同じこと、いや、むしろそれ以上のことが起きてしまったといってもいいだろう。
今後検証されていくことになるとは思うが、避難する側させる側、双方の初動対応や判断が正しかったのか。さらに、避難に行動を移すそのきっかけをどう意識させるかは、どの地域でも共通の課題、懸案事項となっている。
ここ数年、毎年のように「数十年に一度の○○」が各地で起こっている。6月下旬から7月上旬、梅雨明け間近の梅雨前線が北上する時期は、本当に要注意だ。もはや数十年に一度ではなく、こういった気象現象が毎年起こりうるということを改めて認識しなければならないし、それに対して、どう備えるかを考えなければならない。
僕自身、近年、様々な場面で防災に関するお話をさせていただく機会が何度かあり、その都度壊れた再生プレイヤーのごとく何度も同じことを言っている。
「ここ数年、青森県で大きな災害が起きていないのは単なる偶然、奇跡です。近県で大規模な災害が発生していることを鑑みると、いつ本県で同じような災害が起こっても不思議ではありません。」
昨年暮れから一気に広がった新型コロナウイルス感染症で世界中が大きく揺さぶられる中、毎年やってくる気象災害への備えも必要となる。熊本県や鹿児島県の大雨災害は、決して他人ごとではない。テレビや新聞などで報じられている泥水を被った家屋を見て、「あら、大変ね」などとほざいている場合ではないのだ。自分自身がその立場に置かれたらどうするか、考えなければならないのだ。
万が一自分が感染症患者になっているときに災害が起きたら。もしも、濃厚接触者として健康観察をしている最中に災害が起きてしまったら…。
あなた、避難できますか?
…なので今日は、そんな「少し考えるだけでも防災意識が高まること」に触れていきたい。
(色々言われているこのアプリをインストールすることだって、対策の一つかも知れません。)