正直、この件に関しては事態が落ち着くまで閉口しているつもりでしたが、状況が状況だけに、無責任ですがちょっと持論を展開させてください。
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新型コロナウィルスに端を発した世界経済の凋落に歯止めがかからない。約2週間前、政府は「ここ1~2週間が蔓延を食い止めるための正念場で瀬戸際」といったものの、結果的にその2週間が過ぎてもなお収束する兆しが見えてこず、いよいよ長期戦の様相を呈してきた感じがする。まあ、2週間でどうなるのかは神のみぞ知る、の世界だったので、個人的にはかなりネガティブな気分で「やっぱりな…。」と傍観していたところだ。
立場上、僕自身ここしばらくは「正しく恐れよう」を口癖のようにしてきたが、実際に得体の知れない魑魅魍魎と化した新型コロナウィルスは、人々の平常心もすっかり蝕んでしまったらしく、何とも暮らしにくい社会が訪れたものだとため息ばかりが出てくる。
日本に限ったことではないとはいえ、「春節」の時ですら既に感染が広がりつつあった隣国からの往来を自由にしていたこと(そしてそれを2か月近く放置したこと)、そして例のクルーズ船に「軟禁」していた乗客を、「隔離」することなく野放しにしてしまったことをはじめ、矢継ぎ早に繰り出される国の思いつきみたいな対策を見ていると、後出しじゃんけんなのに負けている人を見ているようで、なんだか滑稽かつ哀れになってきた。
一体いつになったらこの状況から脱却する兆しが見えてくるのかは、想像もできない。地球全体がウィルスの幕に覆われてしまったような状況に、もはや一国の宰相が小手先を振り回したところでどうなるものでもないだろうに…。
一方で報道に目を転じると、危機感ばかりを煽りながら、国内の感染者が増えたという報道ばかり。新たな感染者が出ると、まるで鬼の首を取ったように「今度は○○県で…」と伝えるさまは、まだ色の塗られていない県で次の感染者が出るのを待ち構えているようにも見えてしまう。
日本全体に自粛ムードが漂う状況の中、この閉塞感を打破する方法は、「過度に恐れることなく普段どおりの生活を心がける」ことだと思っているが、ここまで来ると、逆に普段どおりの行動を起こすこと自体が非難の的にされてしまいそうな雰囲気だ。
個人的には今回の案件を真に恐れる、そして収束させる気概があるというのであれば、やりすぎぐらいの措置をすべきではないかと思っていた。
中途半端な措置が逆に経済活動や社会全体に傷跡を残し、多大なる影響を与える可能性があると思ったからだ。
国が影響を最小限に食い止めるための方策だと思っているのかどうかは知らないが、小手先の対策を打って出たところで、結果は火を見るよりも明らか。 Continue reading