日別アーカイブ: 2016-11-25

「ブラック・フライデー」への違和感


black-friday

突然降って沸いたように日本国内にも現れた「ブラック・フライデー」。
何かこの言葉自体、「ブラック・マンデー」を彷彿させるようでいいイメージがないのですが、Wikipediaによると

「アメリカ合衆国で感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことである。正式の休暇日ではないが休暇になることが多く、伝統的に一年で買い物が最も行われるクリスマス商戦(ホリデーシーズン)の開始の日である。また、ブラックフライデー当日は感謝祭プレゼントの売れ残り一掃セール日でもある。
1961年ごろからフィラデルフィアで始まり、1975年にはかなり広まった比較的新しい言葉で、当日買い物客で道路が混むのでそう呼ばれている。名付けたのはフィラデルフィアの警察で、人が外に溢れて仕事が増えるため「真っ暗な金曜日」と呼んだことがきっかけとされる。当初、小売店などはこの言葉に不快感を示して「ビッグフライデー」という言葉を作ったが、一般には「ブラックフライデー」で広まった。後に、フィラデルフィアの新聞が、小売業者が儲かり黒字になるという解釈を発表してからは「ブラックフライデー」は良い意味で使われるようになった。」

とのこと。

ところが、別に感謝祭も行われていない日本国内で、急にこのブラック・フライデーが取り沙汰されるようになり、今年はイオン、トイザらス、H&Mなどの他、JALまでもが参画しておりまして、ハイ。(ちなみに私のところには、U2 Officialからもご案内のメールが届きました…。)

アホか!ここは日本だぞ!感謝祭じゃなくて、そこは新嘗祭だろ!(あ、何か違いますか?)

…しかしながら来年は間違いなく、この「ブラック・フライデー」を導入するところが増え日本を席巻することになるでしょう。
だって、政府や経団連が導入を模索しているぐらいなんだから。要するに、国策としてこいつをやってやろうじゃないか、というぐらいの勢いなんですね。【訂正。別に導入を模索しているわけではないようです。】

消費者の皆さん、来年からはきっと給料日前後、しかも年末を前にウハウハ間違いなしですよ~♪

私個人としては、「黒い金曜日」より「歳末大売り出し」の方が何となく年の瀬を思わせてしっくりくる感じ。そういえば日本の歳末商戦といえば「お歳暮」が真っ先に浮かぶのですが、最近この「お歳暮」を送る、あるいは送られる、という話をあまり耳にしなくなりました。現に私、お歳暮に関してはほとんど自分で何かをしたことがないのでありますが、歳末商戦といえば年末年始を迎える前の書き入れ時なんじゃないですかね?何も11月のこの時期じゃなくとも、歳末商戦の時ぐらいはちょっとぐらい贅沢しても…という心理も働くような気もするんですけど。

確かに消費者にしてみれば、商品が安くなることに越したことはないわけですから、こういう企画はどんどんやって欲しい、と思うところなのかも知れませんが、年がら年中こういった「バーゲンセール」のようなことをやられると、逆に販売する側(特に卸業者)が疲弊してしまうとともに、消費者が「セール慣れ」してしまうのではないか、と。それに、販売価格を下げるということは、卸値も下げるよう求められる可能性があるわけで、必然的にデフレ状態に陥る可能性がまた高くなるわけですよね。…あ、それとも棚卸よろしく旧型旧モデルの在庫処分に充てますか?
で、ちょっと大げさに言うならば、こういうのが引き金となって、また低賃金化や業績不振に伴う解雇などを生み出してしまうんじゃないか、と思うのであります。

僕は学者でもないし経済に詳しいわけでもないのでよくわからないんですが、国内の消費構造に顕著な変化が現れたのは、バブル崩壊の後なんでしょうかね。
現在、日本国内の消費は底冷え状態に陥っているのが実情。何とかミクスも一時的には効果を見せたようですが、日銀がテコ入れしようが何をしようが、もはや消費者の心は動きません。だって、一度甘い汁を吸ってしまうと、その汁を吸い続けたくなるのが人間の心理じゃないですか。何とかミクスよりホットケーキミクスですよ。…あ、関係ないか。

価格破壊、デフレ…もはや低価格であることが世間の常識、当たり前になってしまった昨今で、高価なものに手を出すのは、せいぜい日本経済を動かしている、というか国内所得の大方を占めておられる「富裕層」と呼ばれる皆さまぐらいじゃないでしょうか?…経済も地域も、日本はどうしてこんな格差社会になっちゃったんでしょうね?

しかし国もどうなんでしょう。やれベアだ賃上げだと力入れする一方で、消費行動の起爆剤に「ブラック・フライデー」をって、何かちっとも一貫性がないんですけど。

まあ、それはともかくこの「ブラック・フライデー」、米国ではこの期間だけで国内の消費の2割が集中するとかしないとか。中には年間の5割の売り上げを稼ぐところもあるらしく(よく商売成り立っているなあ!笑)、しかも普段は絶対値下げをしないブランド品も、この時期だけは値下げするということで、この時期に照準を合わせて1年間の買い物(もちろん日用品や食料は別として)を集中させるという人もいるんだとか。

日本政府や経団連が見よう見まねでこんなものの導入を推奨したら、日本の消費行動はますますダメになると思いますよ。だって、365日のうちこの時期しかモノが売れない、なんて恐ろしいことになりかねないワケですからね。

その行事やイベントが行われる歴史とか経緯とか背景とかを一切排除して、単に名前だけを借りて真似をするという発想そのものが、何か安易でイヤなんですね。何でもかんでも都合のいいように模倣すればいいってモノじゃないと思います。この「ブラック・フライデー」然り、何とは言いませんが、その他のイベント然り。

それじゃなくても海外から「輸入」したよくわからないイベントがたくさんある中で、また大国の猿真似ですか…これじゃあ隣国のことをああだこうだ言えないじゃないかよ、と。
もっと日本らしい何かというか、メリハリのある商売を仕掛けることができないんでしょうかね。一時的な効果じゃなくて、もっと年間を通して消費行動を底上げするような政策を打たなくてもいいんですかね?…あ、そんな政策があるんだったら、とっくに手を打っているって話か!

…なんてことをふと思って偉そうにほざいてみた私ですが、某Amaz●nのタイムセールにすっかりやられております…ハイ。どうもすいません…。