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弘前・白神アップルマラソンまであと5日


第14回弘前・白神アップルマラソンの開催までいよいよあと5日となりました。僕が所属する弘前公園RCにとってこの大会は、いわばお祭りのようなもの。家族や友人、仲間などの声援を受けながら自己ベストを目指すメンバー、サポートする側に回るメンバーなど、参加目的や思いもそれぞれ違います。ただ、その日に向かってクラブ全体がかなり「熱」を帯びていることは、紛れもない事実です。

僕は一昨年、昨年とペースランナーを務めました。せっかくなら地元を盛り上げたい、大会を盛り上げたい、最初はそんなきっかけだったのですが、実際やってみると、一緒にゴールを目指すランナーに是非目標を達成してほしい、そんな思いを強く抱きつつ、がむしゃらにゴールを目指して走る皆さんを鼓舞しながらサポートすることや、ペースをコントロールすることの難しさを痛感しました。
ペースランナーはあくまでも裏方。脇役、引き立て役に徹しなければならないことを肝に銘じながら走った2度のフルマラソン。
昨年のアップルマラソンの後で、ペースランナーに対する認知度が一気に高まるとともに、ペースランナーを希望する人が増えたのも事実。しかし実際、自分が走り慣れているペースではないペースでフルマラソンを走るって、結構大変なのですよ、ええ…。

さて、今年の弘前・白神アップルマラソンなのですが、私、ペースランナーを務める予定がないどころか、実はエントリーすらしていません。
怪我のため不参加?走れなくなった?単なる物忘れ?いやいや、9月に入ってからそれなりに調子は上がってきていますよ。

今回、6月の弘前城リレーマラソンで伴走を務めたAさんの伴走を再び務めることになりました。
ですから、計測タグはもちろん、ゼッケンナンバーもありません。代わりに、これを付けて走ります。

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Aさんとは今もだいたい月に1度のペースでしょうか、土曜日の朝に弘前公園内を一緒に走っているのですが、アップルマラソンでの伴走を早々にお願いされまして、私でよろしければ、と二つ返事で了承しました。
これはこれでまた、やりがいのある内容になりそうだな、と。多分、Aさんと30年以上前から親交があったうちの亡父が、この組み合わせに一番驚いているんではなかろうか…。

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当初ご本人は、フルマラソンにするかハーフマラソンにするかで悩んでいた模様で(僕は「どちらでもいい」と返答、ただしフルマラソンの伴走を一人でやるのは辛い、とも伝えていました。)、結局今回はハーフマラソンを走ることを選択しました。Aさん、昭和23年生まれの御年67歳なのですが、マラソンに定年はありません。まだまだ挑戦したいことがたくさんあるということをいつも口にされていて、70歳までのフルマラソン再挑戦も視野に入れている模様。

ちなみに、ご本人に「どれぐらいのタイムを狙いますか?」と聞いたところ、あまり深く考えていなかったようなので、「どうですか、ここは一つ2時間で?」と提案したところ、「よし!それで行こう!」ということになりました。
しかし現実は、弘前城リレーマラソンの時も最速でキロ5分40秒ぐらいだったので、かなり厳しい設定だということを承知しています。
あとはAさんご自身のモチベーションと気力、体力がどれぐらい維持できるかにかかってくると思いますし、当日の気候も影響してくることでしょう。
しかし、やるといった以上は後には引けません。足を引っ張ることなく、しっかりサポートしたいと思います。

このブログをご覧になっている方には、当日大会に出場される方や、応援にいらっしゃる方もたくさんいると思うのですが、幾つかお願いがあります。

・大会当日は、Aさんが黄緑色、僕がピンク色の「No Apple,No Life」Tシャツを着用して出場する予定です。私たちを見かけたら、是非気兼ねなくお声掛けください。そして、Aさんに「完走目指して頑張ってください。」と一言お伝えください。その際、「マカナエ頑張れ。」は一切いりません。(僕も頑張りますが、まずはAさんに頑張ってもらうためにサポートに徹するだけなので。)

・もう一つ。ハーフマラソンに出場されるランナーの皆さんにお願いがあります。ご存じのとおり、スタート直後から岩木茜橋付近まではかなりの混雑が予想されます。急接近や衝突には、こちらも気を付けますが、皆さんもご注意、ご配慮頂ければありがたいです。特に給水所付近での急な立ち止まりは、できればご遠慮願えれば…。そして走っている間、沿道はもちろん、追い抜きの際にAさんへの声援をよろしくお願いします。

・最後に。ハーフマラソンのスタートは9時50分。フルマラソンのスタートから50分後です。私たちは2時間を目標にゴールを目指しますが、順調に走ることができれば、11時50分頃にゴール地点の追手門広場へと戻ってきます。がしかし、仮に遅れてしまった場合、フルマラソンで3時間切りを目指す皆さん(いや、もしかしたら3時間30分切りを目指す皆さん)とゴール付近でバッティングする可能性があります。フルマラソンで3時間切りを目指す人と、ハーフマラソンで2時間を目指す人とのスピードには、圧倒的な差があります。とはいえこればかりはAさん次第なので、僕にもどうなるかわかりませんが、もしもゴール付近でバッティングしてしまっても、どうか心穏やかに優しく見守ってください。

このほか給水はうまくできるか、走路をしっかり確保できるか等、不安なことばかりがたくさんあるのですが、役目をしっかり果たし、最後は二人で笑ってゴールできるよう心がけたいと思います。

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…でも正直、毎年ゴールでカメラを構えていたあの方が今年はいないと思うと、胸が締め付けられそうな思いに駆られます。願わくば、二人の姿を収めて欲しかった…。

合掌


無欲から出た、欲 -つがる地球村一周マラソン


10月2日は弘前・白神アップルマラソン。陸連非公認ながら、青森県内唯一のフルマラソン大会ということや、マラソンシーズンの到来を告げる最初の大会と位置づけている人たちも多いらしく、県内外から大勢の方々が集まります。僕自身、一昨年前は大会非公認のペースランナー(4時間)を務め、その功績が認められてか、昨年からは大会公認のペースランナー制度が導入され、3時間30分から5時間50分までと、幅広い時間帯にペースランナーが置かれたことも多くの方々に受け入れられたようで(ちなみに昨年は4時間30分のペースランナーを務めました)、今年も3時間から5時間30分まで30分刻みの時間帯で、ペースランナーが導入されています。(僕は今回、ペースランナーのお役目を辞退したのですが、その話はまた改めて…。)

さて、そんなアップルマラソン1週間前の調整レースともいうべき「第12回 つがる地球村一周マラソン」が9月25日につがる市森田で開催され、僕も2年ぶりに10キロの部に参加してきました。この大会、参加人数が少ない割には、エリートランナーも数多く出場しており、結構な高速レースとなります。
前回出場した際の記録は41分47秒と、10キロで初めて41分台を弾き出し、翌週のアップルマラソンに弾みをつけました。…といってもその時は4時間のペースランナーだったわけですが。

今回はあくまで調整の一環、いわばスピード練習としての位置付けての大会出場でした。ちなみにこのコース、そもそも距離が10キロに足りていないということを以前から指摘されており、2年前、そして昨年とコースが少しだけ変更になった(伸びた)とのこと。特徴としては、大会名に付された「一周」のワンウェイではなく、実際は5キロ地点での折り返し。しかも5キロまでは坂を下って折り返してくる、つまり折り返した後はほぼ上り基調という、後半に粘りを求められるコースです。

スタート時刻の午前9時前には日差しが出始め、かなり暑い感じ。そんな中僕は、黒いTシャツとショートパンツを身につけ、さらにはキャップを家に忘れたことを後悔していたのでした。

0925(怪我から復活したAさん撮影。ありがとうございます!)

しかも、またしても体重増加をやらかした上に(田沢湖の62.5キロから64キロまで増加)、朝から腹の具合があまりよろしくなく(実はスタート前まで4度もトイレに走っていた)、万全な体調と言える状態ではありませんでした。
それでもスタート地点、それも敢えて前の方に立った時には、2年前と同じく、前半の下りを抑えて後半の上りに備えるということを考えていたし、実際周囲の人にもそのことを話していたのですが、今回の大会参加の位置づけはあくまでスピード練習の一環、だったら思い切って勢い半分で突っ込んでみよう、と思い立ち、何の前触れもなく突然号砲の響いた9時のスタートと同時に、周囲の皆さんと勢い良く飛び出しました。タイムは考えず、行けるところまでいってみよう、と。それがいいのか悪いのかは、行けばわかるさ。
( )内は、GARMINに記録された1キロ毎のペース。
2キロまでは先頭の方が目視できるぐらいでしたので、かなり速いペースで走っていたようです(3:37-3:50)。下り坂とはいえ、練習ではこんなペースで走ったことはないと感じるペースでした。
もっとも、僕の前を走る皆さんは10キロを余裕で30分台で走る方ばかり。いわばその方々を「追う」ような感じをイメージして走っていたのですが、地力の差が現れ始めたのが2.5キロ付近から。給水を目前にかなり呼吸が荒くなり、相当心拍数も上がっていたのではないかと思います。「何でこんなスピードで走り始めてしまったんだろう」と、まだ4分の1しか走っていないのに、既にネガティヴモード。3キロまででじわりじわりと水をあけられ、かなりペースが落ちたような感覚に。(4:03)
何とか呼吸を整えるも、4キロ付近から現れる下り坂で他のランナーにどんどん追い抜かれ、給水を受け取ると気づいたら折り返し。(3:57-3:50)
時計には一切目をやりませんでした。時計に目をやった途端、集中力が切れることがわかっていたので。そして、折り返した後にだらだらと続く5~7キロの上りで、いよいよ頭が真っ白になりかけ、これから折り返す後続の仲間からの声かけにもまともに反応できぬまま、かなりペースダウン。(4:13-4:24)
ここでも何人かの人に追い越されます。「あー、休みたい。歩きたいなあ。どこかで歩くかなあ…。」そんなことを考えながら走っているうちに、前を走っていた仲間の姿はどんどん遠くなっていきます。
以前D介くんに教えてもらった「綱を引いて走る」感覚、田沢湖では実践できなかったので、この大会でやっていたんですが、「綱を引く」というよりは、「腸を引っ張り出す」ような感覚に変わってきて、具合が悪くなったという…。(実際は、ペースが速すぎて具合が悪くなったんだと思います。)
せめてもの救いは、この時点でゴールまで残り3,000メートルを切ったということ。あとちょっと、もうちょっとだけ粘ろう…。(4:15-3:58)
給水所で本当に足が止まりそうになりましたが、ここで足を止めては元も子もないと、もう一度気持ちを切り替えます。
そして残り約1,000メートルとなり、いよいよ最後の緩い上りへ。しかし、もはや頭も身体も限界に近いようで、足下も覚束ないような状態。途中、声援を送られるも、それに応じる余力すらなく、息も絶え絶えで何とかゴール。(4:17)
距離が足りないと思っていたので、チップを外してもらった後、数十メートルだけ流し、9.9キロでランを終了。

chikyumura(計測タグを外してもらった後、15秒ほど流しました。)
そして、汗が滴り落ちる中で受け取った完走証を見て、思わず笑ってしまいました。
「40分03秒」って、あと3秒、いや4秒何とかならなかったのかなあ、と(苦笑)。

tsugaru_result

「たられば」の話をし始めるとキリがないし言い訳がましいのでやめておきます。あれもそれも全部ひっくるめて、これが今の実力ってことです。
まあでも、2年前と比較しても1分半以上はタイムを縮めたことになるはずだし、もう少し粘れれば、10キロ40分切りというのも視野に入れることができるのかな。これでまた一つ目標ができた、ということに。
…というか、こんなペースで走りきった(?)自分に、ちょっと驚いているところもあるのです。ただ、一つだけ反省点を挙げるとするならば、1キロ毎のペースのムラが酷すぎました。もう少し落ち着いて走ればよかった。

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10キロの40代以上の部には、ちょうど100名がエントリーしていまして、実際何名の方が走ったのかはわかりませんが、ゴール後に張り出された部門別順位を見ると、12位(全体では20位)。
しかも、当日のオープン参加で順位の出ない人も何人か僕の前を走っていましたので、実際はもっと下、ということに。皆さんどんだけ速いんですか。ホント恐れ入りました。

で、ゴール直後にまるで滝に打たれたような汗をダラダラと流して座り込んでいると、一人の女性から声を掛けられました。
「あのぉ、昨年のアップルマラソンでペーサーされた方ですよね?」
「え、あ、はい。4時間30分の…。」
「よかった!やっとお会いできました。ずっとお礼したくてお礼したくて。あのとき、凄く楽しかったんです!本当にありがとうございました。」
「あ、いやいや。こちらこそありがとうございます。」
「今年もペーサーやられるんですか?」
「いや、今年はちょっとやらないんですね。でも、また仲間がやりますので。」
「そうなんですね!またよろしくお願いします!」

一気に疲れが吹っ飛びました。いやあ、ただただ嬉しかったです。Yさん、お声がけありがとうございました!

余談ではありますが、抽選会でつがる市の特産品の一つである牛蒡が当たりました。前回は菓子パンの詰め合わせが当たりました。つまり、2回出場して2回とも抽選を引き当てているんです。

gobou

さらに、参加者へのおもてなしも充実しています。参加賞の食パンを受け取り、ポップコーン1袋を頂き、10キロを走り、ゴール後には豚汁を食らい、そして牛蒡を当てる…しかもこの他に、当日限定ながらも、つがる市内にある温泉の無料入浴券まで頂けるという。何気に費用対効果、抜群。
ローカル感の溢れる大会ではありますが、実は家の人が参加を喜ぶ、数少ない大会の一つなのです。


「SL銀河青函DC号」撮影記


正直言うと、動く被写体の撮影が苦手だ。マニュアルモードの設定は、未だによく理解していない。いろんなものを撮影することは好きだが、かといってそんなにカメラにのめり込んでいるわけじゃない。

ショボいスペックの一眼レフデジタルカメラを手にして既に4年以上が経過、これまで何枚撮影してきたかわからないが、その多くは、自分でマニュアル設定するのではなく、カメラのオート機能に頼ることがほとんどだった。いや、実際オート設定にした方が楽だったし、うまく撮影できたことが多かった。
が、肝心の時はマニュアル設定での撮影を心掛けた。「肝心の時」というのは、「自分で撮影した」感を味わいたい時。まあ、そんな機会が年に何度あるかといわれるとほとんどないんだけれど。

さて今回、青函デスティネーションキャンペーンの一環(中核イベント)で、JR釜石線(花巻~釜石間)を走る「SL銀河」が、「SL銀河青函DC号」として青森~弘前間で9月17日、19日に運行された。
9月上旬から試運転が始まっていて、お昼前後には弘前駅周辺が蒸気機関車の鳴らす汽笛で賑やかになる、という話を聞いていた。
「SL銀河」については、3年前に花巻市を訪れた際、花巻駅で一度見たことがあり、それ以来の「再会」を果たす日が来るんじゃないかとワクワクしていたが、17日は翌日の田沢湖マラソンに向けた準備やら何やらで、そういう余裕はなさそうな感じ。19日も、時間が取れるかどうか…。

9月12日。この日は消化しそびれていた夏季休暇を充てることにしていた。本当は岩木山登山を目論んでいたのだが、色々あって10月に延期することにした。
しかも、16歳となった愛犬モモがかなり衰弱していたため、病院に連れて行くことに。そしてふと思い立ったのが、「SL銀河」との再会だった。運行ダイヤでは、10時13分に青森を出発し、11時46分に弘前に到着するとのこと。色々考えた結果、弘前の隣駅、撫牛子(ないじょうし)駅で待ち伏せしてみることにした。最近乗り物に興味を持ち始めた甥っ子を引き連れ、11時半近くに撫牛子駅に着くと、誰もいなかった。

しめしめ、これは独り占めできる、とほくそ笑んだが、秋田ナンバーの車が既に停まっていて、待合室には大きなレンズを取り付けたカメラを手にする男性が、どうやら「SL銀河」の通過を待っていたようだった。(実は僕はこの時、運行するかどうかの判断となるあることに気づいていなかった。)

11時46分到着なので、恐らく11時40分頃には撫牛子駅を通過するはずだ。カメラを片手に、甥っ子の手を引き、青森方面側のホーム、つまり通過する反対側のホームでその時を待った。イメージしていた構図は、生まれて初めて見るSLを見た甥っ子の反応。手を振るもよし、はしゃぐのもよし、その姿の奥には疾走するSL銀河…というものだった。
11時38分。時計を見ながら静かにその時を待つ。いよいよ退屈の限界が近づいてきた甥っ子を、一緒についてきた妹がなだめている。

僕は、橋脚の向こうから響いてくるであろう汽笛、そして見えてくるはずの煙を凝視する。
42分。…あれ?来ない。連日試運転をしているって聞いたのに、何で?慌てて検索して、あることに気がついた。それは、試運転が行われる日は、安全確保のため踏切やホームに警察や警備員が張り付くということ。あたりを見回しても、警察や警備員はおろか、人ひとりいないし…。
何とこの日試運転は行われず、結果的に空振りを喰ってしまったのだ。帰り際、甥っ子が一言。
「ピンクのSL、格好よかったね!」
いや、それSLじゃなくて、青森から弘前に向かう普通電車なんですけど…。(汗)

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翌日マスコミ向けの試乗会があることを妹に伝えると、思うところがあったのか再び甥っ子と撫牛子駅を訪れ、無事「SL銀河」を見ることができた、との報告があった。

「前日空振りしてくれた兄のおかげです。」
…うるさいわ!(苦笑)

9月14日。大切な後輩の御尊父が他界され、18時30分からのお通夜に参列するため、15時過ぎから2時間お休みを頂くことにしていた。
一昨日の失態を挽回すべく、家を出る際にカメラをカバンに忍ばせ、電車ではなく自家用車で青森へ。
不謹慎ながら、あわよくば帰りに「SL銀河」をファインダーの中に捉えようという作戦。お昼に母から「弘前駅、蒸気機関車の汽笛が凄い。」という情報を得ていたので、この日試運転が行われているのは明らか。
あとは、弘前から青森に向かう時間帯さえ間違えなければ、きっと会えるはず。

そして、「SL銀河」を捉えるべく狙いを定めた駅は、大釈迦駅。理由が幾つかある。
(1)職場から向かう帰路の途中ちょうどいい場所にあり、準備の時間を確保できること。
(2)無人駅であり、かつ駅のすぐそばに無料の駐車場があること。(定期券を持っているので、別に有人駅でも構わないんだけど。)
(3)駅の構内が比較的広く、弘前方面からはほぼ直線で線路が走っていること。(遠くから走ってくる姿を目視できる。)
(4)停車時間が長いこと。(他の駅は停車時間が2分程度であるのに対し、大釈迦駅は14分。)

青森の職場を出発し、大釈迦駅に到着したのは15時50分頃。既に駅の構内には、警備員とJRの保安係員の姿が。これから待望の「SL銀河」がやってくることを確信した。

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てっきり1番線ホームに入線するのだろうと思ったら、どうやらそうではないらしく、3番線に入線するようだ。構内の跨線橋を渡り、到着の準備を進める係員に聞いてみた。
「ええ、3番線に入線しますよ。」

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確かに2・3番線ホームには、SLの停車位置を示すマークが貼られていた。当初2・3番線ホームから1番線へのアングルを、と考えていたのに、魂胆がちょっと狂ったが、これはこれで結果として良かった。
再び1番線に戻り、弘前寄りのホームの端に陣取る。…といっても、ホームの上には誰もいない。どうやら今日は作戦成功のようだ。あとは、カメラの設定とピント合わせさえちゃんとやれば…あ!三脚を忘れた!
あろうことか、三脚を家に忘れるという失態。
すぐに弘前行きの電車と青森行きの電車がそれぞれホームに入線し、程なく出発。この弘前行きの電車が、次の浪岡駅で「SL銀河」と交換となるはずだ。
16時05分頃、「浪岡駅出発」の無線の声が耳に聞こえた。いよいよターゲットはこちらに向かっている。
ホームの端にある柵を三脚の代わりにし、200mmのレンズを固定。ふと見ると、跨線橋の上にはSLの到着を待つ人の姿。2・3番線ホームにもまばらながら一般人の姿が見受けられる。
やがて遠くに、一つ目のライトが見え始め、少しずつその姿を大きくしながら、ゆっくりとこちらに近づいてくるのがわかる。黒光りする車体から白い煙や黒い煙を吐き出し、徐々に大釈迦駅へと迫ってくる。

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駅構内南側にある踏切警報器が鳴り、遮断機が下りる。一つ目のライトはどんどん大きくなり、3番線方向へと切り替わったポイントをガタンゴトンと音を立てながら走ってくる。ようやく見ることとなったその姿に興奮を隠しきえれぬまま、肝心の「置きピン」の手前で慌ててシャッターを切ってしまったため、ちょっとだけボケの入った画像となってしまった。

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ヘッドマークを外したC58型蒸気機関車と、「SL銀河」のロゴが施された青い4両編成の客車(正しくは自走することもできる気動車)の全景を捉え、跨線橋を駆け上がる。試運転のはずだが、なぜか乗客の姿が見受けられる。

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僕はといえば、蒸気機関車の正面、真横、背後と、色んな角度から何かに取り憑かれたかのように無心でシャッターを切っている。

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程なく、秋田行の特急「つがる」が通過するので、黄色い線の内側に下がって欲しいと拡声器で保安係員が叫ぶ。これも織り込み済だったので、蒸気機関車と特急のすれ違いを捉えることができた。

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…って、何かここまで来ると私、鉄道マニアみたいなんですけど、ホントそんなことはないんですよ。好きか嫌いかで問われれば「好き」ではありますが、少なくとも「マニア」ではないですから、ええ。「にわかファン」程度で勘弁して下さい。

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しかし、そんなホーム上で繰り広げられた至福の時間もあっという間に終了、もうもうと黒い煙を吐き出しながら、28分頃にボォーッという大きな汽笛、そしてなぜか牽引されているはずの気動車も汽笛を鳴らし、青森方面に向けて大釈迦駅を出発していったのであった。

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12日の失態が生んだ作戦は、まさにケガの功名といった感じで幕を閉じた。
帰宅してから妙に鼻がむずむずするので、ティッシュで鼻をかんだら、ティッシュが煤で真っ黒になった。