お盆の時期になると、家の前で割り箸や小さな薪を組んで迎え火や送り火を焚く光景をよく目にしていたが、最近は以前と比較しても火を焚いているご家庭がかなり減ったような気がする。
環境への影響、周囲からの目、色々気にすることがあるからなのかもしれないが、稲刈りが終わると郊外の田んぼからは濛々と煙が立ち上がることを鑑みると、これぐらいで目くじらを立てられるのもなあ、と思うところもある。
うちでもお盆の時期は迎え火を焚いていたが、最近は人目も憚らずに…というのもいかがなものかというところもあり、極力控えめに焚くようになったが、着火剤となるのが伯父の持参する桜の樺であるため、一度着火すると結構な煙が立ち込めることとなる。
そんなこともあり、風向きや強さを考慮しながら火を焚くようにしているのだが、今年はそれすらも躊躇することとなった。
これまでお盆の時期といえば、母方の実家へ赴き、親戚とバーベキューコンロを囲むという光景が繰り広げられていたのだが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、母方の実家へ赴くこともできなくなった。何せ秋田県の知事が「県外からの帰省等は遠慮を」と暗に言ってしまったからね。
ということで毎年の恒例行事である盆と正月という、最も楽しみにしていた機会を削がれた母の落胆ぶりはなかなかのものであったが、こればかりはどうしようもない。結局今年のお盆はどこに行くこともなく、自宅で過ごさざるを得なくなった。(もっとも、仕事の関係で夏季休暇の変更を余儀なくされたので、僕としては全く問題なかったわけだけれど。)
そこで登場したのが、「七輪」だった。