猿には多分わからない?#弘前白神アップルマラソン コース解説 

いよいよ今年も弘前・白神アップルマラソンの開催が迫ってきました。あと1週間ということで、準備を整えている方も多いのではないかと思います。
今年もフルマラソンで4時間のペースランナーを務めさせて頂きます。非公認のコースだからこそ、そして地元開催だからこそできる役割、そういう機会を与えて下さった関係者の皆さん、そして弘前公園ランニングクラブの仲間を始め、地元でランニングに勤しむ同志の皆さん、さらには県内外から大会に参加されるランナーの皆さんに、心から感謝です。皆さんがいなければ、こういう役割を担うこともありませんから。

さてこの大会、先程も触れたとおり公認コースではありません。だからこそ本格的なシーズン前の練習として位置付けるもよし、自己ベストを狙うもよし、ファンランに徹するもよし、人それぞれいろんな楽しみ方があると思います。

ちなみに僕にとっては、6年前のこの大会が生まれて初めてのフルマラソンでした。その時の記録は3時間34分50秒。アップルマラソンの持ちタイムとしては、これがベストということになりますが、その後の大会はペースランナーだったりハーフマラソンの伴走を務めたりだったので、今どの程度で走れるかは正直わかりません。

ただ、勝手事情を知るコースと自認している地元のランニング仲間の中でも、実は意外と走りにくいのだと評する人もいます。

今年、大会前日にコース下見ツアー・ミニ観光ツアーが行われる予定となっており、僕はコースの案内役を務めることとなっています。

昨年は台風の影響で大会自体が中止となりましたが、前回大会と大きく変わったのが、今年はハーフコースのゴールが西目屋村役場前に設けられたということ。ハーフの折り返しがなくなり、ワンウェイのコースとなったことには賛否両論色々あるようですが、それはともかく今年はゴール地点が違う、裏を返せばハーフマラソンのコースがフルマラソンの往路とほぼ一緒ということになります。

そこで、前日に予定しているコース案内を一足早くこちらでやってみたいと思います。ちなみにツアーでは全コースをバスで辿るわけではないとのことですので、ツアー参加者へのフォローも兼ねているつもりです。

【スタート~5km】
スタート地点は例年と同じく弘前消防本部の西側です。スタートして程なく、約300mの城西大橋を一気に下ります。スタート地点は当然混雑しますが、この下りで勢いをつける必要はありません。遠くに見える岩木山を眺めながら、そして、沿道からのたくさんの声援を受けながら、ああ、今日も天気がいいなあ、とか、大きく深呼吸しながら先に進めましょう。慌てる必要はありません、まだ先は長いから。1km過ぎた信号付近まで緩い下り基調、左手に小学校が見えてくる辺りは、気づかないほど緩い上りです。緩い上りに緩い右カーブ、このあたりでは弘前ねぷたのお囃子を耳にすることができるかも知れません。それを過ぎたところには岩木川に架かる岩木茜橋を越えて2km通過。橋を過ぎた後は、しばらく稲刈り後の田園風景をお楽しみください。

3kmを過ぎると再び緩い右カーブ。じわじわ上り基調となりますが、あまり気にはならないと思います。4km過ぎ、左手に岩木小学校が見えてくると、最初の給水ポイントがあります。混雑必至のポイントではありますが、必ず給水は取るようにしましょう。
ここから左折、右折の連続する区間が続きます。有人のガソリンスタンドを左手に見ながら左折すると、5km地点通過です。

【5km~10km】
道幅が多少狭くなり、上りと下りが続く区間となります。後程説明しますが、折り返した後の復路ではキモの区間となりますので、余裕があれば予習がてら脚で覚えておきましょう。7km付近までは緩い上りが続きますので、テンポ良くしっかりと。上りがあれば下りがあります。五代の集落ではりんご農家の方が私設エイドを用意しています。りんごはもちろんのこと、手作りのりんごジュースも置かれているようです。余裕がありましたら、是非。ちなみにこの辺りから建物の間にりんご畑が広がる長い下りとなりますが、下りだからといって調子に乗らないように要注意。ここで調子に乗ると、後で痛い目に遭いますから。8km地点、五代集会所の前に2つめの給水ポイントがあります。程なく右折、9kmの交差点を過ぎると徐々に道幅が狭くなっていきますが、気にせずに先へ進みましょう。

【10km~15km】
10km辺りから徐々に民家の数が少なくなり、応援する人数も減ってきます。気にすることはありません。自分の走りに集中しながら、先へと進んでください。突き当たりを右折すると、いよいよ中盤の頑張りどころへと進んでいきます。岩木山の登山囃子が聞こえてきたら12km付近、岩木川頭首工付近で3つめの給水ポイント。ここから踏ん張りどころが連続しますので、しっかりと給水を取りましょう。最初の踏ん張りどころは、「大久保の上り坂」です。大久保集落の頂点にはバス停がありますが、力を抜くのはバス停を過ぎ、右側に分岐する農道の上から聞こえる声援に応じてからにしましょう。
左手にある神社を過ぎると、岩木川と並走が続きます。応援の人影はほとんどありませんが、岩木川の川音に癒されながら、森林浴気分で走ります。ちなみにこの区間は旧道で、上りと下りが連続する区間となります。特に、旧道から現在の県道に右折すると、谷間に視界がパッと開かれます。正面に岩木山、左手に岩木川、そして目の前には緩い上りが続きます。力を温存しながら頑張って上りきります。

【15km~20km】
岩木川を横目に上りきると、15km地点。左手にローソンの看板を見ながら国吉地区へと進む旧道に入って少し進むと給水ポイントがあります。この区間は、沿道の声援がやや多くなります。施設のお年寄りの皆さんが声援を送ってくれますので、余裕があれば手を振って応えましょう。一見すると分かりにくいかもしれませんが、ここから折り返し(ハーフのゴール)までは緩い上り基調です。ちなみに、国吉地区を過ぎ、右手にファミリーマートがあるポイント、そこからが意外と長く感じられます。両側には田んぼと畑が広がる田園風景。左前方には白神山地の山並みが見えてくるはずです。東目屋ふれあいセンターを過ぎると、「ようこそ西目屋村へ」と書かれた建物が左手奥に見えてくると思いますが、ポイントとしては、この建物ではなく「道の駅津軽白神」の道路標識を目印にすること。道の駅の先が折り返し地点であり、そしてハーフマラソンのゴールだからです。

そしてハーフマラソンの皆さん、20km地点に関門が設けられています。12時05分ですので、スタートしてから2時間50分以内に20km地点を通過してください。

【20km~25km】
西目屋村に入ったことを示す市村境の道路標識を過ぎると、折り返しは間もなくです。左手の道の駅、ここでもたくさんの方が応援していると思います。前回までと異なるのは、この道の駅付近でフルとハーフのランナーのコースが分離されます。フルのランナーはセンターライン寄りを、ハーフのランナーは歩道側を進みます。フルの折り返しは信号のやや手前、ハーフの折り返しは信号寄りに設けられています。ハーフの皆さんは折り返してすぐ、「ブナの里白神館」の手前を左折、西目屋村役場前がゴールとなります。フルの皆さんはここから弘前市のゴール、追手門広場を目指します。折り返したあと余裕があれば左前方、形を変えた岩木山が鎮座していますのでご確認を。ブナの里白神館を過ぎてすぐ、道の駅の向かいにある津軽森林管理署に給水ポイントがあります。

21km付近にフルマラソンの関門があります。12時ちょうどとなりますので、それまでに通過してください。

そしてここから下り基調となることが目でも確認できると思いますが、油断大敵です。この区間にはもう1か所、東目屋ふれあいセンターの前にも給水ポイントがあります。そして24km、再び国吉地区へと入っていきます。

【25km~30km】
確か26km付近だったと思いますが、最大の私設エイドがあります。ランナー目線のさまざまな飲食物が置かれていますので、こういったところを利用するのも一つの手かと思います。

先程申し上げたとおり、上りがあれば下りもあります。特に26kmを過ぎて右手に岩木川が見えてくると、一気に駆け下りるような感じが約1km続きます。が、勢いに任せた爆走は禁物。【10km~15km】でも説明したとおり、この区間は上り下りの連続なのです。つまり、ここで調子に乗ると、30km以降で地獄を見ることになります。だからこそここは下りの力を借りつつ自らの力を温存する、それぐらいの気持ちで走った方がいいかも知れません。下りの後には上りが待ち構えている…最後までその意識は頭の片隅に置いてください。25km過ぎの国吉、30km付近の岩木川頭首工の給水ポイントは、いずれも往路でも利用しているはずのポイントです。お忘れなく。

【30km~35km】
個人的には【5~10km】の復路、この区間が最大の山場だと踏んでいます。31km、如来瀬集会所を左折した辺りから、ゾンビ化したランナーが無数に現れます。そのゾンビ、いやランナーを更に苦しめるのが33kmを過ぎた付近、五代集会所の給水ポイントの後に現れる通称「蔵王坂」です。先の見えないランナーの心をポキリと折ってしまう、実にイヤらしい上り坂。ここまで我慢を強いたのは、この区間を上りきるためといっても過言ではありません。農家さんの私設エイドもありますのでうまく利用しながら、精神力を切らさず走り切ることを祈るばかりです。

【35km~40km】
一通り続いたアップダウンもようやく終わりました。午前中に見た田園風景は、皆さんの目にはどういう風に映ることでしょう。37.5km付近、岩木小学校の給水ポイントもお忘れなく。さあ、ここまで来たらゴールはもうすぐ。岩木茜橋を過ぎれば、あと2kmちょっと。時計ばかり気にしていないで、自分の気持ちを信じて!

【40km~ゴール】
この付近から一気に沿道の声援が増えます。往路にはなかった最後の給水ポイントがあります。一番の頑張りどころですから、沿道の皆さんの声援を力に変えましょう。41km地点から、最後の上り坂となる城西大橋が待ち構えます。ここまで来たらもう大丈夫。上りきるとゴールまで800m弱です!

そしてフルを走る皆さん、41km地点、城西大橋の手前に関門が設けられています。14時45分、スタートしてから5時間45分以内に41km地点を通過してください!そこからは、歩こうが這おうが皆さんの自由ですから。
そして追手門広場のゴール地点。実はこのゴール地点がかなり狭くなっています。競り合いの勝負は、ゴール手前200mまでに決してください。そして、ゴール手前の300~400m地点では、我々弘前公園ランニングクラブのメンバーが皆さんに声援を送っているはずです。最後の力にしてくださいね!

【最後に】
正直、台風18号の進路が非常に気になるところ。2年続けての中止だけは勘弁願いたいです。
かく言う僕も、実は先月から咳が止まらず、しかも両足アキレス腱に痛みという時限爆弾を抱える満身創痍の状態ですが、この役割だけはしっかりと全うしたいので、養生に努めます。(そういう事情で昨日から走るのを止めています。)

それでは皆さん、大会でお会いしましょう。とにかく主役は皆さんですから、風船を目印に我々をうまく利用してくださいね!