30kmの壁。人生の壁。


また物事を七面倒くさく考えはじめている。

あれ?前にもこんなことを考えていたな、と思って過去の投稿を検索したら、ちょうど10年前にも同じような自問自答にまつわる投稿をしていた。
10年一昔とはよく言ったもので、あの時とはまた違った視点での自問自答となった。

10年前といえば、まだ独りで走っていた頃だ。

一つだけ今も変わっていないこと、それは僕にとって一人きりで走る時間は、物思いに耽る時間だということだ。

そして、大体こういう自問自答が始まるときは、自分自身に対する不甲斐なさや憤りが渦巻いていたり、壁にぶつかっている時だ。
今まさにそのすべてが当てはまるような状況で、まずは今月末の北海道マラソンにどういった気持ちで臨めばいいのだろう、という迷いで溢れかえっている。

元を辿れば、7月にアキレス腱を痛め、思い通りに走れなくなったことがきっかけだった。さあ、走り込みを始めるぞ!と思った矢先のトラブルだった。結局、7月前半は文字通り棒に振ったが、おかげさまで仕事は順調に推移したように見えた。

走った距離は裏切らないらしいので、7月1か月でわずか80キロちょっとという走行距離が、8月下旬の北海道マラソンに挑む僕にどういった結果をもたらすのかは、もはや火を見るよりも明らかだろう。そんなことよりも、無事に完走できるのだろうか。今は不安でしかない。

この不安を払拭する方法は一つ。当たり前のことだが、走ることへの不安を断ち切ることだった。

そう思って、8月第1週の土日を敢えて「ドカ走り」に充てた。土曜日はブラインドランナーのAさんの伴走に勤しみながら、合計約21km。1キロ当たり8~10分で走っていたので、普段歩くスピードよりも遅いことになる。

翌日は、夏の試走会に参加し、LSDで約32km。恐らく、2日間でこんなにガッツリ走ったのはこれまでで初めてかもしれない。

しかし、不安を解消するはずだったのに、むしろ不安(特に脚に対するそれ)は拭えぬまま月曜日の朝を迎えた。逆に日曜日の朝に、ほとんど疲労感がないまま試走会に臨むことができた方が不思議だったけれど、土曜日の練習の際にAさんからケアのヒントを聞くことができたのが非常に大きかった。こうやって自分が知らない情報を得ることができるのは、ラン仲間と一緒に走ることの醍醐味かもしれない。

ただ、日曜日の試走を終えた後、脚をしっかりと冷却することができなかった。マッサージは施したものの、何となく疲れが残ったままだというか、そんな感じだった。今思うと、土曜日も日曜日も軽い熱中症だったのかも知れない。頭痛があったし、少し気怠さも感じていた。ちょっと嫌な予感がした。

月曜日に目が覚めた途端、股関節と大腿部の筋肉痛に気づいた。まあ、これは想定の範囲内。そして、通勤途中で違和感を覚え始めたのが、またしても左脚のアキレス腱だった。1か月前に痛めた時と全く同じところ。嫌な予感が的中した。せっかく復調の気配が見えていたのに、また当面の間走れなくなるのかと思ったら、心底気が滅入った。

火曜日。あれ?痛みが引いてる。あれは気のせいだったかな。膝から下のマッサージを施したし、快方に向かっているのかな?と思った水曜日朝。

やはり単なる勘違いだった。
結局その日の夕方にはかかりつけの整形外科に駆け込み、状況を説明。結果、2か月続けて同じ部位に注射を打たれるという事態になった。
悶絶しながらの局部注射、リドカイン塩酸塩もデカドロンも効果覿面だったことが、不幸中の幸いだった。

御年48歳、人間の寿命を考えたら既に人生の折り返しを過ぎている。疲れも怪我も、抜けにくくなっているし…。

そんな面倒くさいこと考えなくても、走って楽しければいいじゃない!

おっしゃる通りだ。けれども、走っても何か楽しくないな、って思ったらどうすればいい?
それはもう、潮時なのかな。走ることをやめればいいのかな…。心の中で嘆いてみる。

違う、そんなことはない。
思考が後ろ向きになればそういう方向に物事は進むし、前向き思考であれば、紆余曲折あろうとも少しずつ事態は好転する。

そんな中出てきた、自分が走ることの意味の再考。
その答えはそれぞれ異なると思うし、走ることに意味なんかない、という人だっているだろう。

いずれにせよ、かつては鳴り物入りの運動音痴だったこの僕が、走ることを習得して得られたことは、僕にとって相当の財産だ。自分の生き方の幅が一気に広がったわけだから。
けれど、走るということに対する姿勢、向き合い方、付き合い方を少し再考した方が良さそうだ。それは走ることだけじゃなく、いろいろ取捨選択の段階に差し掛かっているということだろう。

どう足掻いても届かない目標と、もう少し背伸びしてジャンプしたら届くかも知れない目標。
諦めるしかない夢と、絶対に諦められない夢。
どんなに頑張ってもできないことと、あともう少し頑張ればできるかも知れないこと。
絶対にやってはならないことと、何がなんでもやっておかなければならないこと。

走ることだけじゃない、越えなければならないあれやこれやはいつか必ずやって来る。

だからこそ、人生の30km地点から大失速しないよう、色々作戦を練ってみようと思う。

でもその前に、転ばぬ先の杖を探さないとな。


投稿者: のんべ

1971(昭和46)年 青森県生まれ。弘前市在住の青森県職員。 プリンスとビールと豆腐とラーメンを愛する。安いカメラでいかに安っぽくない写真を撮影するかに興味あり。 ブログの内容の多くは、いつの間にか趣味となった「走ること」がメインです。