サンディエゴの奇跡

昨日行われたWBCの決勝。
激戦を制し初代王者に輝いた日本。
一日経った今も、テレビを観て興奮したあの心地よい余韻が残っている。
野球好きでよかった!

ところでサッカーの世界では、これまで幾度となく「○○の悲劇」「○○の歓喜」といった言葉が使われたことがある。 サッカーになぞらえて敢えて昨日の興奮を表現するならば、「サンディエゴの奇跡」といった表現が最も適切ではないかと勝手に思っている。

二次予選が行われている真っ最中、例の誤審騒動から一気に興醒めしたと僕は以前のブログに綴っている。しかし、日本の二次予選敗退が濃厚の中、米国対メキシコ戦でまたしても起こった誤審により、既に二次予選敗退が決まっていたメキシコが奮起、よもやの米国撃破からその奇跡は始まった。いや、むしろ韓国戦に敗退した一次予選からその奇跡への序章は始まっていたのかも知れない。

そして、僕の興味は一気にWBCに再び吸い寄せられていった。


棚からぼた餅といっては語弊があるかも知れないが、日本はメキシコの奮起により準決勝進出を果たし、優勝が最低限の条件であった米国はよもやの二次予選敗退となった。その後の日本チームの快進撃は昨日の決勝で締めくくられたが、強気な発言でとことんヒールに徹したイチロー(矢沢永吉の影響受け過ぎですから!)や、ベンチ内を盛り上げていた控えの選手の存在があったからこそ勝ち得た世界一の座ではないだろうか。

それにしても、選ばれているのは一クセも二クセもある選手達。
下手をすると野手と投手との意思疎通が図れなくなり、チームのバランスが崩れる可能性もあったかも知れない。
でも、同じ目標に向かう姿にそんな心配は不要だった。

特に昨日の決勝戦で印象的だったのは、6回7回と続けて飛び出した川崎のエラー。特に6回のエラーは失点に繋がっていただけに、7回の川崎のエラーそして続いたピッチャー渡辺のエラーと、リードしていながらまるで萎縮してしまっている選手達の姿に、目も当てられなかった。何とか0点でしのいだ選手達がベンチに戻ると、川崎の頭をポンポンと叩く西岡、そして控えに回った宮本が笑顔で川崎に声を掛ける姿が。他の選手も川崎に一言二言声を掛けると、顔を真っ赤にした川崎が自らの頭をポカポカ叩くというシーンが映された。

レギュラーシーズンではあまり目にしない光景だと思った。そしてこれこそが、王JAPANの結束力なのだろうと思った。
これで勝てる。きっと勝てる。

そして迎えた世界一の瞬間。誰もが我を忘れて狂喜乱舞していた。グッと胸が熱くなった。マウンドに置かれた日の丸が、輝いていた。

総じてみると、確かに運営上の問題は多々あっただろう。不可解な予選組み合わせ。審判のほとんどが米国人という事実。どれもこれも全ては、米国が優勝という絶対的シナリオの下でのことなのだから、仕方がないことなのだ。

その中にあって、敗れたチームが勝者に送るエールの声がとても温かかった。そして勝ち得た「世界一」の座。日本の野球の歴史に、大きな偉業を刻んだ。

日本は今、「追う立場」から「追われる立場」になった。米国は死に物狂いで「世界一」の座を狙ってくるだろう。韓国も間違いなくレベルを高めてくるだろう(日本に対して今秋にも再戦を求めているらしい)。キューバもベネズエラもドミニカも一緒。

一方で、ここ数年日本国内で低迷している野球が、どれだけ復興するか。
そして、3年後に予定されているWBCを見据え、どういったプランを立てていくか。世界一に登り詰めたからこそ、その結果が求められて来るに違いない。また、それぞれのチームに戻った時の選手がどんな活躍をするのかも、しっかり目に焼き付けておかなければならない。

今週末のプロ野球開幕が、例年以上に楽しみになった。

6 thoughts on “サンディエゴの奇跡

  1. じゃん子

    号外で怪我人が出て、成田には出迎え1000人?
    日本が野球でこんなに盛り上がるのは久々に見たような・・。
    ラグビー以外のスポーツを見たのも、見て泣けたのも、超久々でした(苦笑)!
    今シーズンは川崎宗リンに注目しますv
    でもどこのチームか知らな?いw

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  2. nonvey

    川崎宗リンは王監督のお膝元、ソフトバンクの選手ですよ。
    数年ぶりにプロ野球観に行こうって、本気で思ってます。

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  3. mash

    今回の日本チームは、チームワークが素晴らしかったですネ。
    誰かがミスしても誰かがフォローする。
    王監督とイチローの人徳&いろんな逆風の中集められた選手達など、
    さまざまな要素が奇跡につながったと思います。
    巨人のイ・スンヨプ、楽しみですネ?!

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  4. nonvey

    諸々の事情で参加しなかった選手は、きっと地団駄踏んでいたことでしょう。
    僕はむしろ、松坂と上原のピッチング、福留の打撃に注目したいと思います。
    巨人はですね…イだけ火を噴いてもダメだと思います(笑)。

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  5. nonvey

    どうも5月頃に東京への出張がありそうな気配なので、それに合わせて野球観に行くかな、とか考えてるところだよ。まぁ、詳しいことは4月にならないとわからないんだけどねー。
    ま、「神の右手」も所詮「人の右手」だったということで…(苦笑)。

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