第52回 東北社会学会(その3)

いよいよ我々の出番となる午後の部。12時40分には会場に入り、配付資料などを準備(実のところ今回の僕の役割は、これだけだったりする)。
F部会「地域社会の現在」の司会者である宮城学院女子大学のT教授にご挨拶。
最初の発表者である国際医療福祉大学のH氏とともに、報告に関する打ち合わせをします。
その段階で、
「発表は一人20分程度」
「(我々の)2番目3番目の発表は一つと見なし、最初(2番目)の報告後に基本的事項の質問を行い、3番目の発表のあとに総括的質疑を行う」
ことを取り決め。
午後1時、いよいよH氏の発表が始まりました。「旧産炭地域における社会解体過程と住民との社会関係−北海道B市G地区の事例−」ということで、物凄い汗だくになりながら、北海道中央部に位置する某市の現状について報告。正直、次の発表のことが気になってあまり話は聞いていませんでした。
それにしてもこの地域は、配布された住宅地図を見ても明らかなくらい、激しい衰退が続いています。しかも、生活しているのは高齢者がほとんどで、周辺地域との関係どころか、隣近所との付き合いも失われているくらいに寂れているんだとか。
似たような地域って、いっぱいありますよね。九州の産炭地域も同様だっていうし、この辺だと青函トンネルの建設現場となった旧三厩村竜飛も、同じような感じ。今回報告のあった地域も、きっといつか消滅するんだろうな…。
2,3質問があり、13時40分終了。
そして、いよいよ我々の発表です。


2,3質問があり、13時40分終了。
そして、いよいよ我々の発表です。
「リーダー生成過程としての選挙と地域づくりの展開」
まずはK教官による、「青森県A村におけるリーダー生成過程と地域づくりの展開」の報告。時間配分を考え、何度も練習したそうです。ただ、やはりマイクを使うのも忘れるくらい緊張していたらしく、同席した院生によると「手が震えていた」そうな…。見ているこちらも緊張しました。ハイ。
25分ほどで、無事に報告終了。K教官の青ざめた顔に、生気が戻ってきました。まずはヨカッタヨカッタ…。
確認事項に対する質疑はなく、続いて、Y教官が「リーダー生成過程としての「選挙」と各社会層の動向」について報告。
こちらはさすが報告慣れしている感があり、抜き刷りを端折りながら約25分で報告終了。
そして問題の質疑応答。
書き手が別れていたため、その内容に応じて質問に答える、というハズ(?)だったのですが、何故か発表を終えたY教官がそのまま質問に答える羽目に(すいませんでした)。「→」以下はY教官からの回答。
・(報告に登場し、3度選挙戦を繰り広げた)Y氏とT氏に関しては、町内会が支援、推薦することはあったのか。
・(同じ趣意の質問で)部落推薦、地区推薦はないのか。
Y教官が、僕の顔をじっと見て、「あった?あった?」と声を出さずに聞いてきます。僕はキッパリと首を横に振り、ない。と意思表示。
どうやらこちらの意図を汲んでくれたみたい。
→議員選挙レベルであれば、町内や部落がこぞって応援するということはあったかも知れないが、村長選挙となると、そういったレベルでの推薦はない。むしろ、地縁よりも血縁の支援、繋がりが強い。
(その通りですY教官!僕はそれを言いたかったんです!)と、安堵。
続いての質問。
・T氏とY氏の選挙を、「選挙のための選挙」と評しているが、何故彼らは争わなければならないのか。
→この選挙には、政策論争がない。つまりこれは、人格評価のための選挙である。あとは、単に好き嫌いの問題だろうか(笑)。
全ての報告が終わったあと、質問者が我々のもとにやって来たので、実は、T氏からの聞き取りを終えたあと、村議選に出馬し当選、Y村政を厳しく監視しているということを補足説明。
・「リーダー生成過程としての選挙」とあるが、「生成」ではなく「選出」とすべきではなかったか。
→同感。読み返しながら、なぜ「生成過程」となったのか、疑問に思っていた(笑)
ざっとこういった質疑が取り交わされたのですが、報告を聞いていた方からの評価は、概ね好意的でした。K教官も肩の荷が下りたみたいだし、良かった!ホントお疲れ様でした。
Y教官とK教官は、このあと行われる学会総会に出席しなければならないため、分科会の行われた教室前でお別れ。余った抜き刷りも頂いてきました。
まぁ、こんな感じで、恐らく人生最初で最後の学会を終えたのですが、もっと専門的で難解な話題ばかりかと構えていたのですが、「社会学」ということもあって、意外に順応することができました。
両教官からは、「nonveyさんみたいな職業の人がこういう学会に来ることなんてないから、きっと重宝されるよ」と言われました。
7,000円払っていれば、より交流が広がったかも知れませんが、何せどういった内容なのか全くわからず、こちらとしても身構えていたところがありましたので、これはこれで良かったんだろうと思っています。
余談ではありますが、大学からの帰路、大学前のバス停にて30分も待たされたことを申し添えます。市営バスめっ!大嫌いだ!
以上で学会参加顛末記(笑)を締めたいと思います。長々とお付き合いありがとうございました。
(終わり)

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