過渡期

スポーツ界は今、いろんな分野で過渡期にあるような気がする。女子人気に押されっぱなしの男子プロゴルフ然り、攻めあぐねばかりが目立つジーコジャパン然り、相変わらず離散集合を繰り返すプロレス然り、そして…。


昨日、元大関貴ノ花の二子山親方が亡くなった。貴ノ花といえば、藤島部屋を構えていた頃、初の兄弟横綱となる二横綱一大関を輩出し、一時は10人もの関取を抱えた名門部屋だった。しかし、若貴の引退、そしてプライベートでの騒動などを抱え、晩年はとても寂しいものだったような気がする。折しも、こちらも名横綱として名を馳せた大鵬親方が定年退職してわずか2日後のことだ。
相撲界は今、一人横綱朝青龍の孤軍奮闘ばかりが目立つこととなり、それに追随する力士が輩出されず、人気低迷にあえいでいる。
そんな中にあって、一人は角界を去り、一人はこの世を去った。大鵬が引退を決めた取組、相手は貴ノ花だった。きっと二子山親方は、大鵬の定年退職を見届けたかったのだろう。
相撲界にとって大きな損失であることは間違いない。
合掌。
片やプロ野球。いわば内紛のような騒動を経て、新球団の創設やセパ交流戦の開催など、話題には事欠かないが、以前のような人気回復には至っていないようだ。ホームランばかりで勝負を決めようとする大味なチームが低迷し、緻密な野球を繰り広げるチームが台頭するといった状況、結局投手力に勝るものはないと見た。
そんなプロ野球で、長嶋茂雄氏の復帰プランが練られているという。病に倒れ、リハビリを続け、驚異的な回復力をもって大衆の前に姿を現すとはいうが、そんな病人を引っ張り出してまで人気(いや、視聴率)回復に努めたいのか、と正直ちょっと呆れてしまう。
いつまでも長嶋人気にあやかろうとするプロ野球(特に巨人軍)。僕は巨人が好きだけど、長嶋氏にはできればこのまま隠居して欲しかった。ゆっくりと余生を送って欲しかった。
時同じくして、あの渡辺前オーナーも球界への復帰を目論んでいるようだ。この方には、できれば野球に関わって欲しくなかった。一場投手に対する現金授受の件で禊ぎが済んだとでも思っているのだろうか。再び老獪どもが幅を利かせようとする球界。発展どころか、後進に繋がりかねない事態は、過渡期などという言葉も当てはめられないほど惨めだ。

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