「消耗品」としてのスーツ

仕事柄、私は毎日スーツを着て出勤しています。上着こそ脱いでいますが、執務中も作業着に着替えることなく、帰宅するまでネクタイを締め、スーツを着ています。
毎日スーツにネクタイは窮屈だ、という人もいますが、私としては逆に背筋がピンと伸びる感じがして、結構好きです。
持っているスーツは現在4着。しかし、春〜秋物が3着で、秋〜春物が1着。ただ、夏季は「サマーウェア」と称して私服での通勤、執務が認められていますので、実質春と秋、冬にスーツを着て過ごす、ということになります。所有しているスーツの生地その他を考えると、これからの季節は一着のスーツで毎日過ごさなければならないことに。これではいかん、というワケで、昨日スーツを探し求めに出かけました。


私にとってスーツとは、所詮「作業着」みたいなものと割り切っています。よって、高価な物には全く食指が動きません。ン万円、下手をすればン十万円もするようなオーダーメイドやいろんなブランドのスーツがありますが、私にとっては高嶺の花。というよりも、そんな高価なスーツを購入したところで、果たしての身の丈に合ったものなのか、という疑問も残りますし、何着も着回しするとはいえ、ほぼ毎日着ることを考えると、消耗される度合いが非常に高く、もったいないという気持ちが先行してしまうのです。
逆に言うと、私にとっては単なる消耗品であるスーツを、いかに安価で手に入れるか、ということに意識が注がれます。ちなみに、春〜秋物のスーツは、今年の春先にまとめて購入しました。歳を重ねると、体型も変わってきます。僕の場合は、単身赴任した後と30を超えたあたりで結構体型が変わりました。カエル体型にだけはなりたくないと思っているのですが、寄る年波には勝てません。以前購入したスーツは、当然お払い箱に。大体、ここ4年ほどはスーツと無縁の職場(あるいは学校)にいたわけですから。
で、春先に購入したスーツは、1着約2万7千円で購入しました。これだけでも安価だと思われるかも知れませんが、3着でざっと8万超。消耗品とはいえ、結果的にこういう出費になってしまいます。
ところが服飾業界は、それなりの質を持った海外からの輸入に押されることとなり、実質デフレ市場(ユニクロに見る低価格多売が良例)。これが功奏しているのか、最近大手スーパーでは軒並み1万円台のスーツを販売するようになりました。
妻の情報を頼りに訪れたのは、隣町にある大手スーパー「J」。そういえばここで、1万円スーツを販売しているというのを聞いたことがあるようなないような…。
とはいえ、所詮1万円。粗悪品なんじゃないの?と半信半疑で売り場を訪れてみると…ありましたありました。
スーツには、Y体、A体、AB体などと、いろいろ形サイズがあります。私の場合は腕が長いので、身長173センチにもかかわらずA7(身長180センチ前後、ウェスト84センチ)が一番しっくり来ます。それなりに数も揃っている中で私がチョイスしたのは、濃紺、そしてグレーの2着のスーツ。試着してみると、腕の長さはちょうどいいのですが、身頃は若干長めの感じがしますし、ウェストもちょっと広い。
でも、色、デザインともに別におかしいわけでもないし、確かに若干チープな感じはしますが、これまでもA7のスーツを着ていたわけですし、消耗品と割り切っていましたから、違和感はほとんどなし。結局、この2着のスーツを即購入しました。人に言わせると、1万円スーツと7〜8万円のスーツとの見分けぐらい簡単につくといいますが、大体にして私はそんな高価なスーツに袖を通したことすらないので、どんなものなのかはよくわかりません。
それでも、春に購入したスーツ1着分を下回る価格で2着購入できたというのは、非常に「お得感」がある買い物だったと自負しています。あとはこのスーツ、何年着用することが出来るか、でしょうか。ま、所詮消耗品扱いの一万円スーツですからね。別に一年着られたらそれでもいいかな。あ、でも粗末に扱うつもりは全くありませんよ。それ相応の愛着をもって着こなしたいと思います。

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