郵便での戸籍謄本請求

父方の祖母の戸籍謄本を請求する必要が生じたので、祖母の結婚前の本籍地であった某市のウェブサイトを見て、どういった方法で申請すればいいのかを調べてみた。
今では、かなり多くの役所が遠方に住む人たちのために、郵送での戸籍謄本や証明書の発行を行ってくれる。
インターネットでそのような情報が公開されているということも、飛躍的に利便性を高めた。

さて、ここで一つ問題なのが、今回請求しようと思っているのが、祖母が生まれてから除籍するまで(祖父と婚姻するまで)の間の、全ての戸籍謄本なのだ。

ご存じの方も多いかもしれないが、戸籍謄本はたびたび改製が行われており、その都度新しい戸籍謄本が作られる。最近であれば、電子化による戸籍謄本の改製があった(地域によって導入していないところもアリ)。そして、現在「生きている」戸籍謄本以外は、改製原戸籍ということになる(=証明手数料が高くなる)。
恐らく祖母が生まれてから何度か戸籍の改製が行われている可能性があるのだが、それが一体何度行われているのかわからない。つまり、何通の戸籍を請求すべきかわからないのだ。

某市とそのたびに戸籍謄本の請求、送付のやりとりをするのも馬鹿馬鹿しいし、ハッキリ言って時間の無駄である。
さらに、某市のウェブサイトを見ると、証明手数料については次のような表記があった。

定額小為替により送付してください。切手、収入印紙は使えません。
※同封する交付手数料は、お釣りのないようにお願いします。

請求するのは古い戸籍なので、交付手数料は間違いなく1通750円である。しかし、それが750円で済むのか、1,500円になるのか、あるいはそれを超えるものなのかわからない。
そこで僕は事前に、申請書に必要事項を記載したもの(要するに本籍や誰の分の請求なのかわかるもの)と、今回請求に当たっての事情、祖母が生まれてから除籍するまでのすべての戸籍を請求したいこと、金額、部数についていくらになるかわからないので、電話で連絡を頂ければ改めて請求の申請書と交付手数料を送付する旨の手紙を添えて、既に役所が年末年始の休みに突入した12月27日に郵送した。

1月5日午後3時過ぎ。たまたま外に出ていた時に、携帯電話が鳴った。
某市役所からだった。

「こちら、××市役所市民課の△△と申します。今回お手紙で申請のありました件についてお電話させていただきました。今日から新年の業務を開始しておりますが、手紙が休みの間に届いたようですので、ご連絡が遅くなりました。」(知ってるよ、そんなこと)
「他の役所はわからないのですが、××市では本来、このような電話でのサービスを行っておりません。が、手紙の内容を拝見しまして、とりあえず「○○(←祖母の名前)手数料不足分」というメモを添えて、2,250円の為替を送ってください。」(は!?手数料不足って、まだ正式な申請書も送ってませんけど!?)

本来、こういう電話でのサービスは行っておりませんが(しつこいな、こいつ)、○○さんの戸籍は全部で3通になります。ただ、1通の枚数が相当ありますので、封筒は大きめの方がよろしいかと思います。」

頭の中に沸々と疑問が。そしてはらわたが生煮え状態に。

「すいません、改めて請求書と為替を送らせていただきますが、金額がわからなかったものですから…。」
「いえ、あらかじめ多めに金額を入れてこられる方もおりますし…。」

え?だって、「同封する交付手数料は、お釣りのないようにお願いします。」って書いてあるよね?
それって、言っていることと書いてあることがちぐはぐじゃない?

はらわたがかなり煮えてきた。

「わかりました。では、「○○手数料不足分」というメモを添えて為替をお送りします。お手数をおかけしてすいませんでした。ちなみに、申請書はコピーをお送りしておりますので、改めて原本を送付した方がよろしいですよね?」
「あ…(しばしの沈黙。どうやら申請書を確認している模様)。…そうですね。申請書は自筆か押印ということになっておりますので、申請書も一緒に送付していただけますか。」(おいおい、こっちからコピーだという申し出がなかったら気づかなかったな多分…)

こういったケース(孫が祖母の戸籍を請求する)は、某市ではひょっとしたらレアなケースなのかもしれない。
ただ、わざわざ何時間もかけて某市に行き、窓口でやりとりすることができる訳ではないし、こちらとしては一度で用を済ませたい。もちろんそれは経費(例えば、1通請求するためにその都度80円(場合によっては90円)×2枚の切手を用意してやりとりしなければならないし、後述する定額小為替のこともある)のこともあるが、何よりも時間的な無駄(弘前と某市との往復書簡を繰り返すだけで、一体何日かかることか…)を省きたいという思惑がある。
そのために郵送での戸籍請求に応じてくれるのだろうから、一筆添えてお願いをしたつもりだったが、しかし、こちらの思惑を全く汲んでもらえず、「こういうサービスは行っていません」と言われてしまえば、一体どういった請求をすべきなのか。市民じゃないから教えてあーげない!ってか!?いずれにせよ、実に不親切な対応だと思った。

それともう一つやっかいなのが、定額小為替。
これもほとんどの役所で郵送での各証明書等請求の際に採用しているようだが、この定額小為替、50円、100円、200円、300円、400円、500円、1000円と7種類ある。
ただし、小為替1枚発行するのに何と100円の手数料を要するのだ。ちなみに民営化前の定額小為替の発行手数料は10円だったそうだ。ところが、民営化後は手数料が10倍に跳ね上がったという事実を知っている人は少ないと思う。

今回某市役所の担当に言われたとおり、2,250円の定額小為替の発行を郵便窓口にお願いしたのだが、1,000円×2枚、200円1枚、50円1枚と、4枚分の手数料400円の計2,650円が必要となる。
ところが、これが2,300円の定額小為替だと、1,000円×2枚、300円1枚と、3枚分の300円の計2,600円となることに、後から気づいた。

なんと2,250円の小為替よりも2,300円の小為替を発行してもらった方が、結果として安価となるという理不尽なことが起きてしまうのである。
これで完全にはらわたが煮えくり返った。何だこりゃ?
考えてみれば、50円の定額小為替の発行に100円の手数料って、ぼったくりみたいじゃないか(苦笑)。

ちなみに除籍・改製原戸籍は某市の場合750円の証明手数料が必要となる。組み合わせはいろいろあるだろうが、少なくとも3枚の小為替が必要となることから、手数料込みで1,050円。もし、某市担当者の言うままに1通ずつ、つまり3度の往復書簡を繰り返すと、結果的に3,150円の小為替が必要になったことになる。なお、役所によっては、多めの為替が送られてきた場合、切手で返還するケースもあるそうな。

まぁ、郵便で戸籍請求する人はそんなに多くないと思うが、参考になれば幸いです。ならないか。

4 thoughts on “郵便での戸籍謄本請求

  1. こう

    いろんな方法があるんですね。
    うちも父が年末に亡くなってましたが、今日戸籍謄本を取ったらまだ名前が残ってて困りました。
    市役所の業務って忙しいんでしょうけど戸籍くらいは早めに対応してもらいたいですよね。

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  2. nonvey

    たぶんそういうのが典型的な「お役所仕事」というのだと思います。最優先すべき仕事を後回しにして、どうでもいい仕事を先にやる(って、お前が言うな!と言われそうですが)。
    残されたご家族の心情を思うと、あってはならないことですよね。
    それにしてもこうさん、お父さん亡くなられたのですね。謹んでお悔やみ申し上げます。
    しかし無情にも、感傷に浸る間もなく時間は過ぎていきます。恐らく気が張っている時期とご推察しますが、どうかご家族皆様体調を崩されませぬようご自愛ください。

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  3. こう

    ありがとうございます。
    気が張っているのか意外に大丈夫です。
    これからのことが、どうなるのか不安にはなりますけどね…

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  4. nonvey

    うちもまだ整理のついてないことがいくつかあります。慰めの言葉なのか、時間が解決する、とは言われますけど、解決できないものは解決できないということを悟りました。
    頑張れ、とは言いません(口で言うのは簡単だけど、頑張らなければならないのは、当事者だから)。
    とにかく本当に、今はご自身のことを大事にしてください。

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